2010年01月13日

海外記事 - 日本のRPGを立ち直らせる10の方法 -

本日は、IGNの記事から。記事についたコメントを含め、全3回でお送りいたします。

では、早速。


JRPGを立ち直らせる10の方法
僕たちがこれほどまでに愛するJRPGを救おう。


日本のRPG(JRPG)は、長い間、ゲームの伝統の一部であり続けてきた。『ドラゴンクエスト』や『ファイナル・ファンタジー』、『ファンタシースター』なんていうタイトルは、初期のゲームの思い出だ。

とはいえ、確かなのは、RPGが、日本の開発者に始まり、日本の開発者に終わるというわけではない。西欧のスタジオも似たプロジェクトに奮闘しているし、昨今、『Mass Effect』だとか『フォールアウト3』といったゲーム西欧のRPGが抜きん出てきてもいる。

実際、ハードウェアの技術を成長させ、グラフィックはもちろん、ゲームプレイを進化させているのは、米国の開発スタジオであることを論じる人は多いのだが、日本の開発者たちはといえば、今なお伝統を捨てることに消極的なのだ。

最近、JRPGをプレイしたことがあるのなら、いまだに、2世代か3世代前のコンソールのスタンダードに準じているゲームがあることに気づいているかもしれない。今日は、これを正そうと思う。

誤解しないでほしいのは、僕たちはJRPGが大好きだということ。うまいことやってほしいと願ってもいる。ただ、PS3のゲームにしろ、Xbox360のゲームにしろ、任天堂のスーパー・ルールに従っている今、何かを変えなきゃいけないってことなんだ。JRPGをユニークなものにしている特別なものを失うことなく、JRPGの遺産を守るための治療策トップ10を挙げてみた。見てくれ。


10位 人、住んでんの?

JRPGの世界に住むことを想像できる?そこにいる人々は、話すだけだ。すべてが、活気がなく、静まり返っている。誰もさほど動かず、キミが家や木箱で騒々しい音を立てても、誰も気にもしない。物を売る店が数軒開いてはいるが、どうしたことか、売っている品物は、家より離れるほどに高値だ。

The Elder Scrolls』や『フォールアウト3』のような、ベセスダ・ソフトワークスの大ヒット作では、世界は生き生きとしている。ずっとそこに住み続けている感じが出てる。人々は、なにが大切かを考えながら暮らしているように思えるし、お互いに交流しあい、……そうして、もっと大事なことは、キミとも交流する。

西欧のRPGをまねて作り直しただけの街など要らない。もし日本人がそれをやってしまったら、JRPGの魅力などなくなってしまう。でも、もう潮時だ。JRPGの中の街は、アップグレードするときがもうきてるんだ。

最近のこの件での主犯:『ブルードラゴン

ブルードラゴン 異界の巨獣(特典無し) ブルードラゴン Xbox 360 プラチナコレクション top10fix-1.jpg


9位 余計に詰めて喜ばれるのは、ドーナツのゼリーだけ。

ある悲劇の運命から、ようやく世界を救いつつあるキミ。残された仕事は、最後のダンジョンを走破し、ラスボスと対決すること。ところが、ここで、ヒーローにはおよそ見えないキミとキミのパーティの仲間たちは、これまで50時間にわたって戦ってきたボスすべてと再度、闘わねばならない。……またかよ…。

まあ、RPGのプレイ時間を10時間か20時間、増量するには、簡単で良い手だ。戦闘とダンジョンのリサイクルだからね。ランダムエンカウントの敵でいっぱいのフィールドへとパーティを逆戻り。勝てるレベルになるまで、パーティを酷使するってわけだ。

僕たちはこれを「フィラー(詰め物、水増し)」って呼んでる。これじゃ、JRPGに存在価値はない。誰も、そんなゲームを思い出さないし、楽しめないし、待ちもしない。この手のゲームにできることっていったら、唯一、プレイヤーをJRPGから遠ざけることだけだ。

最近のこの件での主犯:『ラスト レムナント

ラスト レムナント top10fix-2.jpg


8位 演出に金を使ってくれ。

これを見れば、誰にでもJRPGだとすぐにわかるものがある。あの、「話す切り抜き」とでも呼びたくなるような代物だ。古典的なメカニックで、キャラクターの絵をスクリーンに重ね、その下に台詞のフキダシが入るというやつ。これを使うと、開発者にとっては、妖精やらキャラクターやらを動かす手間が効果的に省ける。

でも、この技術はもう急速に古くなりつつある。西欧のRPGでは、キャラクターは完全に動くし、双方向の会話が実現されている(『マス・エフェクト』や『Dragon Age』を見ろ)。
プレイヤーが、RPGのストーリーの扱い方に、プロダクション・バリューをもっと上げることを期待するようになってきているんだ。開発者が、手間を惜しんでる場合じゃない。

これが予算の問題で、スタジオが、映画的手法ですべての台詞を表現できる金銭的余裕がないというなら、ストーリーを語るユニークな他の手段をどうして考えないんだ?話す切り抜きは、もう結構。……ありゃ、松葉杖みたいなもんじゃないか。

最近のこの件での主犯:『魔界戦記ディスガイア3

魔界戦記ディスガイア3 PLAYSTATION 3 the Best top10fix-3.jpg


7位 旅する道が少なすぎる。

伝統的JRPGの最も大きな要素の1つといえば、ワールドマップだ。相変わらず、まったく開放感がない。飛行艇への最初の鍵を手に入れて、空へ翔る。広大な海の上を飛ぶ。山をのびのびと遊ぶ。そんな、全世界を探検するという自由度がない。

広大な世界を保とうと努力しているJRPGもあるとはいえ、伝統的には多くが制限されている。プレイヤーが、ほとんど探検の自由のない世界で、A地点からB地点へと後ろからつつかれるように歩かされるなんてことは、しょちゅうだ。

日本の開発は、『フォールアウト3』のようなゲームの人気に目を向けて、ゲーマーたちがどれだけ広いマップを評価してるかを知るだけでいい。そう、JRPGのストーリーは今なお一本道だ。だが、一本道をマップにまで持ち込む必要はないってこと。

最近のこの件での主犯:『トラスティベル 〜ショパンの夢〜

トラスティベル ~ショパンの夢~ ルプリーズ PLAYSTATION 3 the Best トラスティベル ~ショパンの夢~ Xbox 360 プラチナコレクション


6位 お決まりのものなんて、たいして役には立たないよ。

日本の開発者の不幸な習慣として、キャラクター・デザインに関して、すでに知れ渡った原型に固執することだ。一匹狼の剣士、魅力的な魔法使いの女の子、ややイライラしているが、それでもなお可愛らしい小さな子ども。毒のメイス(杖)をふるい、ペットとして可愛らしい小さな鳥を飼ってる鳥男とかね。もう全部、前にどっかで見たってば。新しいのないの?

これを、アニメ風のデザインへの一般的な嫌悪だとか勘違いしないでくれ。まったく逆。僕たちはアニメを愛してる。日本の美意識を愛してる。でも、ちょっとキャラクターを刷新して、今まで見たことないようなキャラクターを見せてほしいんだよ。

RPGの登場人物っていうのは、ゲーム全体の生命線だ。プレイヤーがキャラクターを愛せず、深いところでゲームの経験とつながれなかったら、そのゲームは……少なくとも、ある意味で失敗作だって僕たちは考える。

最近のこの件での主犯:『マグナカルタ2

マグナカルタ2



NPCに現実感があって、同じボスは二度と出てこなくて、会話はフルムービーで、マップは広大で、キャラクターはアニメ風で設定が新鮮なもの。………キャラクター・デザインはとにかくとして、マップやNPCは、ある程度、資金がないと難しい気がいたしますなあ。

意外だったのは、『マグナカルタ』。これ、てっきり韓国のゲームだと思ってたのですが、Wikipediaを見てきたら、バンダイナムコと韓国のメーカー、SOFTMAXの共同開発だったようです。


明日はお休み。明後日、この続きをお送りいたします。


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2010年01月12日

海外で高評価、Xbox360版『ベヨネッタ』の海外レビュー

1月5日に北米、8日に欧州で発売されたばかりの『ベヨネッタ』。
本日は、レビュー記事です。


すでにあちこちで伝えられてる通り、海外ゲームサイトはどこも、『ベヨネッタ』にかなりの高得点(Xbox360版)を出しています。
年が明けたとはいえ、鬼が笑うぐらいにまだ気が早い話ではございますが、2010年のゲーム・アワード候補に名を連ねるのは間違いないだろうなあという印象。

ひょっとすると、今年は、『ベヨネッタ』(日本のゲーム+Xbox360)vs.『ゴッド・オブ・ウォー』(洋ゲー+PS3)という面白い展開も、どこぞの海外ゲームサイトで見れるかもわかりません。

IGN:9.5/10.0
IGN UK:9.6/10.0
1UP:A/A+
GAMESPOT:9.0/10.0
Game Trailers:9.0/10.0
EDGE:10.0/10.0

(その他のゲームサイトのスコアはこちらで)。

参考までに、『ベヨネッタの』PS3版は、ロード時間やグラフィックなどの、移植の際の不手際が響いて、点数が落ちているサイトが少なくありません。これはもう致し方ございませんなあ…。
IGN:8.2/10.0
1UP:A-/A+
GAMESPOT:8.0/10.0

(その他のゲームサイトのスコアはこちらで)。


一方で、一般ゲーマーの評価は、レビュー掲載直後から相当に荒れました。
ゲームサイトのスコアを集計しているGameStatsでは、プレスのスコア平均が9.2に対して、ユーザースコア平均が7.5。
Xbox360版とPS3版の同時発売(しかも、一方は話題の劣化版)ということもあってか、発売前から『ベヨネッタ』の記事は荒れ気味ではあったのですが、IGNのユーザーレビューなどは10点満点がある一方で、0.1などというありえないスコアも続出

理由もなくXbox360版を謗るレビューから、天使型モンスターを殺すという設定を「まともな人間がやるゲームではない」と断じるもの、6時間でクリアできるつまらないゲームという、とても実際にプレイしているとは思えないレビューまで、もう「ひょー…」としか言いようがございませんでした。

現在はだいぶ落ち着きを取り戻してきて、一時、6点台だったIGNユーザースコア平均もやっと7点台に盛り返してきたところ。時間が立てば、肯定的レビューにしろ、否定的レビューにしろ、もっと冷静なものが出てくるだろうとは思いますが、…いや、一騒動ではございました。


そんなわけで、またしても前置きが長くなりました。『ベヨネッタ』のレビューです。


『ベヨネッタ』、レビュー
地獄の悪魔がキミの遊び相手だ。…遊びまくろう。


『ベヨネッタ』は、これまで僕がプレイした中で最高のアクション・ゲームの1本だ。

アクション・ゲームと言うとき、僕が指すのはもちろん、『デビルメイクライ』や『ゴッド・オブ・ウォー』、『NINJA GAIDEN』といったゲームのことだ。(明らかな違いはあるとはいえ)こうしたゲームが似ているのは、ほとんどのゲーマーが同意するところだと思う。そういう意味では、僕が、この手のゲームと比べた上で、『ベヨネッタ』が僕のお気に入りなのだと言っても、大丈夫だろう。

プラチナ・ゲームズのチーム・リトル・エンジェルス(訳注:『ベヨネッタ』制作チーム)が送り込んできた、このド派手なゲームは、卓越した最高の戦闘システムの1つを運んできてくれただけでなく、Xbox360ユーザーに、その戦闘システムをエキセントリックで超スタイリッシュな演出で経験させてくれる。

ディレクター、神谷英樹は、これまでも『デビルメイクライ』、『大神』、『ビューティフル ジョー』といった伝説的ゲームを制作してきたが、彼の素晴らしい仕事ぶりに関しては賞賛されてしかるべきだろう。神谷と彼のチームはまたしても、アクション・ゲームの傑作を作り上げたのだ。

デビルメイクライ Play Station2 the Best 大神 PlayStation 2 the Best Viewtiful Joe

『ベヨネッタ』の核となっているのは、伝統的な光と闇の均衡に関する話だ。昔、ルーメンの賢者とアンブラの魔女という、対抗する2つの勢力の間で光と闇は均衡を保っていた。ルーメンは、天界の神と協調し、光の力を操る。一方、アンブラは、魔界の悪魔から力を借り、闇を監視する。双方の勢力はお互いに深く敬意を抱きあっていたが、悲劇が起こり、2つの勢力は凄惨な戦いへとなだれこんでしまう。残ったのは、アンブラの魔女、ベヨネッタ、ただ一人だった。

この背景の最も素晴らしいものの1つは、2つの勢力の描かれ方だ。アンブラの魔女は、必ずしも邪悪というわけではなく、宇宙の均衡の重要な部分ですらある。もちろん、ベヨネッタが、真実の前に立ちふさがる天使の軍団を殺すのがゲームの中心ではあるのだが、僕はプレイしていて、これを邪まな行為だとも、悪魔的だともまったく感じなかった。天使との戦いは単純に、ベヨネッタの目的でしかない。卓抜な技術で目的を果たしているだけなのだ。

ベヨネッタは、僕がゲームで出会った中で最もクールな女性キャラクターの一人でもある。ほぼ毎度、彼女のセクシーさは強調されるし(ステロタイプなヒロイン像だと思い込むかもしれないが)、ものすごくパワフルで、冷静で自信にあふれている。僕にとっては、ベヨネッタ自身が、ゲームをプレイする理由になりえた。ただもう、見ているだけでめちゃめちゃ楽しい。

当然、物語のすべてがグレートというわけではない。プロットはごちゃごちゃしていて、登場人物の動機と過去の出来事のつながりがはっきりと説明されていない部分もある。クリアしてしまえば、腑に落ちる話だとはいえ、『マス エフェクト』や『アンチャーテッド』のように巧みに物語られてはいない。

とはいえ、だ。物語だけを『ベヨネッタ』を買う理由にすべきではない(『NINJA GAIDEN』だってそうだ)。これはアクション・ゲームだ。目的はアクションだ。戦闘システムはかなりわかりやすいが、その深さといったら、ちょっと想像できないほどだ。ボタンは、パンチ、キック、ハンドガンの銃撃に使われる(装備している武器が何であっても)。他に重要になるのは、Rボタン。これでベヨネッタに攻撃を避けさせるのだが、『ベヨネッタ』の戦闘システムを覚えるにあたって、ほぼ間違いなく、プレイヤーが必ず覚えねばならない最も大事なテクニックだ。

攻撃を避ける際には、タイミングが鍵になる。攻撃が当たる直前にRボタンを押せば、ベヨネッタはスロウモーションのモードに入る。ウイッチタイムが発動するのだ。敵がのろのろと動く中、ベヨネッタは信じられないスピードで動き回れる。ウイッチタイムの実装は素晴らしい。戦闘場面を変える特殊効果というだけでなく、ここでプレイヤーは一息つけるし、体勢を立て直し、タフな敵に、待ちに待った数撃を食らわしてやれるのだから。



↓両手足の拳銃。足は、ヒールが銃口になっております。

bayonetta.jpg


攻撃面でも、ベヨネッタはスバ抜けている。この美貌の魔女は、手足両方に武器を装備できる。おかげで、戦闘システムにとても独創的なテイストが生まれている。ゲーム序盤では、セットできるのは4丁のピストル、スカボロウ フェアだ。この武器は、両手両足に1丁ずつ使える。
ゲームが進むにつれ、武器は増えていく。妖刀 修羅刃、ドゥルガ、オデット(スケート靴だ。マジで)などなど。それぞれの武器は組み合わせ次第で、新しいコンボが出るようになる。これには本当に驚嘆させられるよ。スケート靴でスケートしながら、きらめく刀を装備するなんて、出来すぎてる。

コンボの膨大な種類には、あるいはびびってしまう人もいるかもしれない。でも、幸いなことに、ほとんどのコンボは入力が似ている。たとえば、プレイヤーが思いつく、ほぼすべての武器の組み合わせで、パンチ+キック+パンチの連続技を打てる。新しい武器になっても、スキルが引き継げるのだ。これは素晴らしい。
それと、攻撃は1つのボタンを押すだけでもできないことはないし、うまく敵の攻撃を避けたり、ハイスコアをねらってコンボを繋げれば、攻撃スキルの要素が生きてくる。

もちろん、戦闘は、攻撃をよけたり、コンボを出したりするだけではない。もっとたくさんある。多くの敵と戦う場面では、魔力ゲージがいっぱいになると、パンチとキックを同時に押すことで、トーチャ・アタックを発動できる。通常は、敵の天使の種類によってトーチャのタイプは異なり、与えるダメージ量は膨大だ。たとえば、ギロチンや巨大な車輪といった残酷な器具が呼び出されて、哀れな天使型モンスターを粉砕する。これは、通常の、スキルを基とした、時間制約のある戦闘に素晴らしい物理要素を加えてくれている。プレイヤーは、ボタンを連打して、攻撃をパワーアップさせ、お金もより多く稼ぐことができるわけだ。。


↓ギロチン・トーチャ。

torture.jpg

お金稼ぎは、ミッションを何度も何度も繰り返す、最高の理由になる。『ベヨネッタ』には買うものがたくさんあるのだ。ロダンは、残酷で悪魔的な武器の商人であり、同時にバーテンダー(これも、マジで)として、薄汚れたサロン、ゲイツ・オブ・ヘルを経営している男だ。ベヨネッタのアイテムと武器の主要な供給先である。
ここで、プレイヤーは、戦闘中に使う回復用ロリポップや、ベヨネッタの能力を倍増させるアイテムを購入する。また、通常のコンボ以外のテクニックを買うこともできる。僕のお気に入りの「ブレイクダンス」は、誘惑ポーズにカメラのシャッター音がつく。古典的だね。

ボス戦でも、ベヨネッタはちゃんと見せてくる。これが本当にかなり楽しい。ベヨネッタが立ち向かうのは、自分と同サイズのパワフルな敵ばかりでなく、天界の使者であり、聖なる意志の最も力強い現れである四元徳(訳注:プラトンが説く4つの徳、知恵、勇気、節制、正義)とも大接戦を演じる。
戦闘は、最高の荒唐無稽さであるばかりでなく、クライマックスは、ベヨネッタのファンタスティックな最後の決め技だ。魔界から悪魔を召喚して戦いにケリをつけるのだ。これはクライマックス・アタックといい、ザコ戦で使うトーチャ・アタックと似ているが、もっとスケールが壮大だ。


↓四元徳の一人、フォルティトゥード。これは怖かったです…。

fortitudo.jpg

『ベヨネッタ』は、最後のシーンだけでも、値段の価値がある。これは、特筆するべきことだ。ラスボス戦は真に、非凡で、どうして自分がゲームを愛しているのかということを思い出させてくれるほどの驚愕の瞬間でもあった。もし、クレジットロールが流れるまでに、キミがこのゲームの大ファンにならないとしたら、キミがなにか間違っている。

そうは言うものの、『ベヨネッタ』に問題があることも認めなきゃならないだろう。前に言ったように、ストーリーは、昨今のゲームを見渡して、最高に歯切れが良いものとはいえない。が、それでもなお、『ベヨネッタ』の世界は経験する価値がある。
もっと解決が難しい問題点としては、あたりを探索しているときに起こる、スクリーンのティアリング。それから、激しい連続アクションで発生する処理落ちだろう。これが『ベヨネッタ』のゲーム体験を台無しにすることはないだろうが、多少ウザったくはある。

また、『ベヨネッタ』には、このゲームの精巧な美学に反しているも思える、違和感のある部分が数箇所ある。特に指摘したいのは、映写スライド風のムービー。『ベヨネッタ』のチャプターの多くで頻繁に出てくるのだが、完全に動くムービーではなく、キャラクターの静止画でイベントを見せてくるのだ。動きを見せる意味で、他の静止画も使いながら、カメラは動きつづけるのだけれど。
JRPGで台詞シーンに使われる、時代がかった「紙芝居ムービー」よりはぜんぜんマシとはいいながら、僕は『ベヨネッタ』のすべてのイベントを完全なムービーで見たかった。

前述のビジュアルの欠点と、この静止画ムービーを考えると、プラチナ・ゲームズは、もう1本の(プラチナ・ゲームズの)驚嘆すべきゲーム(訳注:たぶん、海外で高評価されている『Mad World』(日本未発売)のこと)で白状している以上に、予算がきついのではないかという疑問がわいてくる。あきらかに、この会社は、その提携相手(訳注:セガ)ほど潤沢な資金をもっていなかったのだ。それを考えると、『ベヨネッタ』の秀逸なクォリティがさらに感動的に思えてしまう。

こうした問題を、このゲームをプレイしない理由には間違ってもしないでくれ。『ベヨネッタ』は絶対的に「購入必須」のゲームだ。こんな些細な欠点が、『ベヨネッタ』が提供してくれる膨大な量の楽しみを帳消しにすることはないと、僕が保証する。

最後に。

『ベヨネッタ』は『デビルメイクライ』との類似点が少なからずあるが、このゲームは、それでもなお「プレイ必須」だと僕は心の底から信じる。が、技術面では、Xbox360版のほうがPS3版よりはるかに優れている。Xbox360も所有しているPS3のユーザーなら、PS3版は絶対に避けること。Xbox360版とPS3版の相違についての詳細は、僕の『ベヨネッタ』PS3移植のがっかり点の記事を読んでくれ。

全体として、『ベヨネッタ』はゴージャスで、スタイリッシュで、楽しくて、味の良いユニークなゲームだ。僕の一番のお気に入りゲームだと言うのは、控えめな言い方だ。
神谷とプラチナ・ゲームズの彼のチームは、この信じられない仕事に関して、拍手喝采を受ける価値がある(それと、何度かの心の抱擁も)。『ベヨネッタ』は、ゲームってものがどれほどクールなものになりえるかってことをキミに思い出させてくれるだろう。●



私はPS3版をクリアしましたが、Xbox360をもっていたら、Xbox360版をもちろん買ったと思います。PS3版の一番の問題はロード時間ですが、パッチが出るという噂はどうなったのかなあ…。

レビュー中でプラチナ・ゲームズの予算に言及していましたが、……プラチナ・ゲームズは、『大神』を最後に、売上不振から親会社のカプコンに閉鎖されたCLOVERスタジオの主要スタッフが設立した会社です。国内での据え置きゲーム第一作が『ベヨネッタ』ですので、シリーズ化できるものが出てくるなり、ある程度の売上が見込めるまでは、予算枠はタイトなのじゃないかなあと想像します。

『ベヨネッタ』は、現在、国内売上約27万本。
わたくしは、個人的にプラチナ・ゲームズをずっと応援しているので、いつかプラチナ・ゲームズのミリオンヒットの記事を読んでみたいなあと思っております。



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<雑記>
PS3 HEAVY RAIN 〜心が軋むとき〜 Japan Trailer PSN


2月18日発売。『ヘビーレイン』。フランスのゲーム制作会社Quantic Dreamのタイトルです。
ぜひトレイラーをご覧になってみてください。かなり面白そうなサスペンス・アドベンチャー・ゲーム。出だしは『SAW』っぽいですが、キーワードは折り紙…。
まだ『ゼルダの伝説 大地の汽笛』も手をつけていない有様ですが、これは買おうと思っています。

   
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2010年01月11日

海外の反応 -『下妻物語』-

ここのところ、ご無沙汰していたので、映画のアマゾンのカスタマー・レビューを久しぶりに。お題は、『下妻物語』。

下妻物語 スペシャル・エディション 〈2枚組〉 [DVD]

『下妻物語』は、嶽本野ばら原作、ロリータ少女とヤンキー娘の友情を描いた2004年の映画。カンヌ国際映画祭と同時開催の、青少年向けコンペ、カンヌJr.フェスティバルで邦画初のグランプリ。フランスでは、邦画としては過去最大約100館で上映されたヒット作です(Wikipedia)。

英語タイトルは『Kamikaze Girls』。一見、ベッタベタですが、存外に作品内容と合ってはいて、これはこれでよろしい気もいたしますが、レビューでは不満の声がちらほらとございました。


そんなわけで、評価の内訳です。46件のレビュー中、
5つ星:29件
4つ星:14件
3つ星:2件
2つ星:0件
1つ星:1件
93%が4つ星以上という高評価。



まずは、17人中17人が役立つと評価したレビューから。
(あらすじ紹介も兼ねており、ネタバレ満載なので、ご覧になる予定のかたは読み飛ばしてください。)

評価:★★★★★ ありがちな、安っぽい生き方ではなく、自分が思うように生きるということ。

近年、私が見た愉快な映画の1本が、嶽本野ばら原作のこの奇妙な映画だ。

夢見る少女、竜ヶ崎桃子は、東京の北、茨城県の下妻、要はド田舎で居心地の悪い思いをしている。彼女は、人目を惹くピンクのロリータ服に身を包み、白いパラソルをかざし、白の厚底靴をはきながら、ここがフランスの華麗なロココ時代(1715-1770)なら、もっと居心地が良いはずと感じている。

この彼女が、この映画の主人公であり、ときにカメラに向かって話しかけてもくる語り部である。

桃子は、祖母、負け組の父親とともに、平屋のみずぼらしい家に住んでいる。彼女の生まれ故郷、大阪湾の北東の海岸沿い、大阪の郊外にある兵庫県の尼崎という、騒々しい安売り天国とは大違いの場所だ。

彼女は、人生に対して個性的な考え方をしている。まず、一つに、値の張るロリータ服を買うために、クラスメイトがトラブルに巻き込まれたと作り話をして、父親の同情を買い、金を引っ張りだすことを平気でする。
人を騙したからって、何だっていうの?私の幸せがかかってるの。気持ち良くなることは悪いことじゃないわ。でも、私の心根が腐ってるのは確か。……自分が幸せになれるなら、そうしろっていう、60年代のメンタリティの再来だ。

一方、白百合イチコ。顔立ちは強面。話口調も乱暴。ときに短気で、レディース暴走族、ポニーテールのメンバーでもある。桃子の上品さには嫌悪を示し、唾を吐く。
そんな彼女が、コピーのヴェルサーチのジャケットがたった2000円で桃子から買えると知って、驚き、感謝する。これが、どう考えてもありえない友情の始まりだった。イチコは、桃子より現実的だし、人々に無関心でもない。言葉にマジ切れすると、桃子にヘッドバッドをかましもする。

イチコは、東京、代官山の閻魔という伝説の刺繍家を探そうとしていた。ちょうど、ポニーテールのリーダー、気性は荒いが品格のある亜樹美が引退することがわかり、イチコは、自分の特攻服に特製の刺繍を入れて、彼女に感謝の意を表したいと考えていたのだ。それには、金が要る。桃子はイチコに無理やりパチンコ屋へ連れ込まれることになる。

原作にはない場面もある。これがあなたの新しい友達よ。そう言って、桃子がキャベツを買い、それをイチコに手渡すというシュールで笑える場面。見なければ信じられないヘアスタイルをした竜二という下っ端のヤクザ。…ヒントは、竜二のニックネームが一角獣だということ。
それから、ヴェルサーチとユニバーサル・スタジオがコラボしたブランド品。桃子の父親が権利を無理して勝手に作った偽造品だ。映画中では、ヴェルサーチやユニバーサル・スタジオという言葉には、ピー音がかぶせられている。
また、日本のウォルマート、ジャスコで買い物をして節約する人々を皮肉る場面もある。チラシのモデルのようにポーズを決め、わざとらしい笑顔を作りながら、「このポロシャツがたったの800円」。桃子は顔をしかめて、「この街の人間は狂ってます」と嫌悪する。

『下妻物語』は、桃子役の深田恭子と、イチゴ役のロシア人とのハーフ、土屋アンナのダイナミックな演技に拠るところが大きい。深田は、スーパーキュートなロリータ服が大変に似合う。彼女の黄褐色の肌とミルクティ色の髪のコントラストは見事だ。子どもっぽい表情も、目を見開く様子も、見ていて楽しい。

土屋は、いつくかコミカルな演技を見せる。深田の気を引こうと、喫茶店、貴族の森でおどける場面。だが、失恋のシーンは、見るものの心を痛ませもする。桃子よりずっと人間らしいのだ。土屋のほうが、明らかに女優として良い。実際、この映画では、深田より多くの賞を勝ち取っている。

多岐に渡るサウンドトラックは、ペトゥラ・クラーク(訳注:60年代イギリスのガール・ポップス歌手)っぽい『Lucie Est Amoreuse』、感傷的なリサ・ローブ(訳注:米国のシンガーソングライター)といった趣の『She said』、ビートの効いたパワーポップ、『タイムマシンにおねがい』。管野よう子の曲は、甘いバイオリンの音から、ラグタイム・ピアノ、フレンチ・カフェ風アコーディオンのメロディーと幅広い。

この映画のもう1つのテーマは、自分にしかないものを見つけるということだ。桃子は、ロリータ服を身に着けていると安らぐし、刺繍に素晴らしい才能をもつ。イチコは土浦のバイクショップでバイクを修理していると幸せ。だが、人にどうしろといわれるのは好きではない。
また、ありがちな安っぽいものより、自身のスタイルを大事にするということでもある。つまり、ジャスコより、代官山のBaby The Stars Shine Brightというブティックってことだ。

『下妻物語』を見て、僕は、日本旅行のときに牛久大仏と下妻を訪ねた。下妻駅の内装は、映画とは違っていた。あの大きなテレビスクリーンはない。だが、桃子が電車を待っていたフラットフォームはそのまんまだった。

『下妻物語』は、おかしくて、突拍子のないカルト・コメディだ。日本好きには、面白いはず。特に、日本の若者やファッションに興味がある人には。

不満点が1つ。どうして『Kamikaze Girls』なんてタイトルにしたんだ?オリジナルのタイトルだと、なにか問題があったのか?

このレビューは、ヴェル○ーチとユニバー○ルの提供でお送りした。●



次は、10人中10人が役立つと評価したレビュー。

評価:★★★★★ 誰が見ても楽しい!

『下妻物語』は、キュートでおかしくて賢くて、目に楽しいゴシックロリータがいっぱい詰まった映画!主役の二人とも、意志が強くて、自立した少女。世の中の動きや、その中でどう生きるかということに、独特の感性をもってる。クエンティン・タランティーノやガイ・リッチー風の撮影方法が好きなら、この映画は大好きになると思います。男性でも女性でも楽しめるし、脇の登場人物もとても楽しい。この映画は誰にでも薦められます。



14人中13人が役立つと評価したレビュー。

評価:★★★★★ 現在、一番のお気に入り映画!

この映画は笑えて、泣けるんだ。超おかしい場面だけじゃなく、登場人物に同情させられる場面もある。最初、この映画を観たとき、完全にハマって、その後、数回観るはめになったぐらい!
登場人物は、好むと好まざるに関わらず、二人の正反対のキャラクターがお互いにどんなふうに惹かれ合っていくのかを見せてくれる。
それと、カンフー映画っぽいスタイルで撮られているね。

この映画は二人の少女の友情を描いたものかもしれないけれど、男だって大好きになるよ。この映画は、絶対に「ほしいものリスト」に入れておいてくれ!!



8人中8人が役立つと評価したレビュー。

評価:★★★★★ 素晴らしい。

二人の、表面上は似ても似つかない少女の話だ。でも、似ているのは、心の奥底ではわかってる。

こうした話は以前にもあったと考える人もいるかもしれない。でも、真実を言おう。あらゆるものは、以前にすでに作られている。ただ、僕の考えでは、これまでこれほどうまく出来たものはなかったと思う。

この映画の奇妙さとバカバカしさの奥底に、10代の少女たちが、大人になりながら、探しているものが垣間見える。…それは、簡単に言えば、みなが友達と呼ぶものだ。

まず、二人の少女がいる。一人は弱く、一人は強い。だが、彼女たちは二人とも聡明で、的確な描かれ方をしている。フリルの桃子は、ロココとロリータのファンタジーの衣の裏に隠れ、無作法なイチコは、突っ張ったしかめっ面の裏に隠れている。でも、二人の少女が見ないふりをし、ときとして、そこから逃げ出そうとしているものとは、この空虚で冷酷な世界で本当の友情を探すことなのだ。

これは、本当に美しく、賢い映画だ。桃子のジャスコの大衆ファッションへの嫌いっぷりや、逃げ出すためのイチコの作り話など、大爆笑の場面もしょっちゅうある。

購入してくれ。試しに一度観てみてほしい。…そうして、小さなニュアンスを楽しむために、繰り返し観て、自分が更なる深い部分に気づけるかどうか確かめてみてほしい。



8人中8人が役立つと評価したレビュー。

評価:★★★★★ 『下妻物語』は、感動するよ!!!

『下妻物語』のことを最初に知ったのは、Yahooグループの日本のロックで。Tommy heavenly6の音楽が、映画のテーマソングだったから。日本のサウンドトラックにどうしてこの曲が入っていないのか、よくわからない。たぶん、Go-Go'sの『Head over Heels』っぽすぎるとか思ったのかな。でも、すごい曲ってだけじゃなくて、この映画にすごく合ってたと思うんだけど。

初めて観たのは、ファンサブ。VCLメディア・プレイヤーのやつしかなかった。字幕を別で開かなきゃいけないっていう、ダッサい、よれよれの。別ウィンドゥで開いて、映画を流しながら、字幕をスクロールして観たんだよ。本当に最悪の映画の観方だったけど、映画はとても良かった。だから、たいした問題だと思わなかった。

この映画には、アニメが挿入されてるのだけど、『セーラームーン』みたいな感じとはちがう。もっと、通常の日本のテレビアニメっぽくて、ものすごく大げさな演出がされてて、これが面白いの。

『下妻物語』は、もうただ、おかしいの一言!でも、同時に感動もする。アニメのシーンは素晴らしいし。
ただ、ファンサブで、たった一箇所だけDVDより良いって思ったところがある。それは、冒頭の場面。アニメで暴走族のリーダーが、「あたしのバイクが火を噴くぜ」って言うところ。DVDの翻訳は、「点火するぜ!(ignite)」って訳してたけど、ファンサブは「火を吐くぜ(spit fire)」って訳してた。……ファンサブのほうが、ぜんぜん鮮やかだし、ドラマティック。でも、このDVDは買わないとだめよ。最初のところだけ、「火を吐くぜ!」って頭で変換して、あとは映画を楽しんで。その後の翻訳は見事だから。

Vizの公式リリースまで半年も待たされちゃった。でも、待った甲斐はあったな。本当はSuncoast(訳注:米国のショッピングサイト)のギフトカードを持ってたんだけど、注文しないとないっていうから、アマゾンへダッシュ。2005年のベスト映画よ!!!お願い、今日、注文して!!!!!



7人中7人が役立つと評価したレビュー。

評価:★★★★★ ファンタスティックな映画!

映画を勉強している学生として、この映画はとことん楽しめた。ばかばかしいお笑いだとか、アクションって以上のものがある。心を楽しませてくれる素晴らしいストーリーってだけじゃなく、びっくりするような様式的な感覚で目も楽しませてくれるんだ。



星1つの最低評価もございましたが、これは映画の内容ではなく、ワイドスクリーンで正常に見れないDVDフォーマットに関してでした(内容に関しては、この映画が大好きだと書かれていました)。

見はじめると、もうそのままついつい最後まで見てしまう映画ですので、週末にでもぜひ。



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posted by gyanko at 21:00 | Comment(35) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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