2009年10月27日

海外の「侍、大好き!」 - BBC制作『武士道』-

本日の題目は、1980年代初期にBBCが制作した「武士道」のドキュメンタリーです。

取り上げられているのは、天真正伝香取神道流。室町中期に創始された、日本の剣術の源流のひとつであり、剣術、居合、柔術、棒術、槍術、薙刀術、手裏剣術等に加えて、築城、風水、忍術等をも伝承する総合武術です(Wikipedia)。

ナレーションは全編英語ですが、天真正伝香取神道流第20代宗家、大竹利典(おおたけ りすけ)の朴訥とした語りが大変に力強く、その静かな存在感の厚みに引き込まれます。


Way of the Warrior - Way of the Samurai [1/4]


Way of the Warrior - Way of the Samurai [2/4]
Way of the Warrior - Way of the Samurai [3/4]
Way of the Warrior - Way of the Samurai [4/4]

再生回数28万7000回、コメント件数365件。この動画の人気が最も高い地域はこちら↓。

samuraichart.gif


■これ、すごく好きだ。武術の最高のドキュメンタリーだね。すごく冷静だし、美しく撮られてる。

■これはいい。日本文化はクールだな。

■日本国外で教えることは許されないんだろ? じゃあ、どうやればこれを学べるんだ?…率直な質問。

■この紳士はまさに剣の達人だな。素晴らしい。すごく面白かったよ。

■この国を出て、この人の弟子になりたい!

■↑貯金して、ヴィザをとって、彼に会う段取りをつけるんだ。ちゃんとした態度で臨めば、大竹先生はキミを生徒として受け入れてくれるよ。この動画だと、先生の深刻な面しか見れないけど、先生は実際、すごく暖かい人だし、寛容だし、そうして面白い人だよ。

■↑シアトルでRelnick先生がまだ教えてるはず。彼は大竹先生の直弟子で、香取神道流の師範だよ。

■あんなふうに生きれたらなあ……。

■侍って車もってるの?

■↑お前って脳みそもってるの?

■オレたち、外国人は日本文化を敬愛してる。多くの人が日本の伝統スポーツを学んでる。でも、日本人は彼らの文化を放り捨ててる。特に若い世代。どうして彼らはアメリカ人のようになりたがるんだ?

■↑アメリカ文化ってわけじゃないだろうね。世界共通の国際的文化ってとこ。日本でもロシアでも中国でもオーストラリアでもイギリスでもブラジルでも……共通の文化。

■面白かったのは、岩に矢を通した男の話、似たようなのが三国志の蜀の将軍、張飛の話であるんだよ。彼はただ楽しみで猟をやるんだけど、同じことになる。たぶん、年月が過ぎるうちに、こういう話が文化と溶け合って、お互いに深く影響し合うんだろうね。(+1)

■14世紀か15世紀に行けるなら、まず日本だな。大名同士の武力の戦い。剣がすべて。侍の誉れがどれほどのものか、戦う相手に対してですら敬意を払うんだ。わくわくするよね。で、同じ国に、忍術もある。ここに誉れはない。ただ静かに裏側でうごめく殺人者。まあ、彼らだって必要だったろうと思うけどさ。(-2)

■↑戦国時代の侍は主に弓、槍を使ったんだよ。剣は脇的なものだよ。

それと。忍術? 忍者は暗殺者じゃないよ。お前、ショー小杉の映画の見過ぎ。「しのびのもの」はスパイ。忍術というマーシャル・アーツの存在には歴史的な証拠はない。まあ、初見良昭(訳注:自称、戸隠流忍術三十四代目継承者)が出てきはしたけど。まっすぐな刀も当時はなかったしね。(+9)

■侍と刀。…究極のコンビネーションだな。

■↑オレと刀。…究極のコンビネーション。(-5)

■こんにちでもなお、真の侍が存在するとわかったことが素晴らしいよ。(+15)

■西欧化が武士道を殺した。(+8)

■↑経済上、効率が悪い存在だったんだよ。それが、銃や西欧の影響で早まった。でも、こういう「戦うエリート」たちは、世界規模で減少したんだ。同じ理由でね。お金、テクノロジー、そして文化っていう。(+3)

■偉大な刀匠が作った刀が、くだらない蒐集家によって買われて、奥にしまいこまれてると思うと、申し訳ない気持ちになるよ。人間はなにか間違ってるよね。

■世界中の人間が侍のライフスタイルを勉強して、ストイックに精神的な生活を送れば、……どんなにオレたちの社会が良くなるか。経済面でもモラルの面でも。(+1)

■いつも侍の精神にはものすごく敬意をもってるよ。(+4)

■00:35のとこ。フォードのマキュリー・クーガだよ。車の趣味が素晴らしいね。(+4)

■この人はまだ生きてるの?まだ鍛錬してる?フルネームはなんていうの。日本語でどう書くか教えて。この剣士に興味があるんだ。(+4)

■生きてるよ。いまだに世界で最高の剣士の一人だ。彼は流派の代表であり、トップの師範。名前は大竹利典(千葉県成田市)。(+4)

■「勇敢な侍になるには、黒き血を身のうちにもたねばならぬ」。侍が恐れを知らないのは、元々彼らが黒人の出自だからだ。白人出自だったら、戦いが始まる前に逃げ出してたろうからね。


(訳注:"For a Samurai to be brave, he must have a bit of Black blood".(勇敢な侍なら、少しの黒い血を持たねばならない)という成句が米国の黒人学の教科書で日本の諺として紹介されているという記述がネットにありました。また、こちらの日本の黒人についての記述にも、トップに日本の格言として掲げられています。……なんのことを言っているんだろう)。

■↑黒人の日本人を何人見たことがあるんだよ!アホが!

■侍=最高の戦士なんだな。

■素晴らしい。真の達人だな。

■Wow! こういう偉大な武士の伝統を引き継いで、教えている先生たちを尊敬するよ。

■これは本物だな。日本には、剣が最初に作られたその日からずっと、世界一の剣士が存在しつづけてるんだな。これまでも、これからもずっとだ。(+4)

■Wow、彼らは戦いを美しく、誉れあるものにしてるよ。(+4)

■この達人、機械みたいだよ。(-6)

■侍が攻撃してきたとき、ショットガンで撃ったら面白いことになるだろうなあ。(-6)

■唯一の問題は、この師範の剣の動きがすごく遅いってこと。江戸時代の本物の侍だったら、2秒で一撃、反撃、そしてまた一撃だよ。(-1)

■↑日本の武術の高位の形というのは、スピードより型を重視するし、技の実行がもっと重要なんだよ。…決して得ることのできない完全を求めて、こういう先生たちは精神的な鍛錬を重視してるんだ。(+1)

■遅い? 彼は型をやってるんだ。攻撃がくるまえにブロックしたり、相手が隙を作る前に攻撃したんじゃ意味ないだろ。彼は遅くはない。(+1)

■とても興味深かったよ。私は侍が好きだ。彼らは本当に誇り高い……Wow。(+1)

■すごく良い映像だった!日本から侍の刀を取り寄せようと思ってるんだけど、どんな刀がいいのかわからないんだ。誰かお薦めある? 丈夫なやつがいいなあ。

■↑居合か剣術はマスターしてるのか? してないなら、どうして剣をもちたいなんて思うんだ?扱えもしないのに。

■↑いや、やったことない。でも、剣の使い方は心の問題だと信じてる。何段かなんてことじゃなくて。(+2)

■↑7:55で「血流し」について言及してたね。傷口に刀が吸い付かないようにするためだって(刀を引き抜きやすくする)。これはちがうよ。引き抜くときに刃が吸い付くことなんかない。外科医に聞けばわかる。そうじゃなきゃ、本物の戦士か。(登場してる人たちがちがうって言ってるんじゃなくて、解説がちがうってこと)。(+3)

■↑正しい。僕は医学的な教育は受けてないけど、剣はわかる。「血流し」は間違った呼び名。溝のことだよ。日本では「樋」って言う。刃身全体に沿って溝を彫ったものは「棒樋」って言うけど、全部がそうじゃない。で、これは血とか体とは全然関係ないんだ。剣を軽くするため。これ以外にない。それと、たぶんバランスをとるためかな。


(訳注:「血流し」または「樋」。刀剣などの刃につけた細長いみぞ。刀を軽くするためにつけるが、振ると音がするため深夜の戦い等では嫌われる場合もあった。空気穴を作って、体から刃を抜きやすくするためという説もあり。)

■車、もってるのね………(笑。(+9)

■6:30のとこで驚いた。剣の鋼の層って100万もあるのか。で、計算してみたんだけど、これを30回折り畳んだら、10億層超えるよ!(+4)

■日本にトラはいないよ。残念ながらね。韓国で捕まえたのだけだ。日本のせいで、今は韓国にもトラはいなくなったけど。(-6)

■刀匠がハンマーで(訳注:刃ではなく)金床を叩いてたのはどうして?

■↑ヒストリー・チャンネルで見たんだけど、記憶が正しければ、あれは、打ち手とのコミュニケーションなんだよ。打ち手に、どのぐらいの強さで打つか伝えてるの。完全に正しい記憶じゃないかもしれないけど。(+2)

■アメリカを出て、彼に頼み込んで、道場に入りたい。そうして、僕からアメリカ人を取り除いてくれ。(+8)

■侍は偉大な戦士だ。UFC(訳注:アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)や総合格闘技の源流だ。彼らが今、総合格闘技にある武術のほとんどを作ったんだ。偉大なる戦士たちに敬意を。そうして、偉大なる刀の王たちに敬意を。(+7)

■世界で数少ない、真の達人だね…。(+2)



海外のかたがたの「侍に対する夢想」がよくわかるコメントでした。特に、車を所有していることへの驚き………。

途中、武士がなぜ今存在しないのかという歴史の講義が繰り広げられたり、宮本武蔵の二刀流が一番なんだと荒れまくったあげく、日本人のかたに、

「わかった、わかった。……でも、そんなこと言う前に、剣術に関するちゃんとした歴史の本を読んだらどう? 香取神道流は1447年に始まって二刀もある。辰巳流(1504)も二刀があるし、柳生新影流(1568)にも二刀はあるよ」

と言われて沈黙する子供が出てきたり、ローマ帝国軍隊と侍がどっちが強いかとか、バイキングだったらどっちとか。……大騒ぎだったのですが、話がズレすぎだったのですべて割愛いたしました。


……それにしても。気になるのは、諺でございます。



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posted by gyanko at 22:50 | Comment(80) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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