英語圏では、ナオミ・ワッツ主演のハリウッドリメイク『ザ・リング
日本版『リング』は国内大ヒット作ですが、ハリウッド版『ザ・リング』も米国では大ヒット作で、米国アマゾン・レビューは1069件、日本版にも179件ついています。
双方とも今更、説明の必要もない有名タイトル、テレビ等で観てるかたも多かろうと思いますので、たまには四の五の、前置きは言わずにさくさく参りたいと思います。
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まずは、評価の内訳です。179件のレビュー中、
5つ星:84件
4つ星:53件
3つ星:16件
2つ星:10件
1つ星:16件
76%が4つ星以上の評価です。なかなかの評価です。
最初は、96人中92人が役立つと評価したレビューから。
評価:★★★★★ 『ザ・リング』の元となった驚くほどユニークな日本映画
私は『ザ・リング』が大好きだった。なので、鈴木光司の小説が原作のオリジナル日本バーションを観るのをずっと楽しみにしていた。私としては、特に嬉しかったのは、吹き替えより字幕付きを観れたことだ。字幕のほうが映画の元々の雰囲気を損なわないから。
『リング』も『ザ・リング』も見事だった。両方とも暗く、不気味な映画。似てるが、それぞれ違う。どちらを先に観たとしても、おそらくどちらもお気に入りになるだろう。
『リング』は、ハリウッド版と大変良く似た始まり方をする。二人の少女が、観たら七日後に殺されてしまうという、とあるビデオに関する噂話を室内でしている。最初の犠牲者の叔母はレポーターであり、テープの話を調査し始める。彼女は、謎めいた彼女の前夫に助力を求めるが、すぐに自身の命、前夫の命、そうして気味の悪い彼女の子供の命を守るために、信じられない闘いに巻き込まれたことを知る。両方とも、大筋では、最後まで同じ線上ではあるのだが、このあたりから『リング』は『ザ・リング』とは違いを見せ始める
たぶん、両作の最大の相違点は、得体の知れないビデオテープの内容だろう。『リング』では、ザラザラの画面とシンプルさが、より強いリアルさを与えている。『ザ・リング』に出てくるテープは、これよりかなりギョっとするし、本能的だが、巧妙さでは日本版の勝ちだ。
もう1つの著しい差異は、レポーターの前夫のキャラクターに関してである。日本版では、彼は(彼の息子もある程度は)、ある才能を有している。これはハリウッド版とは違う。筋書きが進むのを助けてはいるが、一方で観る者から、ハリウッド版で展開されたような謎を洞察するという楽しみを奪っている。
『リング』の筋書きはよりコンパクトで単刀直入だ。呪いのビデオの存在を説明する際も、再生による強制的な影響力をあまり洞察しようとはしない。ハリウッド版にあった後半の衝撃的な筋の展開も、日本版にはない。ドラマを締めくくるには、少し効果が薄かったと思う。
しかし、日本版は明らかにより多くの恐怖をもたらしてくる。どうあっても、決して忘れることはできないクライマックス。ハリウッド版では、少女が井戸から這い上がってくる、あの重要なシーンは、とんでもなく気味が悪かった。だが、日本版では、この重要な場面を何度も出してくるし、もっと印象的でもっと恐ろしい。ハリウッド版の前に日本版のこのシーンを観れてたらと思った。いや、十分に恐ろしかった。けれど、何が起こるのか予備知識なしで、あのシーンの衝撃を味わいたかったと思う。ハリウッド版が、ある種の写真のトリックで印象的に見せてくれる場面も、日本版では自然に表現されているのに、もっともっと異常で動揺させられる。
あなたがハリウッド版『ザ・リング』を観て楽しかったのなら、日本版『リング』の購入は絶対に薦める。知識があると、『リング』から受ける衝撃は落ちてしまうだろうが、この2作には十分な差異があるし、最も特別なこの恐怖世界への往復旅行が徹頭徹尾、楽しめるものであることは保証する。
どちらを先に観れば良いかと話し合っているなら、私は日本版『リング』から観ることを薦めたい。非常に気味のわるいエンディングの力より、他に優先したい理由がない限り。
私は、ハリウッド版のより複雑で象徴的な演出や、より深みをもったテープの話に対する背景、追加されたストーリー展開が好きだが、ハリウッド版が筋書きに新しい要素を加えたことで、ハリウッド版をすでに観た人が日本版を見るよりは、すでに日本版を観たことがある人々がハリウッド版を観たほうが興味をそそられるだろうと思うのだ●
次は42人中41人が役立つと評価したレビュー。
評価:★★★★★ 『リング』の偉大なる日本版
『リング』は、理由は不明だが、観たものが七日後に殺されるという一本のビデオテープの物語である。
ジャーナリストの玲子はある日、親族の死に遭遇する。十代だった彼女の姪が謎の死を遂げるのだ。原因を辿る糸は何も残されていない。彼女はすぐに、姪の近しい友人の3人が同じ日に死んだことを知る。調べていくうちに、4人の少女たちにある共通点が出てくる。彼女らはみな、不可解な1本のビデオテープを観ていたのである。手掛かりは彼女を、そのテープそのものへ辿り着かせ、好奇心から彼女はこれを観てしまう。都市伝説は、彼女が想像していたよりずっと現実であることが立証される。まもなく玲子は、テープの謎を解読する時間との闘いに立つことになる。
『リング』(家で視聴した)は、視聴者と直結した方法で、「最初から最後まで怖い」という感覚を実現している。どんなふうに? つまり、テレビで観てるのはDVDで、テープではない。なのに、被害妄想が常に恐怖を煽る。
リアルな特殊効果をまばらに使うことで、この世のものとは思えない物語をいかにも本当であるかのように見せている。こんなふうなことを可能にしてるモダン・ホラー映画はほとんどない。
演技は素晴らしいし、台詞、少なくとも字幕用に翻訳されたものは決してくどくない。玲子役の女優は、緊張感のある主役として良い仕事をしているし、主役の男優も(ごめん、名前を失念)、冷静で落ち着いた前夫役として彼女ととても良い対称を成してる。
音楽は骨まで震える。特にメインテーマ(DVDのメインメニューで流れる)。軽く弾かれたギターの弦の、まさに不気味な曲だ。座って、メニューを見ている間、その曲が醸し出す雰囲気といったら、血が凍った。酷く耳障りな音を迸らせることで、恐怖の新しい層を作り上げて、場面を驚くほどの恐怖に陥れているのだ。『リング』はサウンドの素晴らしい使い方で、僕を驚かせてくれた。
極めてシンプル、この映画は可能な限りのあらゆる方法で僕を感心させた映画だ。●
やはり、ハリウッド版と両方を観ている人が多く、比較するレビューが結構、見受けられました。
私もどちらも観ましたが、映像としてはハリウッド版のほうが洗練されてたなあと思います。きれいに撮ってます。ただ、そのせいか、あまり怖くない。『リング』のほうは、……海のような場所に立っている、どこかを指差す不明瞭な人影とか、断片的な映像がかなり怖かったのを覚えています。
小説のほうも、これはこれで怖さが別種でした。「ビデオに入っているノイズの間隔が、人間の瞬きの間隔とほぼ同じ」という下りで不意打ちを食らってしまい、ゾゾゾゾーっと。後に、著者の鈴木光司が「リング」は子供っぽかったというような主旨の発言をしていたと記憶しているのですが、……ホラーって単純な筋のほうが怖いんじゃないですかね。推理小説みたいに理にかなった理由を考え始めたら、怖くなくなってしまう気もします。
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