2009年11月18日

米国ウィキはそれをどう説明してるのか - コミケ・大きなお友達・やおい -

前々からやろうと思っていた米国Wikipedia特集です。
本日は、「コミケット」、「大きなお友達」、「やおい」の3題。
(コミケ、やおいは情報量が多いため、一部のご紹介です。)


Comiket
コミケット

別名、コミック・マーケットとして知られる。世界最大の手作りマンガ本の販売会で、日本の東京で年に2度開催される。最初のコミケットは1975年12月21日に催された。参加したのは32サークルのみ、一般参加者は600人と推定されている。以来、参加者は膨れ上がり、50万人を超える。

コミケットは自身で作品を発行し、売るという市民レベルの活動である。ここで売られる品物は非常にレアと考えられているため(同人誌はほとんど再版されない)、小売店やインターネットに出回ると元値の10倍の値がつくものもある。
コミケットの運営はコミックマーケット準備委員会による。

規模:約35000サークルが2001年のコミケットに参加。3日間を通して51万人の一般客が参加したと見積もられている。だが、この数は増加しつづけている。警察、警備、ボランディア・スタッフを加えて、50万人以上である。一カ所にこれだけの膨大な人数が集まるせいで、携帯電話は、通常の固定アンテナがサービス停止状態の際に使う臨時アンテナを立てるほどである。近隣のホテル、電車、バスもまた、この大群衆に対応するため、特別の手配をする。8月14〜16日に開催されたコミケット76では、推定56万人が参加した。

問題点:一般参加、サークル参加ともに規模が急速に拡大したため、コミケットは大変に混雑する。お目当てのアイテム(特に、有名な同人作家や限定販売アイテムのようなもの)を買う目的で、数千人がイベントが始まる前から東京ビッグサイトの外に列をなす。これが、深刻な保安上の問題を引き起こしている。そのため、近年では、コミケットの前日に並ぶことは禁止されている。


50万人。……お台場がそんなことになっているとは、ついぞ知りませんでした。1チームが5000人〜1万人規模というリオのカーニバルが2005年に77万人という数字がネットにあったのですが、………あるいは、地球でリオのカーニバルの次ぐらいに大きなイベントかもしれません。


Ōkina otomodachi
大きなお友達

「大きなお友達」は、文字のままだと、大きい友人、または大人の友人を意味する日本の成句。日本人のオタクはこの言葉を、元々は子供向けのアニメ、マンガ、TV番組のファンである自分たちのことを言い表すのに使う。

この手の番組を自分の子供たちといっしょに見ている親のことは、大きなお友達とは言わないのに注意。子供に見せるためにアニメDVDを買う親もちがう。
大きなお友達とは、自分のために子供向けアニメ製品を買う人々のことである。また、製品が明らかに大人向けである場合、そのファンは大きなお友達とは言わない。つまり、大きなお友達とオタクは、概念が違う。

含意
日本では、オタク自身もそうでない人々も多くが、大きなお友達になることを、承認はしていても、薦めはしない。それらは子供向けであり、大人向けではないと考えているのである。

メアリー・ポピンズ』や『ムーミン』のような作品を愛する大人を不適切だとは普通は考えないが、『花の魔法使いマリーベル』や『綿の国星』のようなアニメやマンガを愛しているとなると、そうはいかない。たとえそれらが同じように素晴らしいファンタジーだったとしてもだ。

商業利用
一方で、主力は子供向けのように見えていながら、部分的にこの大きなお友達をねらうアニメもある。子供向けのはずの番組の中のファン・サービスは、しばしばあきらかにオタク向けでもあることをにおわせている。多くのアニメが子供向けであると同時に、商業的視点から言えば、大きなお友達のために作られているのである。

なぜなら、大きなお友達はより多くのお金をもっているうえ、実際に自分たちのために高価なDVDを買ってくれるからだ。こうした番組にはフィギュアのような特定の高品質商品があり、さらに大人のファン向けだ。日本では子供の数が減少しており、純粋に子供向けの番組を作ることは簡単ではない。大きなお友達は、購買層としてますます重要になっている。●


『綿の国星』……。むしろ大人が読むのが普通のマンガかと思います。掲載当時も、間違いなく子供は読んでなかったのではないか、と。話のテーマ的にも子供には観念的すぎるものもありますし。

『メアリー・ポピンズ』が良くて、『綿の国星』はだめっていうのは、腑に落ちんです。


Yaoi
やおい

「やおい」は、通常女性作家によって描かれるホモ・エロティック、またはホモ・ロマンスに焦点をあてた女性向けの架空メディアを言うポピュラーな用語。元々は、主流アニメやマンガ作品の同人パロディの特定のタイプを言うが、理想化されたホモセクシャルな男性同士の関係を描いた女性向けマンガ、アニメ、ゲーム、小説、同人誌に使う一般用語である。通常、メインのキャラクターは、受け(受けとめる人)を追う攻め(アタックする人)という形式をとる。

日本では、この用語は、「ボーイズラブ」という言葉に大部分、取って替わられつつある。同人誌はもちろん、パロディ、創作、商業どれもである。このジャンルはボーイズラブと呼ばれてはいるが(通常、BLと省略)、登場人物たちは思春期かそれ以上。思春期前の少年が登場するものはショタコンと呼ばれ、はっきりと区別されている。やおい(英語圏のファンにはいまだにやおいとして知られている)は日本以外にも広まっている。翻訳されたもの、オリジナルのままのもの、どちらも多くの国々や言語圏で入手できる。

日本の同人誌市場のやおいは70年代後半か80年代初期に少年愛(ジュネ、耽美とも言われる)の当然の副産物として生まれた。しかし、この少年愛は、同人でも商業でも創作が中心だった。やおいは、『キャプテン翼』や『聖闘士星矢』といった人気のある普通の少年アニメやマンガのパロディのことだった。

キャプテン翼 (第1巻) (ジャンプ・コミックス) 聖闘士星矢 DVD-BOX 1 ペガサスBOX

ボーイズラブの作者やファンはこのジャンルを、ゲイの男性によってゲイのために描かれる「ゲイ・マンガ」や薔薇族とは注意深く区別しているが、ボーイズラブを描いている男性マンガ作家もいる。

「ユリ」はやおいよりさらに広く包括的な用語だ。読者層が異性愛者の男性であろうと、女性であろうと、レズビアンであろうと関係なく、レズビアンの人間関係を描いたマンガを指すからである。ユリは、バラの対極だが、似てはいる。男性によるユリ・マンガも、やおいと似ているのだ。どちらも異性をターゲットとしているが、同性愛者の現実を反映しているわけではない。

グローバルBL
米国での日本のやおい人気は高まっており、数人だが、美しい男性カップルを登場させた女性読者向けの英語のマンガを作る作家も出てきはじめた。これはアメリカン・やおいと呼ばれる。英語のBLコミックとして最初に名を知られたのは、2002年発行のDaria McGrain(訳注:女性作家ですが読者層はゲイの男性だそうです。作品は『メタル・ギア・ソリッド』のパロディのようだとWikipediaに記載がありました)の『Sexual Espionage #1』だ。北米の小さなサブカルチャーで始まったものが、2004年あたりから急成長している。新規の出版社が、日本以外の作家による、女性向けの男性同士のエロティック・コミックやマンガを発行しはじめているのだ。


↓多分に怖いものみたさではございますが、あるなら見たい、アメリカ人が描いたMGSやおい。
METAL GEAR SOLID4 GUNS OF THE PATRIOTS ORIGINAL SOUNDTRACK

(Daria McGrainの作品の画像はちょっと載せるのがはばかられるので、こちらから。)

が、世界中から、こうしたオリジナルの英語のやおい作品の作り手が出てきたため、アメリカンやおいという言葉は使われなくなった。代わりに出てきたのが「グローバルやおい」である。
グローバルやおいという言葉は、やおいと呼ばれるアジア特有のコンテンツと英語圏のコンテンツを区別したいという作家やニュースグループの人々が作った造語である。グローバルBLという言葉も使われる。これはコミック作家、Tina Andersonがインタビューやブログで「GloBL」と省略して使っている。

現在、北米のグローバルBLの出版社といえば、Yaoi Press。2007年は20タイトルを発行した。ニューカマー、Yaoi Generationも今後、GloBLを出版していくつもりであることを発表している。DramaQueenは2006年の季刊誌RUSHでグローバルBLデビューしたが、RUSHは発行を中止しており、プロジェクトに関った作家たちもファンも彼らと連絡はとれていない。

GloBL作家として、作品を多く発表している作家には、Yayoi Neko、Dany & Dany、Tina Anderson、Studio Kosenがいる。


↓Yayoi Neko(左)、Dany & Dany(右)の作品。
Incubus 3 Wishing for the Moon\

最近、このGloBLの出版ブームは、ドイツでも起こっている。一握りではあるが、オリジナルのドイツ語作品が、アジアを舞台にしているというので人気が出ている。Carlsen Mangaのような老舗のマンガ出版社がドイツのGloBLを出版して場合もあるし、The Wild SideやFireangels VerlagといったGloBL専門出版社の場合もある。


果たして、このGloBLという言葉が世界に普及するのか微妙なところですが、……とりあえずは、あまりの詳しさと情報の多さにびっくり。花の24年組に遡る歴史から専門用語に至るまで、日本Wikipediaのやおいの項目以上に詳しい。…勉強になりました。


Wikipedia特集はこれからもたまにやろうかと思っています。次回は、時期は未定ですが、「アホ毛」、「ツンデレ」、「ロリ」あたりをやってみようかと考えております。



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posted by gyanko at 19:00 | Comment(54) | TrackBack(0) | マンガ・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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