長々と待たされた感があるので、喜んでる人もいるかなあと思い、いつものように海外ゲームサイトを覗いてみたわけですが、さにあらず。意外、というより、実にアメリカ人らしい盛り上がり方をしておりました。題しまして、「米国人、日本人の「ええ、ちょっとそこまで」に怒る」。
Kotakuの記事です。
『ファイナルファンタジーXIII』の発売日の発表が近いぞ。
『ファイナルファンタジーXIII』の発売日に関して、スクウェア・エニックスの和田洋一社長は「数週間以内に発表する」と「発売日を発表する日の発表」をした。
数週間という言葉は、東京ゲームショウのあたり、あるいは東京ゲームショウでということだろう。以前、スクウェア・エニックスは、この待望のRPGに関して2009年の冬という漠然とした発売日程を公表していた。しかも、マルチプラットフォームのPS3版のみ、日本での話である。
英語版の小売店発売日が聞けるなどという期待はしていない。ま、スクウェア・エニックスが、この「発売日を発表する日の発表」までのカウントダウンをオンラインでやらなかったことだけはうれしいね。
スクウェア・エニックス社長はまた、『ファイナルファンタジーXIII』の開発が順調であるとも語っている。●
和田社長にしてみれば、聞かれたから答えざるを得なかったのでしょうが、「発売日を発表する日の発表」という言い回し。相変わらずKotakuは、いじってきますなあ。コメントもこれに乗っかっています。
■なに?!「発売日の発表日の発表」?これに終わりはあんのか?
■↑すべてのレベルで同意。
■発売日を言わない理由って…?
■↑なぜなら、スクウェア・エニックスは、インターネットからスポークスマンに至るまで、あらゆるメディアにおいて、「発表する日を発表する」という技術を習得しているからだ。
■マジで、「発売日を発表する日の発表」なのか? 公正に言って、ゲームがいつごろリリースされるのか聞かれて、「数週間内に発表する」って言ったのなら、彼は質問にほとんど答えてないよ。「ノーコメント」とか「順調に完成しつつあります」(まあ、実際、そう言ってもいるけど)よりはマシと思ったのかな。「発売日を発表する日の発表」までのカウントダウンがオンラインで始まるまでは、「発売日を発表する日の発表」とは呼ばないでおこう。そうじゃなきゃ、「発売日を発表する日の発表」のプレスリリースが出るまで。
■そうだな。「発売日を発表する日の発表」みたいな発言、最近よく見るなあ。こういうのって、そこを文脈から抜き出すと、言った人間をアホに見せるよな。どちらにせよ、ゲームが発売日に出ますっていう、まさに「発売日を発表する日の発表」だったな。
■「発売日を発表する日の発表」なんて、もううんざりだよ。言いたいことを言ってくれ。そうじゃなきゃ、何も言わないでくれ。スクウェア・エニックスって、地下潜行型でやるのに特に熱心に思える。
最近のゲームは制作に時間を浪費しすぎてるって思う。もう何ヶ月も前に『FF XIII』のスクリーンショットを見るのはやめたんだ。もう興奮しないことにする。実際、勢いがなくなってきてる。こっちにくるときには、くるんだろう。スクエニ、お前はオレの金はもう取ってるも同然だ、時間まで浪費させないでくれ。
■↑まさにこれ。ありがとう、オレ以上にオレが感じてることを雄弁に語ってくれた。
■「発売日を発表する日の発表」なんかやめて、ゲームをできるだけ早くリリースできるよう努力してくれよ。
■そうか。で、また発表があるっていう発表があるんだろう。なあ、飽きたよ、もう。
■見たら、信じることにする。
■この冬には手に入れられたらいいなあ。デモをプレイしてからずっと小さい女の子みたいに興奮して待ってる。
■コナミ症候群だな。「発表することを発表する」。
■日本の超A級タイトルに関しては、リリースの数週間前までは興奮するようなことは避けてるんだ。おかげで、ゲームも性病並みに避けられてる。
で、だ。脱線して申し訳ないが、日本の開発者はどうしたんだ? どうしてこう遅れる? 日取りを選んで、それを守ることがそんなに難しいことなのか? 待つのは気にならない。でも、リリースが、計画性のずさんさのせいで、延期、また延期っていうのがイライラするんだよ。スクウェア・エニックス、任天堂、コナミは、延期で悪名が高い。西欧の開発者には、こんなこと稀だっていうのが奇妙だよ(『デューク ニューケム


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■↑ふざけてんのか? どんだけのゲームが、たったこの数ヶ月で延期になったと思ってんだ? その中に西欧のゲームがどれだけあった? 全部?
■『BAYONETTA
■なんでスクウェア・エニックスは「発売日を発表する日の発表」なんかするんだ。ちゃんとした発表を復活させろ!
■発表の発表の発表はもういい!
■カウントダウン用の時計をくれ。スクエニはこういうの得意なんだよな。
■スクウェア・エニックスはこうも言ってる。「開発は順調」。6年も開発してて、順調じゃなかったら、びっくりするわ…
ファイナルファンタジーはまさに「永遠」だな。
■ゲーム業界は手に負えなくなってきてるってわかったよ。……いろんな意味で。発表の発表か…。
皆さん、もう待たされすぎてかなり不機嫌になってる様子。それに輪をかけての「発売日を発表する日の発表」ですから、コメント欄全体に疲弊感が漂っておりました。
とは言いつつも。毎度思いますが、アメリカ人は、言葉を濁すのが嫌いと言いますか、そういう余白の文化、暗黙の腹芸がないのですなあ…。はっきり物申すのは、多民族国家ゆえの、意思疎通の絶対条件なのでしょう。
「あら、こんにちは。お出かけですか」
「ええ、ちょっとそこまで」
とか、アメリカ人に言ったら「何言ってんだ、お前は?!はっきり言えないなら、言うなッ!」って返ってきたっていうオチでしょうか…。
次はIGNの記事から。
『ファイナルファンタジーXIII』の発売日の発表間近。
スクウェア・エニックスは、数週間以内に、より確実な発売日を発表する。
次に『ファイナルファンタジーXIII』の話が出たときは、発売日のことのはず、……いや、少なくとも発売月のことのはずだ。
スクウェア・エニックス、和田洋一社長は今日、東京で今作の発売が何月ぐらいかを問われ、明言はさけたが、数週間以内に発表すると述べた。
ここで大事なことは、数週間とは正確にはどのぐらいかということだ。日本での発売日となれば、これは東京ゲームショウでの発表ということだろう。年1度の日本のゲームイベントは、今年も9月24〜27日まで開催される。
『ファイナルファンタジーXIII』は順調だと、和田社長は明言もした。日本のリリースは間違いなく年内のようだ!●
さすがにIGNは、あまり不用意なことを言うと、人脈や付き合いにも関わるというのがあるのか、あるいは日本的言い回しに慣れてるのか、さらっとしたものです。
コメント欄は、こちらでも当然「発売日を発表する日の発表」が何度か話題に出ていましたが、記事で煽ったKotakuほどではありません。ただ、待たされているのはどこのゲームサイトのゲーマーも同じ。コメント欄は、リリースを急かす声が多かったです。
■オイオイオイ、急いでくれよ、さっさと完成させてくれよ。
■東京ゲームショウで新情報があるといいなあ。去年の初めから新しい情報見てない。2010年は、『ゴッド・オブ・ウォ−3』、『Heavy Rain』、『Red Dead Redemption』、『ヘイロー』、『Reach』、『バイオショック2』、『白騎士物語 -古の鼓動-




■同意だ。10年ぐらい開発してるそのゲームを早く完成させて、オレたちにくれ。このゲームなら、飢えて死にそうになるまで、約2週間、オレをふとんから離れられなくさせてくれていいんだ。
■スクエニ、シャキっとしろ。今世代では、高品質のゲームがいくつか出てきてて、そういうゲームはもう続編が出てるか、もうすぐ出るんだ。『FF XII』はもう絞りカスだ。それをお前は4年かそこら煽りつづけた。リリースはうれしいが、『テイルズ オブ ヴェスペリア




■『ファイナルファンタジー』は間違いなく、RPGの最大タイトルだよ。どんなジャンルでも、最も知られてるシリーズのトップ10にすぐ入る。悪名高い長期間の開発期間、実際にリリースするまで徐々に期待感を煽って最高潮までもっていくやり方、特にアメリカでは、日本でリリースされたあと、これがどんなスゴいゲームなのか6ヶ月間も聞かされる。オレが言いたいのは、FFは、リリースしたいと思うまで、どれだけ長くでも時間をかけられるし、それでもなおずっと、皆の興奮を煽りつづけられるゲームだってことだよ。
■最高のゲームがもうすぐ出るみたいだな。でも、日本リリースですら、まだ待たないとならないのか。オレは、日本から輸入するよ。
■早くても、来春までは米国では拝めないのか、ひどいなあ…。
■あまりに制作に時間がかかってたから、『ファイナルファンタジー ヴェルサス XIII
■長生きしなきゃな!…オレが先か、PS3のRPGが不毛の地になるのが先か。……ため息。すごく苛立ってるFFプレイヤーより。
■PS3のゲームの発売日なんて、もう聞きたくもない。だって、いっつも変更されるじゃん。まともにゲームが出るまでに、3、4回は変更されるって感じ。他のゲーム機より多いよ。なあ、ソニー、PS3のために、PS2時代のサポートを復活させてやれよ、そうしたら売上だって上がるよ。
■発売日か。僕はずいぶん前にそんなことを気にするのはやめたよ。出たら、プレイする。でも、出るのが2015年になったら、もう知らん。僕の人生には、他にもたくさんやらなきゃいけないことがあるんでね。
■10年内に出ますように……(笑。PS3が独占ゲームを失っちゃったのは面白かったな。マルチになっちゃったろ。独占ゲームの多くは、ハードウェアを売ってくれるのになあ。PS3を買う理由にもなったろうにね。
■日本人には選択は1つだよ。それがPS3。どちらにせよ、僕はこれがアメリカで出る前にプレイするつもり。年内に輸入できればいいんだけど。
■制作側が、オリジナルの声優のを入れてくれるのかどうか、ずっと聞きたくて待ってるんだけど。(E3でもレポーターから質問があったんだよ。ファン層があるからって。スクエニは考えとくって。)
■ヒャホー!ファイナルファンタジーの時間だ、ロックンロール!
浮かれたコメントは最後の1つのみ。……確かに延期に辟易してるのは、ファンなら洋の東西を問わず同様でしょう。でも、待てば待つほど良いものになっているはずと期待してみるのも手です。
発売延期は擁護はできないことなのも確かでしょうが、かつて宮本茂は「遅れたゲームは結果的に良くなるが、悪いゲームはずっと悪いままだ」と語りました。『ゼルダの伝説 時のオカリナ
余談ですが、時オカは、96年内の予定が98年の11月まで約2年以上の延期となりました。社をあげてのNINTENDO64のローンチにも、なんと!発売せず。海外の会社だったら、株主総会で社長の首がすげ替えられてもおかしくないぐらいの話じゃないかと思います。
だがしかし、結果として、時オカはいまだに語られる歴史的名作として世に出ました。ゲーム中のミニゲームの釣りですら、それだけで1本ゲームが作れるとまで言わしめたほどの傑作です。それがどれほどのものであったのかは、こちらのエントリでどうぞ。
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タグ:ファイナルファンタジー 海外の評価