2010年03月02日

海外の反応 - KISSのジーン・シモンズの息子、『BLEACH』をトレース?! -

本日のトピックは、(『デトロイト・メタル・シティ
』にもカメオ出演していた、KISSのベーシスト、ジーン・シモンズの息子であり、漫画家のニック・シモンズのトレース疑惑でございます。

The Very Best of Kiss Dynasty


まずは、exciteニュースから事件のあらましを。

ニック・シモンズ氏はアメリカの漫画雑誌で、昨年8月から”Incarnate”という連載作品を掲載していた。しかし今回その内容に日本の人気漫画「BLEACH」からのトレースと見られる部分が多々見られ、それがアメリカのWEBサイトで話題となっていた。その存在を認めた出版社がニック・シモンズ氏の作品を出版中止にしたという。
この件に関し、「BLEACH」の作者である久保帯人氏はTwitter上で「正直似てるかどうかより、ジーン・シモンズの息子が漫画家ってことのほうが気になる…。」とコメントしている。



アメリカの『BLEACH』ファンによって見つかった問題のトレース部分(一部)はこちら↓。

NickSimmons.jpg

ニック・シモンズのその他のトレース画像は、こちらに掲載されています。


では、早速。ANIME NEWS NETWORKフォーラムのスレッドから。


■イタタタタ!私はアーティストではないし、…なることもないだろうけど、同じことやってるよ。

だから、こう言いたい。ニックは久保sanの作品を故意にコピー(たとえば、描きながら『BLEACH』の単行本を開いて、わきに置いてたとか)したわけじゃないって。でも、良いことじゃ全然ないよね。
ニックは、この世界にデビューしたばかりだよね。……しばらくはこのことで彼のプロとしてのキャリアは傷ものになってしまうんだろうな。…わざとやったにしろ、そうじゃないにしろね。

■『BLEACH』にもニックにも関心はないけど、盗用はダメだって!ただ、僕的には、売名行為の匂いを感じるけど。

■4chanにこれが伝わって、やつら、ニック・シモンズのDeviantartのページを襲撃に行ったよ。コメント欄は、罵詈雑言で溢れ返ってる。ページをリロードするたびに、ページビューががんがん増えてった。昨日の夜で、27000ビュー。今、50000ビューだ。

■見たところ、スキャンしただけじゃないぞ。これ見てみろ。

■「正直似てるかどうかより、ジーン・シモンズの息子が漫画家ってことのほうが気になる…」って久保帯人氏は言ってるみたい。大ごとにする気がないか、それとも興味がないのか。

■↑これは……すごいな。久保の音楽の好みを考えると、KISSのファンなのかな。特にKISSの名前を挙げてた覚えはないから、可能性でしかないけど。でも、これと、コピーされたことを久保が気にしてるかどうかは別の話だよな。

■↑気にしてるに決まってるだろ。…それもかなりね。でも、こういうことを処理するために弁護士や出版社がいるわけでさ。漫画家は自分の仕事に集中して、ダーティなことは他の人にやらせればいい。

■↑普通に考えて、公的な場所で法律的な問題について久保が口を開くとは思えない。適切じゃないだろ。日本だと特に。言ってることは面白いなあとは思うけどさ。

実際、なんか感動はしたよ。トレースだって言われた場面ですら(明らかにコピーだよね、トレースじゃない)、このガキ、よく描けてるんだもん。たぶん、マンガスタイルの西欧のアーティストではベストの一人だろう。でも、コピーしたっていう事実は、あまりにも悲しいわ。……ただの怠け者なのか?それとも、『BLEACH』が大好きだった?そうじゃなきゃ、キャラデザが苦手なだけなのか……・

真実が、怠け者のせいであることを望んでる。だって、こいつ、見所がある。彼が他にどんなものを描けるのか見てみたいんだ!

これ、オレの想像以上だったわ。おそらく、ニックの描いたものはすべて、他の漫画家からのコピーじゃないか?こいつをアーティストと呼ぶのは恥ってもんだよ。

■これはオレだったかもしれない。でも、ニックの描いたものには『ヘルシング』を思い出させるものもあるな。オレにも起こりうることではあるけど、こんなまねをしてしまうとは信じられないよ。ジーン・シモンズはどう思ってるんだろう。たぶん、たいして気にしちゃいないか。

■ニックはこの仕事で助けを必要としてたんだろうな。『BLEACH』をコピーしたいとは、はっきり言ってたらしいし。失態だよ。この事件から、学んでほしい。

■本をもってないから並べて比べられないけど、『ヘルシング』にものすっごく似てるわ。ひでえ。少なくとも、キャラクター・デザイン。オレは専門家ではないけどさ。

『BLEACH』のコピーってのにびっくりだよ。なんとなく似てるとかいうレベルじゃないし!ページを複写して、その上から細部を描き込んだっぽい!

■日本の漫画家だからね、久保はコピーされるのには同人誌で慣れっこだと思うよ。とは言っても、ショッキングなほどの一目瞭然だな。「インスパイアされ」て、「ちょっと肌のトーンを変えただけ」ってか?ファンがやってる同人誌じゃないんだ、プロとしてこんなことがまかり通るのかよ?無理。今すぐ訴訟だ。

■↑確かにね。同人から出る漫画家は多いし。
でも、このケースは同人とはまったくちがう。同人作家は通常、シリーズのキャラクターを借りはするけど、ストーリーはちがうし、絵もちがう。でも、この場合は、キャラクターをコピーしただけじゃなくて、絵もストーリーもコピーした。あきらかに盗用。

■ひゃー。早い。昨日の朝、記事を見て全容を知って、大騒ぎになってるのを見たのに、出版社は一日後には手を打ってたよ。
他作品からの盗用に関しては、4 chanが重箱の隅をつつくように調べ上げてるよ。さっき見た限りじゃ、これ以外にも、『ONE PIECE』、『ヘルシング』、それからファンアートからの盗用があった。
そう、こいつは、ファンアートまでトレースしたんだよ(しかも上手くねえ)。

■とにかく、作品がジーン・シモンズの息子によって盗用された漫画家なんてそう多くない。

■言われるまで『BLEACH』だとは気づかなかった。安っぽい『ヘルシング』のコピー商品だと思ってたわ。
今週中には、『BLEACH』のファンがもっと詳しい比較を出してくる。彼らに任せておけばいい。まだ、事件は爆発したばっかりなところだからな。

■これって、…はっきり言ってたいした話じゃないよ。他人の作品をトレースして盗用したことで、ニック・シモンズがアーティストとして怠け者だってことは明らかになったかもしれないけど、やってることは非合法ってわけじゃない。ポーズに著作権はないからね。
アメリカのコミック産業は、他人から盗用することにかけては長い歴史をもってる。『バットマン』の初期なんて盗用だらけだ。剽窃ってのは、いつだってあったもんさ。

ただ、ニックに災難が降りかかるとしたら、キャラクター・デザインがあまりにも似てるってことだろうな。あと、挙げられてた台詞部分ね。でも、力むほどのことでもないよ。

■なんてこった。金持ちで、何でも好きなものを与えられて、過保護に育てられたんだな。現実世界の要求には応えられないし、やりたいと思ったら何でも、ちゃんと使用料も払わずにやってしまう。彼の偽者のストーリーは、そんな自分の人生を模倣したんだな。たぶん。

■うん、そっくりだなあ。ただ、ニック、絵はすごく上手い。

■↑トレースがすごく上手いの間違いだろ。

■こういうものに対する久保の反応ってすっごいクールだなあ。これは褒め言葉を贈らなきゃ。なんていうか、落ち着いた人なんだね。シモンズに関しては、実際にやったのなら(僕は判断できるような人間じゃない)、まず最初にすべきことは謝罪、そして、反省。どっちにしろ、彼は大変なことになるね。

■久保がニックに優しいなってちょっと驚いた。日本で働くチャンスになるかもなあ。将来、久保との接点になったりして。Viz(訳注:出版元)がこの騒ぎをどう収めて、ニックをどう罰するのか見ていきたいね。その後、ニックに絵のテクニックを変えるように言って、ちゃんとした描き手にしないと。

オレたち『BLEACH』ファンは大げさに騒いでるけど、冷静になる必要があるよ。ニックにもう一度チャンスを与えるべき。犯した過ちからどう学ぶのかって意味でね。これが良いほうが転ぶことだってあるかもしれない。ニックには可能性があるんだから。みんな、またしても早まった行動を取ったよね。

■↑優しい?気にしてないってだけよ。たぶん、ジーン・シモンズの息子が自分の漫画を盗んだってことを面白がってるだけ。
だって、気にする必要がないだろ?盗用があまりにあからさますぎて、スルーできる段階のものじゃない。本は出版停止になるだろうし、久保は損はしない。『BLEACH』はまたしても名前が知れ渡った。…久保はただ礼儀正しいだけさ。

騒ぎが大げさかね?こいつは、恥知らずにもコピーをしたんだ。キャラデザまでね。そうして、それを自分のだと言い張って、金を稼いだ。ぶちのめされて当然。

■久保はこんなこと慣れてるよ。マンガが有名になれば、みんな多かれ少なかれコピーしたがる。インスピレーションからくるものなのか、怠け心からくるのかはとにかくとして。

よく知らないけど、日本人は著作権についてそんなに大ごとだと思ってないんじゃないの?漫画家って裁判みたいなのってやらないみたいだし、無視って感じじゃない?
それより、このくだらないマンガの盗用騒ぎが長引くほうがウザいよ。出版社はなに考えてんだろ?

■↑見つかった日には大騒動だよ。新田祐克はポーズとかいろいろ、ファッション広告からコピーして、その後何ヶ月も出版社からお呼びがかからなかった。

■Vizあたりが訴訟を起こさない限り、裁判になる可能性が高いとは思えない。日本って、この手のことには関わりたがらない。『ライオンキング』とか『アトランティス』に関しても、誰も訴えようとはしなかったろ。ディズニーが巨大だで、威圧的な態度をとるせいかもしれないけど。

これがニックのキャリアの終わりじゃないとしても、これからかなり長い間、彼や彼の作品を真面目にとらえるひとは多くはいないだろうね。少なくとも、彼がきちんとした行動を取れるようになるまでは。

■ニック・シモンズがやったことは、浅ましいコピペ仕事。ファンアートなら、まあいい、オレ的にはね。でも、彼は、他のアーティストや漫画家の作品で自分の本を売ってるんだ。Wikipediaによると、ニックがコピーした作品は、『BLEACH』、『ヘルシング』、『吸血鬼ハンターD』、『NANA』、『DOGS/BULLETS&CARNAGE』、『デッドマンワンダーランド』、『ONE PIECE』、Raeっていうアーティストの絵。ソースはここ

■↑間違ってたらごめん。イベントのアーティストコーナーとかで、いつもみんなファンアート売ってるよね?

■アーティストとしてオリジナルなものを創るっていうのは、最もやりがいのある仕事。特に、自分の作品を好きになってくれる人がいるときは。
他人の作品からコピーすることは、人造人間を作るようなものなんだよ。錬金術で人間を再生させるようなものなの。そんなことはしてはいけない。触れてはいけない領域なんだ。

■爆笑した。『BLEACH』をコピーしてちょっと色塗っただけじゃん。Viz、頼むよ。金の使い方を考えろって。ファンが訴訟すべきって言い出したら、もうするしかねえぞ!

■これって常に、法的にはグレーゾーンだよな。法的には非合法なんだけど、いろんな理由でみんな大目に見てるところ。でも、……このケースはちょっとちがうよな。ファンアートの描き手たちは普通、フリーハンドで絵を描いてる。こいつは、キャラクターをトレースしちまった。インスパイアとかじゃない。キャラクターに対する自分なりの解釈(ファンアート)ですらない。ただの、キャラクターそのもの。

ポーズはコピーできるし、似たキャラクターを作ることもできる。ポーズをトレースしても、キャラクターは変えられる。でも、これはまさにトレース。色を変えて、自分のだって主張するのは間違ってる。

■少なくとも、ファンアートの描き手はそれがファンアートだってわかってる。でも、シモンズは絵をトレースして、それを自分のだって言ったんだ。

■↑その通り。でも、ファンアートの人たちは、他人のキャラクターを使って、ファンアートを描いて、同人誌を売ってる。少なくとも、シモンズは名前を変えたし、キャラクターの外見を(わずかかもしれないけど)変えた。他人のキャラを売ってるファンアートとはちがうだろ。

シモンズが盗用したのかって言われたら間違いない。だって、彼の作品はインスパイアなんて以上のものだもの。でも、ファンアーティストたちのほうが、盗用っていう意味ではもっとあからさまだよ。ファンアーティストを締め出せと思ってるわけじゃないよ、だって彼らはファンだからね。

シモンズが責められるべきところは、ライトボックスを使ってトレースをしたこと。たたきのめされてる理由は、彼がビッグネームで、実際に金を稼いでいたから。

ファンアーティストに反感はもってない。でも、彼らが盗用はしてないって言うのはやめてほしい。小さいスケールだけど、イベントでは同じように自分たちのファンアートを売ってるんだから。ちがうのは、シモンズが本をアマゾンや本屋で売ったってことだけだろ。

■チキショー。『Incarnate』、読んだのに気づかなかったよ。残念すぎる。だって、すっごく良いコミックだったからさ。



末次由紀も、2005年にトレース事件を起こし、すべての単行本の絶版、漫画家活動の停止という憂き目に合いましたが、『ちはやふる』で2009年第2回マンガ大賞を受賞。

「過去に犯した間違いというものがあり、自分はまだこういう場に出て行けるような人間ではない。一生懸命マンガを描いていくことでしか恩返しはできない」というコメントとともに授賞式は欠席されたようですが、最初から過ちを起こさないのが最善とは言いながら、負からやり直すこともやはり立派な努力であろうと思うので、がんばっていただきたいものでございます。



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posted by gyanko at 18:00 | Comment(83) | TrackBack(0) | マンガ・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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