2009年08月07日

海外の声 - ハチ公は泣けます -

明日公開のリチャード・ギア主演『HACHI 約束の犬』。1987年製作の『ハチ公物語』のリメイクです。

アメリカでは、6月13日のシアトル国際映画フェスティバルでの上映後、なぜか公開が12月18日。ワールドプレミアが日本なんですな。……全米公開は、クリスマス時期に当てる気でしょうか。気が長いなあ。


↓『HACHI 約束の犬』予告編。




犬がめちゃめちゃカワエエです。そしてまた、リチャード・ギア。犬が似合う俳優ですなあ。すっかり「ステキなおじさま」風味になられて、若い頃の胡散臭さはどこへやらです。(『アメリカン・ジゴロ』はリチャード・ギアの胡散臭さが最大に発揮されてる、大変面白いサスペンスです。売れっ子ジゴロが事件に嵌められていく話。週末にでもどうぞ。)


さて、『忠犬ハチ公』と言えば、特に本や映画を観ずとも、日本人なら誰でも知っている「小さな史実」と言ったところでしょう。北米ではいかがなものかと思い、探してみたところ、オリジナルの『ハチ公物語』はリリースされておりませんでした。かわりに見つかったのが、Hachiko Waits(ハチ公は待つ)というハードカバーの本。

レビュー数は少ないのですが、12件中11件が5つ星、残り1件が4つ星という高い評価を得ていました。


まずは14人中14人が役立つと評価したレビューから。

評価:★★★★★ 動物好きに送る可愛らしい子供向けの本の新作

ハチ公は素晴らしい子犬で、主人である上野教授とともに暮らしています。毎朝、教授は電車に乗る際に、ハチに同じ言葉をかけます。「なんていいこだ。お前は本当にいいこだよ。ハチ、お前は日本中で一番の犬だ」。午後になると3時かっきりにハチは、再び主人を迎えるために駅に戻ってきます。けれど、ある日、教授は電車から降りてきませんでした。ハチ公は待ちます。そうして、ハチは10年間待つのです。親切な少年、ヤスオがハチをそこから引き離し、暖かい家へ連れていこうとしても、だめでした。ハチは、主人の帰りを諦めることなく待ち続けた犬として、すぐに日本中に知られるようになります。そうして、世界でも。

私は動物の物語が大好きですし、日本の文化にも常々興味をもっていました。なので、この本が本当に好きです。著者のLesiea Newmanは、犬であっても、猫であっても、その他の動物であっても、きちんと世話をされている限り、動物が主人に抱く愛情というものを文章にするという素晴らしい仕事をしました.文体は見事ですし、若年層の読者を何時間でも夢中にさせてしまうでしょう。Machiyo Kodairaのゴージャスな白黒挿絵も物語を生き生きとさせています。すべての動物好きに絶対に、読んでほしい必須の本です。

Erika Sorocco
Community Bugle Newspaper
書評コラムニスト●



次は16人中14人が役立つと評価したレビュー。

評価:★★★★★ ハチ、お前は日本一の犬だ。

東京の渋谷駅には、一匹の犬の銅像がある。主人を10年間待ち続けた秋田犬の忠誠心と献身的愛情を忍ぶために、1934年に建てられたものだ。彼の主人は大学教授だったが、仕事中に倒れ死んでしまう。ハチの習慣は、仕事から戻ってきた主人を待ち、それからいっしょに家まで帰ることだった。だが、彼には、なぜ主人が戻ってこないのか理解できない。彼は、駅の彼の場所で死ぬまで忠実に待ちつづける。彼に敬意を表すために、銅像が建てられたのが、この場所である。これは、本当にあった話であり、演出はない。

「なんていいこだ。お前は本当に良いこだよ。ハチ、お前は日本中で一番の犬だ」。これは、上野教授が毎日、大学で教鞭を取る仕事に向かう前、駅でハチに語りかける言葉だ。そうして、ハチが最後に聞いた教授の言葉でもある。ハチは駅が閉じ、駅長が外に出るように促すまで、そこで待ちつづける。

教授と仲が良かった少年、ヤスオと彼の母親がハチを連れ帰るが、ハチはめったにいない「主人は一人」という犬だった。彼は逃げてしまう。誰も、ハチが昼夜どこにいるのか知らないが、午後3時5分前になると、いつもハチは現れて、駅が閉まるまで待つのである。これが10年続くのだ。

しばらくすると、人々がハチのことに気づきはじめる。人々は彼を可愛がり、心配し、餌を与え、彼を連れて帰りたいと申し出る。新聞は彼の物語を書き、遠くからも近くからも、彼に会うために人々が訪れる。彼は、献身的愛情と忠誠心、そうして人間のベストフレンドの象徴になる。が、こうした間も、ハチは冷静であり、最も重要なことは、忍耐強かったということである。彼は、自分の主人を待っていたのだ。

今日、ハチの物語は、日本中の学校で語られている。毎年、渋谷駅のハチ公の銅像の足下で、彼を追悼する特別な式典が行われる。生涯を通じて、ハチは、その忠誠心のために、人々に愛され、尊敬され、讃えられて、忠犬ハチ公と称された。(忠犬=忠誠心のある犬、公=尊敬を表す言葉)これもまた演出はない。

史実を書く物語において、著者は物語に入り込み、そこへ読者をともに連れていくという自由と権利をもっている。Leslea Newmanと挿絵のMachiyo Kodairaは読者を、その駅へ、そうしてハチ公のそばに連れて行き、彼の非凡な献身と愛を感じさせてくれる。あたかも自分が、ハチ公を連れて、そこにいるかのようにだ。ヤスオが成人し、若い女性と出会うときも、私たちはそこにいる。物語の序段で、駅長がヤスオに言う。ハチの世話をすると約束したことは、思いがけない幸せを呼ぶかもしれないよ、と。そう、そうなるのだ。これは、読み逃していけない物語だ。

ハチ公の物語の中で、ハチが触れ合い、影響を与える人々の話はすべて、涙なくしては読めない演出だ。そう、この話を読んでいると、深い感情から逃げられなくなるのだ。涙が溢れ、また次の涙がそれを洗い流す。ハチ公はあなたの心を勝ち取る物語だ。●



このレビューには、ご本人の返信を含め、33件のコメントがついていました。面白かったので、いくつか抜粋します。

■昨日、本を受け取って、一気に読んだの。私が読む前、夫も私の父も読みたいって言ってた。この本を薦めてくれてありがとう。これは涙製造機。ずっと考えてた。「どうしてこの子犬を誰かが引っ張って行って、たくさん愛してあげないの?」。少年がそうしようとしたのもわかってる。それでも犬は残ったのよね。でも、やっぱり、新しい家族を愛せるようになるまで、もう数日、ハチを家にいさせてあげられなかったのかって思う。かわいそうなハチ公。……彼はたくさんの愛をたくさんの人に運んだのね。彼はまだそうしているんだろうと思う、心の中という意味では。

■素晴らしいレビューだった。なんて悲しい話(ハッピーエンドであっても)。かわいそうな犬、あああああ。

■この本を私の妻に薦めないでほしいもんだ。彼女、泣き叫ぶだろうから。素晴らしいレビューだった。

■この本のことを何かで読んだ。待って待って待ち続けた犬のことよね。この本を注文するつもり。11歳の娘も読んでくれるといいんだけど。

■この話大好き。アニマル・プラネットで観たのよ。もう涙製造機、まさに。



次は、5人中5人が役立つと評価したレビュー。

評価:★★★★★ 忠誠心と愛情

ハチ公。美しい金茶色の秋田犬の子犬は、彼の主人、上野教授の愛すべき、そうして尊敬すべきペットだ。この尻尾の巻いた犬はハチと言い、上野教授が日本の字、八が幸運と考えたことから名付けられた。ハチは教授の8匹目の秋田犬であり、とても特別な性質の犬だと教授は感じていたのだ。上野教授とハチは毎朝、通勤の駅までともに歩き、3時になると、ハチ公は渋谷駅に賭け戻った。駅長は、ハチがいれば時計をセットできると言うほどだった。

1925年5月、ハチを飼ってから15ヶ月目、上野教授は仕事中に突然死んでしまう。忠誠心のある彼の犬は、それでも駅で彼を待ちつづける。他の人が彼を飼おうとしても、だ。少年、ヤスオが5歳のときに最初に犬に会い、それから上野教授に出会って、教授が死ぬとハチの部分的な主人になるという、物語の脇筋は感動的で素晴らしい。美しい挿絵が、この本に輝きを与えてもいる。

これは、文化を共有するという意味で素晴らしい本だ。日本語が、日本の食べ物や伝統についての短い解説と用語集とともに入っているのもいい。

これは、あなたを泣かせるかもしれない美しい本であり、読む価値も十分にある。すべての年齢層の読者が、優しい教授と、主人の帰りを諦めずに待ち続けた忠誠心のある秋田犬を愛するだろう。

1935年、ハチ公は、揺るぎない献身的愛情の象徴として銅像になった。巻き尾のもう一匹の犬、マラミュート犬のバルトが1925年にアラスカの猛吹雪の中を薬を運び、銅像になったように、彼らは歴史の一部となり、その不屈の魂をもって讃えられたのだ。●



最後にたった1件だけついていた4つ星のレビューを。

評価:★★★★ 短すぎる

私は13歳の読書が好きな女の子です。犬の本が大好きなんですが、これは短すぎました。●



最後の女の子、かわいいですねえ、アハハハ。「もう子供じゃないので」的背伸びもちょっと見えて、余計にかわいい。



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posted by gyanko at 21:00 | Comment(11) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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