2009年08月15日

海外ゲーマーの声 -『K.O.F XII』のアッシュは男なのか?-

北米では7月28日に出たばかりの『キング オブ ファイターズXII

私は格闘ゲームは一度も経験がないのですが、「アッシュ・クリムゾンは男なのか?」という記事タイトルが目に留まって読んでみたところ、やっぱり4CRらしい、どうでもいいっちゃあどうでもいい内容で、おかしかったのでご紹介。

アッシュ・クリムゾン。2003年からの『キング・オブ・ファイターズ』の主人公。

ashcrimson.jpg


↓アッシュによる最新作案内。面白いです(笑。ぜひご覧ください。




アッシュ・クリムゾンは男なのか?

僕は、「彼女」が氷のようなビッチに見えるということを書こうしている。……またこの話をしてもいい? 僕は今、すごく混乱した感情、というかあからさまに動揺した気持ちでいっぱいなんだ。

当初の僕の意見は、彼または彼女のキャラクターを詳しく解説するような話の脇筋や台詞を知らなかった頃のものだし、『キング オブ ファイターズXII』の闘いの中で僕が遊んだことだけに基づいていたから、こんな意見を持つはめになることもなかった。JRPGに関しては、僕は少なくとも、ジェンダーの問題についての早めの情報を入手しているつもりでもあったから。

前情報や先入観をもたずに格闘ゲームを始めるプレイヤーが、第一印象をルックスに依ってしまうと言うのは、おかしなことではないはずだよね。最初の闘いでキャラクターを選ぶ際には、ビジュアル面への関心しかないだろ。そこから始めて、各キャラクターの真価がわかる動きやコンボ、格闘スタイルといった科学的なものに入っていくわけだ。僕がプレイしてきたほとんどの格闘ゲームでは、人格というのは、格闘スタイルそのものの中にある。そこから、ビジュアル面の風変わりさが伴って、より具体的になり、人格が浮かび上がっていく。そうして、その後、闘うごとに、無数の場面でキャラクターが定義されていくわけだ。

つまり、僕は、シリーズに関するさしたる情報もなく『キング オブ ファイターズXII』をプレイしてしまったんだ。……心からファンだったのは『ギルティギア』だったから。

スタートはアッシュ・クリムゾンだった。僕は、彼女あるいは彼のパンチやキックの際の必要最小限の動きに衝撃を受けた。つまり、腕の振りや小気味よい足払いの小ささ。敵から離れるときも、彼または彼女は髪を振り払い、のんびりと歩く。まるで、すでに戦闘に勝ってでもいるように。もちろん、彼または彼女は、誰にも劣らないほどのジャンプも身をよじってのキックもできる。おまけに緑色の炎まで出せる。でも、彼または彼女の動きの繊細さからは、僕が「彼または彼女はこういう人なのだ」と信じ始めているところのものが滴り落ちていた。それは、格闘スタイルにも影響を与えてたよ。彼または彼女は気取って歩き、戦闘には必要最小限の努力しかしないうえ、しばしば完全にやる気がないか、少なくともかなり無関心に見えるんだ。

これは僕には、異彩を放つアプローチだった。僕としては、キャラクター・デザインには思うところがあったんだが、同僚のショーンは僕に「"彼"は爪をだめにしたくないからああいうふうに闘うんだ」とか言い出す始末。僕が当初このシリーズにもっていた疑問はとにかくとして、今となっては、僕が大量のアルコールで投薬治療をする前に、アッシュ・クリムゾンが何者なのかが知りたいんだよ。だって、何者かわかる前に、事務所中にアッシュのポスターを貼るようになったらどうしてくれるんだ?!

僕に用意されてる答えは多くはないのは明らかだけど、これはやはり格闘ゲームなんだ。だから、キミたちのこのゲームに対する意見を一番良いパンチにして出してくれ。●



この記事の最初のコメントは、この記事のライター、Jamieの同僚、Shaunでした。

■僕が信じられないのは、僕たち二人が「2次元の男」に恋をした上に、「彼女」のことを巡って言い争いしそうになったってことだよ。

ジェンダーは米国ではかなりデリケートな問題のようで、この記事はそれを皮肉るように、わざとまどろっこしい大袈裟な物言いをしています。(ジェンダーの問題に関しては、こちらのエントリを参照。)

要は、このライターのJamieはアッシュ・クリムゾンが好きなんですね。だから、アッシュを「女」だと思いたいわけです。で、同僚のShaunは「彼」、男である、と。

アッシュ・クリムゾンは男ですが、女に見えるのが嫌なんでしょうね。日本でも「主人公としては珍しい性格と容姿」で物議をかもしたようですが、米国の場合、カソリック的なモラルやアメリカ的マッチョ主義も背景にありそうです。


この記事についたコメントです。

■『ギルティ・ギア』のファンなら、こういうことには慣れるべき。オレはブリジット(訳注:女として育てられた『GUILTY GEAR XX』〜『SEGA THE BEST GUILTY GEAR XX SLASH』の主人公登場キャラクター)で同じ経験をしたよ。

■(Jamieからの返信)確かに。けど、『ギルティ・ギア』のデザインやキャラクターは、ハナからめちゃくちゃだろ。ところが、『キング オブ ファイターズ』でこんなに混乱させられるとは、どこからも予想できなかったんだよ。

■『ストリート・ファイター』のポイズンもそうだよな(訳注:初出は『ファイナルファイト』。当初は女性の設定だったが、米国で夫からDVを受けていた女性からの抗議に対して、カプコンが「彼女は実は彼なので問題ない」と返答したことがきっかけでニューハーフとなる。その後、『ストリートファイターIII』でヒューゴーのマネージャーとして登場)。格闘ゲームのキャラクターに女装や性転換が多いのはなんでだ?」

■「本当に男か?」っていうのは、格闘ゲームのキャラクターの原型としては、「マスクをしたメキシコ人レスラー」とか「袖無しの柔道着のカラテ家」とか「すごくすごく太った男」とかと同じで、急速に主流になりつつあるんだよ。

■「ほとんど同じに見える男2人」と「奇妙な生き物まがい」も忘れるな。

■あと、「黒人」と「女学生」も忘れないでね。

■確かに。「ほとんど同じに見える二人の男で、火の玉、アッパーカット、スピニング・アタック」の遺産は、『スマッシュブラザーズ』にも出てきたぐらいの鉄板だよな。

「攻撃のたびにスカートが翻る女のマスコットキャラクター」っていうのも、このリストに加えてもいいかな。

■SNKが韓国の会社に買収されてから、『キング・オブ・ファイターズ』のキャラデザはどんどん悪くなってるっていつも思ってた。アッシュ・クリムゾンと彼のチームは、韓国の影響って印象だね(韓国の「男」のポップスターを見てみろよ。日本のポップスターよりもっと女性的ですらある。)

■カバーに「彼または彼女」が出張ってるのは、好きじゃないなあ。アッシュがセールスポイントですってことだろうけどさ。みんな、このゲームをアッシュが凄いキャラクターで、目の保養になるし、リュウ(訳注:『ストリート・ファイター』)やテリー(訳注:『飢狼伝説』等)よりカッコ良いから買ってるよな。
オレは皮肉屋だからね。少なくとも、ブリジットは純粋に女の子に見えた。それが、『ギルティ・ギア』に奇妙さを付け加えた。アッシュはすごくセクシーだった。結構なトラップだ。
とは言うもののだ、アッシュはプレイしてて、なんか楽しいんだよな。格闘なんか全然、興味ないって感じで闘うからさ。

■彼女は男だよ!



韓国の会社が買収というコメントが気になり、Wikipediaを数項目、読んでみたのですが、総合するとこんな感じです。

『キング・オブ・ファイターズ』の制作会社SNKは2001年の10月に倒産。格闘ゲームの人気の低迷により格闘ゲームに特化していた企画体制を変革できず、かつ多角経営の拡大も一因となった。破産時の入札で、法務関係を扱っていたSNKの系列会社、プレイモアが、知的財産権を落札し、SNKプレイモアと社名変更。

これに、韓国のゲームメーカー、イリオスが開発という名目で参加、スポンサーとして資金を投入していたことから、『キング・オブ・ファイターズ 2001』では韓国の影響が色濃くなった模様。

その後、2002年度末でイリオスはSNKプレイモアから手を引き、アッシュ・クリムゾンが登場する『キング・オブ・ファイターズ 2003』で開発が日本主導のものに戻る。

「韓国に買収された」というのは、イリオスの資金提供のことなのでしょうが、おそらくそのまま情報が更新されてないのではないかと思われます。


しかし、久々にYoutubeで声を出して笑いました。「ボンジュー☆」だもんなあ。フランス人なんですね。不意打ちだったです。
女うんぬんではなく、「おフランス」系という日本伝統のキャラクターなんじゃないかなあと思いました。

↓「おフランス」系キャラクター。イヤミ、スネ夫、花輪クン。

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posted by gyanko at 21:00 | Comment(9) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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