2010年12月20日

海外記事 - なぜアメリカ人と日本人では、ロボットに対する態度がちがうのか?-

本日はあっさりと記事を2本。
まずはこちらから。

なぜアメリカ人と日本人では、ロボットに対する態度がこんなにもちがうのか?

この半世紀、日本人とアメリカ人のロボットに対する態度にはちがいがある。コレクターズ・ウィークリーによるロボット・コレクター、ジャスティン・ピンチョットの興味深いインタビューの中で、理由のいくつかが推測できる。

コレクターズ・ウィークリーはピンチョットにアメリカ人のロボットに対する態度について尋ね、ピンチョットはこう答えている。

「不安の種はいつも、ロボットが知能をあまりにもちすぎて、自分のやりたいように行動を決定してしまうのではないかということでした。初期のSFの大きなテーマは、私たちが創ったロボットの暴走でしたし。
こんにちでも、これはコンピュータに対して広く行き渡っている感覚です。コンピュータが感情をもち、私たちが命じないことも自らで決定を下すようになってしまうではないか?という懸念ですよね。

すべてのテクノロジーをめぐる不安は、ロボットに具現化されているんです。ロボットというのは、「ロボットが支配し、金を牛耳り、私たちの暮らしを誤った方向へ導いていくのでは」という妄想をかきたてるようにデザインされていますから。

子供の頃、私はロボットが怖かったものです。玩具会社は意図的にロボットを大きく作り、そうした不安要素を増大させていました。これは、子供が(訳注:怖がりながらも)つい駆け寄ってしまうホラー映画と同じスリルなんです。私たちは、不安要素は現実ではないとはわかっている。でも、怖がるふりをするのが楽しかった。
ロボットの魅力の1つには明らかに、ロボットが私たちに似ているということがあります。そのロボットを私たちが作った。しかし、いつだって事態がとんでもなく間違ったことになる可能性があるんだということです。」

これとは対照的に、ピンチョットは日本人のロボットの歴史をこう語る。

「現代の玩具のロボットの真の隆盛というのは、戦後の日本が発端です。日本が米国の支援を受けて復興していた時代ですね。もっとも、日本には戦前からブリキの玩具製造がしっかり根付いていましたから、彼らにとって玩具産業を再興し、継続していくことはしごく簡単なことだったんですが。

戦後の日本のロボットのマーケティングやパッケージに大きな影響を与えたのは原爆でした。これは、(訳注:日本人にとって)技術的に進化した巨大なスーパーパワーが別のスーパーパワーを粉砕するという物語でした。このテーマ全体が宇宙ものの玩具やロボットに形を変えたのです。初期のロボットの包装箱を見ればわかります。街中をロボットが踏み荒らし、破壊を引き起こしている。これは、爆弾でなにが起こったかという暗喩だったんです。

日本でロボットがどんなふうに捉えられていたのかは、私にはわかりません。ただ、彼らは明らかに、米国市場が興味を抱くものなら何にでも顔を突っ込んでいこうとしていたように思えます(訳注:日本のロボット玩具は当初、米国への輸出用として製造されていたようです)。

当時のロボットに対するアメリカ人の感覚は、戦前のジュール・ベルヌや『バックロジャーズ』シリーズが人気だった1930年代から変わっていませんでした。アールデコやキュービスムの時代でもありました。ですから、こうした要素が当時の(訳注:日本のロボットの)デザインに影響を与えていますし、今アメリカ人がロボットを想像するときになにを思うかということにも影響を及ぼしているんです。」



このかたは、日本人のロボットに対するイメージの根底に、原爆を原体験とするスーパーパワーがあるというご意見のようです。

以前、ご紹介したフランス人の現代日本研究者、Jean-Marie Bouissouのマンガ論でも、「原爆=科学の勝利=日本の戦後の科学への没頭」という流れを『鉄腕アトム』で解説していました。

ただ、なぜその原爆を原体験とするスーパーパワーを恐怖ではなく、愛情の対象にしたかというあたりが大事かと思うのですが、この経緯にはやっぱり強大で恐ろしいものが信仰や憧憬の対象になりうる宗教観、そうして「物にすら神が宿る」というアミニズムが深く関係してくるのかなあと思います。

そのあたりを洞察しているのが、こちらの記事でございます↓。
これを書いたクリストファー・ミムズはテクノロジー関連のジャーナリスト。『Scientific American』、『Popular Science』、『Technology Review』等で執筆中。


なぜ日本人はロボット愛するのか?(そして、なぜ米国人はロボットを恐れるのか?)

アニミズム、フランケンシュタイン、そして、ロボット戦争の幕を開けを引き起こす「生命の創造」を禁ずる聖書


とある島国の、全長数百フィートの戦闘ロボからセラピー用の幼いロボットまで、あらゆるロボット的なものへの愛情はよく知られている。これは、(日本の愛情と)同様に西洋に定着しているロボットへの恐怖と著しく対照的だ。そもそも、ロボットという言葉はチェコの戯曲(訳注:カレル・チャペック作『R.U.R.』)の中で1921年にデビューし、そのときからすでにロボットは最終的には決起し、主人である人間を殺すものだった。

ほぼすべてのSFで未来の展望といえば、人間の半自律の協力者、ロボットがますます私たちの生活の中で大きな存在となっていくことがすでに決まっているように思える。そんな中、なぜこの2つの文化は、ロボットの現況や未来にこれほど根本的に異なる結論を導き出してしまったのだろう?

世界で最初に(非産業)ロボットの個体数調査を行ったヘザー・ナイトは、ロボットと人間の意思の疎通をライフワークにしている。彼女は、ロボットに対する日本人と米国人の態度の差は、ロボットという概念が生まれるよりもっとずっと古い時代に端を発していると結論を下している。つまり、宗教だ。

「日本では…アニミズムのせいで、みな文化的にロボットに対してオープンです。日本人は、無生物と人間を区別しません。」

アニミズムは、仏教の伝来より前から存在し、今なお日本文化に大きな影響力をもつ神道信仰の構成要素だ。アニミズムとは、すべてのもの、人間が作った物にさえ霊が宿るという考え方である。社会科学者、北野菜穂の論文『Animism, Rinri, Modernizationp; the Base of Japanese Robotics(アニミズム、倫理、近代化:日本のロボット工学の基盤)』にはこうある。

「太陽、月、山、木、それぞれに霊や神が宿っている。神々にはそれぞれ名前があり、特徴をもち、自然と人間の現象をコントロールしていると信じられている。こうした考え方はいまだ信じられており、自然と霊的存在への日本人の関わり方に影響を及ぼしている。これはのちに、人工物へも波及した。そのため、(日本人は)日用品や常用器具すべてに霊が宿っていると考え、こうした日用品に宿る霊が人間とうまく調和することを信じている。」

対照的に、西欧では、生命の創造は必然的に創造者を破壊に導くものだ。メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』に始まった話ではないのだ。作家の梅沢類(訳注:日系カナダ人作家)はこう指摘している。

「ロボット工学に対する西欧の態度に宗教が完全に影響を与えていることを理解するためには、ユダヤ教とキリスト教に共通の一神論が忠実に守っている教義を思い出さねばならない。つまり、生命を創ることができるのは神だけであること。また、創世記の一般的な解釈では、初めに存在したのは神だけであり、すべての生物は神の創造物なのだ。出エジプト記もまた、偶像崇拝は罪であると定めている。

こうしたことから、無生物に息を吹き込む者は、神の役割を担っていることになり、とどのつまり、偽りの偶像に自身がなっていることになる。こんな冒涜者には罰を与えるのがふさわしいし、SFの慣例だとロボットの裏切りと言う形式をとる。ロボットという用語を造ったことで評価されている1920年の作品、『R.U.R』に始まり、映画『ターミネーター』、『宇宙空母ギャラクティカ』にいたるまで、人間の自惚れは常にその創造物から反乱を起こされるはめになるのだ。」

こうした先入観を元としたフィードバック・ループの中で、文化というものが、日米のロボットの捉え方だけでなく、日米のエンジニアが作るロボットのデザインにも影響を与えている。
ミラー・マッキューン(訳注:米国の科学技術雑誌)に寄稿しているジャーナリスト、サリー・オーガスティンは、「日本人が、日本の能のように曖昧な表情をさせてロボットの感情をほのめかすことで満足するのに対して、アメリカ人はロボットの表情が感情的に豊かであることを重視する」と論じている。
もっと具体的に言えば、アメリカ人はロボットの研究を軍事利用の方向へ向かわせることが多いのに対し、日本人は「日々の暮らしの改善を目的とする消費者用のロボットに大枚を投資している」。

アメリカ人がロボットを危険で意図的な人造物であり、いずれ作り手に死をもたらすものと見なし、日本人はその文化によってロボットを協力者、西欧で言うならソウルに近いものを宿したものと考えるというなら、片方の国家がロボットを軍事利用することに肯定的になり、他方が、急速に高齢化が進み、扶養を受ける人口が増大している国を助けるのにふさわしい慈悲深い仲間と考えるのも、ほとんど驚くべきことではないだろう。●



次回は、ジャスティン・ピンチョットの記事についたコメントをお送りいたします。



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タグ:ロボット
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2010年12月17日

海外の反応 - 秋葉系シェアハウス『ギークハウス』

本日は半年ほど前の記事から。


日本のギークハウス

フジTVが、家族のようなコミュニティ感覚で暮らし、生活費を分担するルームメイトを探す日本人が増えていると伝えた。この特集ではコンピューター・オタク向けの『ギークハウス』も紹介された。

Programmershouse



彼ら3人はみんなコンピューター・プログラマーで、家賃13万円の2LDK(2部屋+りびんぐ/ダイニング+キッチン)のアパートをシェアしている。(ギークハウスの公式サイトによると、現在では住人は5人になっている。)自由時間はそれぞれノーパソを持ち寄って集まり、プログラミングをしたり、Twitterでチャットをしたり。彼らが住むアパートは秋葉原に近いため、オタク仲間も訪ねやすい。

こうしたアパートのシェアはギークハウス・プロジェクトの一環で、日本中に同様のシェアハウスを展開しようと計画している。公式サイトでは現在、京都、愛知、札幌に作る予定のギークハウスの入居者を募集中だ。



コメントはこの記事についたものと、こちらからお送りいたします。


■今は一人で住んでるけど、こういう感じで住めるチャンスがあれば、オレもやるかも。今よりお金も貯められるし、もっと社交的な生活ができるもんね!

■女の子を家に連れていきたいときはどうするの?…って、や、言ってみただけ。

■僕が今、住んでる大学生の部屋の日本の大人版だ。すごいわ!

■↑5人で2ベッドルームだろ。これを大人版とはオレだったら表現しないわ。

■オレの寮みたい。……エンジニアの学校へ行こうと思って今ここに入ってるんだけど、男ばっかりがうろうろしてる。女の子皆無(笑。まあ、たまに女の子がいることもあるけどさ(数が少ないんだ)。シングルの男にとっては、こういう住み方っていうのは、一人で住むよりものすっごく楽しいものになるよね。みんな仲良くやってける限り。

■彼らは、いっしょに住む女の子を見つけようとしなかったことを絶対、後悔すると思うんだ。

■↑いや。抱き枕とかDSのキャラクターとかXboxと結婚するから大丈夫。

■自分でアパートや家を借りる余裕もないの?気の毒に。悲しい話だ。家と仕事と家族と充実した生活を手に入れよう!これじゃ、ダメな人たちになっちゃうだけだよ。

■↑この男たちを責める前にだ、東京の住居費が給料に比較してどれだけ高いかを調べてみろ。

■↑金をもってるか、もってないかっていう単純な差だろ。不幸なことに、この世界には金持ちと貧乏人というものが存在する。

■↑参考までに、どんな都市でもメジャーな街は金がかかる。簡単なことだろ。

■↑東京が高いって議論には完全に同意する。でも、これってそういう問題じゃないだろ。前にも投稿されていたが、こういうオタクはニートって呼ばれてて、日本中に広がりつつある。こういうオタクたちは怠け者で仕事を探さないんだ。働かず、一日中チャットをしたり、サイバースペースの中をうろうろしながらアイデンティティを見出してる。

動画に出てる人は一流大学を卒業し、大企業に数ヶ月勤めていたが、辞めてしまった。理由は働きたくないから。彼は、自分のライフスタイルを支持してくれる同じ考えの人を見つけながら、『ネット乞食』として食費を稼いでいる。
これは、ニートが、彼らのライフスタイルをサポートするために物理的な意味で実際に集まり出したっていう新局面なんだよ。この年代の男としては呆れた話だとは思うが、まあ、これはオレの考え方だからな。

■記事によれば、家賃は月13万。これを一人で借りれる金ができたら、次のステップに進むってことえでしょ。

■↑…3人でシェアってことは、月1人4万ちょっとだ。あと2人入れば、2万6000円。他の人はどう考えるかわからないけど、僕だったらたとえ自力で13万のアパートを借りれる金力があったとしても、やっぱり友達とシェアして3分の1(または5分の1)の負担っていうのはかなり良い取引だと思うな。

つまり、プライバシーに、たとえば月9万の価値があるかって話だ。たぶん、ないね。

■↑5人で分けたら2万6000円は実際、マジで安いよなあ。けど、浮いた金がマザーボードとか抱き枕に化けちゃうのは確実。

■上昇志向のあるやつなら、問題なくもっと高い部屋を借りる能力があるだろうし、こんなふうに住む必要もない。……この男たちは負け組になりつつあるってことは明らかだよ。金持ちは競争社会に参加し、貧乏人はこうなるってこと。

■消費!消費!消費!購買!購買!購買!子供を作れよ!

■↑そうやって、破綻しつつある年金制度をサポートしろって?

■ちょっと悲しいのは、この人たち、日本国外で働けば5〜10倍の収入を得られたろうにってこと。日本のテクノロジーやその他の専門職の人たちが、他の先進国と比べて自分たちがどれだけ過小評価されてるってことを理解しはじめたら、反乱が起こっちゃうんじゃないかと思うよ。

■↑テクノロジー関連に限らず、日本の産業の多くにそれは当てはまるね。真の問題を簡単に言えば、日本は90年代から商品(テレビ、電化製品、車)を輸出することばっかりに慣れちゃって、労働力や知的財産を輸出品目にするって認識が欠落してたことだ。

■↑素晴らしいことを言うね。この地上の先進国で、テクノロジーやその他の専門職の人が日本の10倍の給料をもらえる国ってのはどこだい?

■↑だから、「他の先進国」とちゃんと僕は言っている。具体的に「どこの国ならテクノロジーに従事する労働者を理にかなった給料」で保障してくれるかなんて、僕はキミにわざわざ教える気はない。自分で調べてみろ。

備考:僕が上に書いたコメントは、2つの仮定に基づいてる。
1) 動画の彼らが実際に仕事ができて、彼らのコンピューター・スキルが有用であること。たとえば、コンピューター・プログラマーっていうのは、一日中2ちゃんでアスキーアートを投稿している人たちのことを言うわけではない。
2) 日本人以外ともちゃんとコミュニケーションがとれること。

動画では十分な情報がないから、彼らが本当のところどうなのかはわからんけど。

■不平ばっかり言ったり、くよくよ悩んだり、ダラダラしたりするより、お金を稼いでもっと高いものを買えるようになろうよ。これ以上に簡単なことはないよ。競争社会は、キミが勝ち組か負け組か率直に言ってくれるものだ。

この動画の人たちは、怠け者か、世間に無関心か、自分たちにふさわしい給料をもらってないかのどれか。本当に僕が恐れているのは、こういうひ人たちがどこかで人間性を失ってしまってるんじゃないかってことなんだ。

この貧しさから目を背けちゃだめだ。みんなはこうなりたいのか?僕は嫌だ!

■妻や子供といっしょに住むっていう、昔ながらの暮らしぶりにいったいなにが起こったんだよ!

■↑ヒッピー、マンソン・ファミリー(訳注:アメリカのカルト指導者、チャールズ・マンソンが率いた疑似生活共同体)、避妊薬。

■↑妻と子供がいる暮らしが良い暮らしだって、すべての人が考えてるわけじゃないよ。

■女の子と行動をともにしたりしない人たちだからだと思う。

■女性とは出会えない。職を2つ掛け持ちしても、自分でアパートは借りられない。これが現実。目を覚ませ。

■↑一番怖いことだよな。現実世界の貧困。キミはわかってる!これは笑えない現実だよ。

彼らは成人であり、そして確実に貧しい!みんなは、上海やニューヨークのセントラク・パークのアパートだって、いまどきなら安くなってるんじゃないかって考えてんだろ!ない!現実的になれ!

トランプ・タワー(訳注:ニューヨークのマンハッタンの目抜き通り、5番街に建設された高級アパートメントとショッピングモール、オフィスエリアを擁する複合施設)に住める勝ち組、対して、掘っ建て小屋に住むものの段違いの差。……これが競争社会だよ。

どうして、これをたいしたことじゃないみたいに見ないふりをするんだ?控えめに言っても、これはただただ気が滅入る現実じゃないか。

■基本的な事実。彼らのもっと良い仕事に就けて、給料がもっと高かったら、こんな選択肢は考える必要すらなかったろう。テクノロジー関連の仕事はもっと稼げるはずなんだが。日本には、もっと高給の職があるのかもしれんけど…。

■ルームメイトって、報道価値はほとんどないと思うんだが…。でも、このギークハウスってのは楽しそうだなあ。ルームメイトを探して、選ぶってのはかなり良い方法だよな。

■秋葉原近くで安く住めるってんなら、どんなことでも支持する。

■大学生の頃のオレのアパートがまさにギークハウスだったよ。

■OK……誰か他にここに越したいやついない?



貧乏だからだろ…という比較的シニカルな意見が多かったのですが、個人的にこれはいいなあ…と思いました。

ギークハウスのかたがた↓。なによりも、楽しそうでございます。
破滅パーティズ



20代のお金のない時代、同郷の友達と二間のアパートを借りて住んでいました。
理由としては、比較的好条件の部屋(駅に近い、職場に近い、広い等)が借りられる、生活費が助かるという経済面のメリットがもちろん大きかったのですが、治安面(やはり二人というのは心強い)、娯楽面(土曜の夜のレンタルビデオとかオセロですが)と、割といいことづくめでした。

次は、年をとったら、この動画の人たちのように友達何人かでいっしょに住むというのは良いかもしれませんなあ。



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posted by gyanko at 19:00 | Comment(65) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月12日

海外の反応 - 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』のさわりを観てみた -

本日は公開中の『宇宙戦艦ヤマト』の実写版、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』でございます。

ご存知のかたも多かろうと思いますが、『宇宙戦艦ヤマト』は、『スターブレイザー(Star Blazers)』として1979年から米国でテレビ放映して大ヒット。その実写版ということもあって、米国でも興味を惹かれるかたは少なくないようでございます。

Wikipediaでは、「『Star Blazers』は戦死したものへの悲しみや葬儀の場面、人類が直面する絶滅の危機などを削らなかったということで、当時のアメリカ製アニメ以上に大人向けだったとみなされている。また、全編を通じた敵側のキャラクター展開の中で、「立派な敵」という実に日本的なテーマが非常に重要な部分だった」と解説されています。)

元記事はこちらから。

実写版『宇宙戦艦ヤマト(スターブレイザーズ)』の触りを今すぐ見よう!

宇宙戦艦ヤマト実写版 / 映画 SPACE BATTLESHIP


『宇宙戦艦ヤマト』、別名『Star Blazers』の最新実写版映画の最初の2分をこの動画で見ることができる。
二三、僕が思ったことを。なあ、これって『宇宙空母ギャラクティカ』(訳注:1978年から放映された米国のSFテレビドラマシリーズ)かなんかみたいじゃないか?アメリカの映画じゃ、こんな戦艦、もう出てこないよな…。

…米国の映画かこういう宇宙戦争シーンを撮ってたのって、いつごろだっけ?たぶん、『スターウォーズ』のシリーズではもうこうじゃなかったよな。思うに、『スタートレック』の時代じゃないかな。ああいうんじゃ、僕の宇宙戦争好きの心はあんまり満足できないけど。

更新:また別の動画が上がったよ!↓

宇宙戦艦ヤマト実写版


『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は日本ではすでに公開中。僕たち米国は、これからだ(訳注:11月に米国で行われた世界最大の映画見本市「アメリカン・フィルム・マーケット」でも日本初の本格SF映画ということで注目を集め、台湾、香港、タイ、シンガポール、仏、独での公開が決定。さらに米ハリウッドのメジャーからも米国での配給のオファーが届いている(シネマ報知))。●


↓『宇宙空母ギャラクティカ』
Battlestar Galactica



この記事についたコメントです↓。


■観れてうれしい。トビー・マグワイアの『マクロス』なんかいらんから!(訳注:ワーナーブラザースが『マクロス』のリメイクの版権を獲得。トビー・マグワイアが製作に参加しています。)

■↑『マクロス』って『ロボテック』のこと?(訳注:、1985 年、アメリカ合衆国で放送されたSFロボットアニメ。竜の子プロダクション製作の『超時空要塞マクロス』・『超時空騎団サザンクロス』・『機甲創世記モスピーダ』の3作品のライセンスをハーモニーゴールド USA 社(Harmony Gold USA)が取得。連続する一つの大河シリーズとして翻案し、再編集された作品(Wikipedia))

■↑こないだ読んだ話じゃ、『ロボテック』じゃなくて『マクロス・サーガ』でやるって。まあ、ずいぶん前に聞いた話だけど。

■↑アメリカで製作するなら、『ロボテック』だろう。それにしてもだ、ハーモニー・ゴールド社はまだライセンスをがっちり抱えこんでるんだなあ。で、今度は映画化ってわけか。驚くわ。

■↑トビー・マグワイアの『マクロス』?いやああああああああああ!嘘だって言って!

■良さげな映画なのになあ。残念ながら日本語っていうね。

■↑公開されたら、字幕をつけてくれる人が現れるって。

■↑字幕か。オレが今までどれだけアニメを見てきて、どれだけ日本語を理解してるかっていう証明になりそうだな…。

■どうして通訳が何もしゃべらんのだ?映画を観るのに夢中になりすぎて、通訳を忘れたのか?(訳注:ワイプの出演者を通訳だと思っているようです)。

■↑通訳じゃないんだよ。日本のバラエティ番組では、動画を流している間、それを見ている出演者の有名人のリアクションをああやって見せることが多いの。

■僕、『宇宙空母ギャラクティカ』はそんなに観てないんだけど、この映画の場合、オリジナルの雰囲気にとっても忠実に作ってるってことだよ。つまり、暗く、漠々として、危険な雰囲気の漂うブリッジ(船長の指揮室)。あらゆるものが悪化の一途をたどり、吹き飛ばされ、人々が死んでいく…っていう、そういう雰囲気。この映画、早く観たい。

■↑よくわからんけど、一見すると、この映画は確かに『宇宙空母ギャラクティカ』をかなり思い出させるところがあるって僕は思った。『宇宙空母ギャラクティカ』の自然な演技に比べると、演技は派手だが。

…とは言っても、僕は日本語がひとつもわかんないから、捉え方が勘違いってことは多いにありえる。オリジナルのアニメもまったく見たことないし。たぶん、オレが間違ってそうだな。黙って、静かにしてることにする。

■グレート。オレの中の12歳がたった今、両腕を振り回して、歓喜の雄叫びを挙げながら部屋を走り回ってるよ。この動画は、やつにとって砂糖たっぷりのエスプレッソみたいなもんだ。この映画は観なければならん。

■↑僕の中の7歳が今、感動で鳥肌になりがなら主題歌を歌ってるところだ。

■↑あんまり言いたくないんだけど、えーと……オレの中の23歳が……ああ、この番組が放映されていたころ、僕は大学院生だったと思う……。

■オレの中の大人が言う。「特殊効果が少なくとも5年は遅れてる。コスチュームが間抜け。演技が全体的に大げさ」。

でも、オレの中の子供が言うんだ。「黙れ!これは『ヤマト』だぞ!宇宙船艦ヤマトだ!!」って。

■↑5年は遅れてる?そう?たぶん、キミのほうがオレより見る目があるんだな。どういう基準で言ってるの?僕はそれをたぶん見逃してる。

■↑演技が大げさなのは日本では非常に普通のことだよ。これでもかってぐらいに大げさに演じる。『ヤマト』の場合も、そういう演技の範囲内なんだろうけど、シリアスな場面だとイラつくよね。

■↑うん。でも、正直言って、それってオリジナルに忠実なんだよね。特に『ヤマト』の場合。

■すごいわ!ただ、間の悪いことに、今仕事中で、音を出して動画を見れないんだよ。

■『宇宙空母ギャラクティカ』のほうが、特殊効果の出来がかなり良かったよ。あと、艦長の人、なんか『サタデーナイトライブ』のコントに出てそうな人だな(笑。

■ウハ。オレ、この動画の日本語、ちょっとわかる!!!!!

■アジア版の『スタートレック』?

■小学生のころ、『スターブレイザーズ』を見るために毎朝6時に起きたもんだった。……ああ、オレも年とったなあ。

■↑僕なんて、兄弟とこれを見てたころ、ティーンエイジャーだったからねえ。マジで年とっちゃったよ。この映画、吹き替えか字幕をつけてほしい。すっごく観たいんだ。凄そうだし。オリジナルのアニメ・シリーズにマジで近い。

■↑『スターブレイザーズ』に間に合うように、学校から家までダッシュで帰ってたもんだ。

■↑僕も。あの番組は、オレっていう人間を作ってくれた要素の1つだと考えてる。

■低予算のSyfy(訳注:、アメリカ合衆国のケーブルテレビ向けテレビチャンネル)製作の映画みたい。アニメ版を作ったほうが良かったと思うね。

■↑これと同じ話のアニメ版はもう存在してるんだよ。

■↑知ってる。言いたいのは、アニメ路線を維持すべきだったってこと。

■宇宙戦争を「戦略に基づいた海戦」みたいに作ろうとしてるあたりに、良い意味でめまいがしたよ。

■スケールのでかいスペース・バトル。敵はまぶしい光でほとんど見えない。行動のほとんどはブリッジ内っていうの大好き。

■笑うわ。『宇宙空母ギャラクティカ』を観てたころ、いっつもこう思ってばっかりだったよ。「おいおい、『スターブレイザーズ』じゃねーかこれ」ってね。

■↑言えてる。ここの記事やコメント欄の『宇宙空母ギャラクティカ』ぽいっていうのを読むたびに、ずっと笑ってた。事実をまぁぁったく知らないんだな。ノー、これは『宇宙空母ギャラクティカ』っぽいんじゃない。『宇宙空母ギャラクティカ』が『スターブレイザーズ』っぽいんだよ。

『宇宙空母ギャラクティカ』をずっと観てればわかるよ。『スターブレイザーズ』のオリジナルのイスカンダル編、これは今から30年前に製作されたものだけど、『宇宙空母ギャラクティカ』って、スタイルといい見栄えといい雰囲気といい、あー、イスカンダル編、思い出すわーって感じ。

■↑完璧に同意。……僕にとって、『スターブレイザーズ』は当時のアニメの傑作。いまだに傑作であることに変わりはない!

■酷いところもあるけど、イケてるところもある。老いた船長が動画の最後でつぶやくところが良い。なにを言っているのか僕には意味はわからないけど、絶対、なにか深みのある言葉のはず。

■↑「もう我々にはやつらに勝てる船はない」。

■↑あ、ありがとう。日本語が話せたらなあ。

■「米国にこの映画が来る日まであと364日!」(訳注:『宇宙戦艦ヤマト』の「地球滅亡まであと○○日!」)

オレたちの……『スターブレイザーズ』!

■カメラのパンが多すぎ。それと、船長、動かなすぎだろ。こういうのって、日本映画の良いところじゃ絶対ないよな。

■↑船長、絶対動かないな(笑。船の操作を変える命令を出すときですら、同じ椅子。動かない。……椅子に尻を固定してあるんだろうね、あれは(笑。

■↑沖田艦長は、最初から放射線による病気で死期が迫りつつあったの。だから、全編を通して、衰弱してる。事実、物語の最後のほうでは、ずっとベッドだ。ベッドの中で、ヤマトが使命を完了するまで、がんばり抜くんだよ。

■↑おいおいーーーーー!!! アニメのネタばれしないでくれよ!オレは、「30年前に『ヤマト』を観てる」って口じゃないんだから。もう。意地悪だなあ。

■『宇宙空母ギャラクティカ』と『マクロス』、それに『バビロン5』(訳注:1993年から放映された米国のSFテレビドラマ)のタッチをちょっと加えたクールなミックスだ。そのうちハリウッドがくだらないリメイクを作るんだろう。ある意味、楽しみだ(笑。

■↑せめてこの映画の字幕版はリリースしてほしいよな。中身は編集しないでそのままで。

■↑クールなミックス。オレはまったくそう思わない。これは、100%『ヤマト』だ。確かに、現代的なSFXは、『宇宙空母ギャラクティカ』を作ったZoicスタジオにインスパイアされてはいる。『宇宙空母ギャラクティカ』のカメラワークやSFXの美学があるってことね。でも、それだけの話だよ。

■艦長が海軍の司令長官みたいな格好してんのが、雰囲気台無し。

■↑ノー。彼がいるから場面が生きてるんだ。

■↑その通り!ほとんど『ヤマト』を観てないね、やつは。

■この映画と『アデル ファラオと復活の秘薬』の2本が観たいと思ってる映画なんだ。米国公開されるかどうかわかんないけど。

■米国映画だったら、本物の戦艦大和が沈むところから映画が始まるところ。クールだと思う。

■↑米国のスタジオが『スターブレイザーズ』の権利を買ったらどうなるかって前に考えたことがある。やつらは船をアメリカっぽいのに変えて、空母ニミッツみたいにしちゃうと思うよ……

■↑あと、オリジナルのアニメの場面も挿入してくるよな。

■↑オリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』では、実際に、戦艦大和が果敢に最後まで戦ったあと、沈むシーンがあるよ。でも、『スターブレイザーズ』ではカットされちゃったんだ。子供と親たちにすれば、あまりにも第二次世界大戦を思い出させるって考えた人がいたんだな。

■あんまり興奮しすぎないように。日本映画は99%クソだ。年に2本ぐらい良い映画がある。中国映画も同じ。

理由はわからんが、8年ぐらい前から急速に質が落ちた。
『鉄人28号』の実写がスーパークソ映画だったからな。十中八九、この映画もそうだ。

この映画より、オレは『Gantz』の実写版に期待してる。

■↑それ、米国映画にも同じことが言えると思うが。

■↑そりゃそうだが。オレは、90年代〜2000年代初めの日本映画が恋しいんだよ。

■Daily Yomiuri(日本の新聞の英語版)からだけど。

「『ヤマト』の最大のダメなところは役者だ。演出とも言えるが。…さらに悪いことには、役者の動きと演技の幅が限定されていること。要は、究極の2通りしかない。叫ぶか、メロドラマっぽく話すかのどっちか。」

でも、オレ、もう観る気まんまん、大好きになる気まんまんなんだよ。たとえ、これがどれほど陳腐な映画でも!オレの子供時代の思い出を蘇らせるんだ。

■『スターブレイザー』のファンではないけど、この映画、初めてトレイラーを見たときから楽しみにしてる。

もちろん、好きなのはほとんどビジュアル面。ただ、戦闘服がちょっといただけない。『宇宙空母ギャラクティカ』の戦艦、サイロン・ベーススターのクルーの戦闘服にほぼそっくり。

■↑あの戦闘服はオリジナルのアニメに忠実に作ってある。でもって、アニメが日本で放映されたのは、初作の『宇宙空母ギャラクティカ』の1年前なんだよ。

■↑小道具を使いまわしてるからじゃないかなあ。不運なことに、日本は、映画作りってことでは、資金がないんだ。ドイツやイギリスと同様に、日本の映画産業も少なくとも資金を一部、政府に援助してもらってる。使える金が2億ドルありますよ、なんて世界じゃないの。

噂だと、製作予算のほとんどをCGに使ったらしいよ(CGだけで500億円(訳注:5億円の間違いかと思います))。だから、セットやコスチュームに使うお金がほとんどなかったって。
役者の何人かは出演料のカットを受け入れたり、『宇宙空母ギャラクティカ』とか最近の日本のSF映画の小道具をリサイクルして節約したって噂もあった。

ま、少なくとも、エンジン・ルームを撮るのにビールの醸造所を使ったり、船内のはずなのに、後ろにレンガの壁があるビルで撮影しちゃったりとかよりはマシよ。『スタートレック』とか『宇宙空母ギャラクティカ』であったろ、そういうの(笑。

■新たに演奏された主題歌の音楽がBGMでかすかに聞こえるのが最高だよ。あの曲のメロディなら、いつだって名曲になっちゃう(それと、『スターブレイザーズ』ファンのみんな、『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト(Symphonic Suite Yamato)』ってアルバムを探すんだ。すべての『スターブレイザーズ』ファンがもってなくちゃいけないアルバムだから。)

■日本の製作ってことからすれば、かなりちゃんとしてるし、お金かかってるよ。アニメ版は見てないし、ストーリーもそんなに興味はないけど、一言で言うと、スペース・バトル、それにキムタクね!見るわ!!!

■日本の宇宙船艦の艦長ってのは、いっつもすっごくストイックかつヒゲだよな。

■↑それなりに真実味がある指摘だな。
第二次世界大戦時、艦長やその側近たちというのは、自分たちの艦がそこらじゅうで爆撃されているときも寡黙を通した。

逃げることなんて考えることすら、恥辱であり不名誉なことであり、切腹ものだったんだよ。

■凄そうだわ。70年代はこれを見て育ったからな。ファンサブが待ちきれない。……たぶんもう出てるはず。探さなきゃ。

■『ヤマト』と『マクロス』の戦闘描写はすっごいリアルだし、全盛期の時代にはこれが最先端だった。

ときどき僕の『ヤマト』のDVDコレクションを引っ張り出してきて、土星決戦のシーンだけ見るんだ。ガトランティス側が、ヤマト側よりぜんぜん距離が長いメダルーザで攻撃してくるのに、全波動砲を一度に発射させるシーンでもうブルっとくるんだよ。

■見なきゃ。見たいんじゃない。見なきゃ。

■↑100%同意。

■すっごくクール。こういう、『ガンダム』とか『銀河英雄伝説』みたいな作品の実写版がもっと製作されないかなあ。この映画、観たいよ。完璧にクールだもの。言葉はわかんないけど。

一番面白かったのは、クルーたちがスイッチを操作、なにか叫ぶ、で、音楽が緊張感を盛り上げて(笑、カメラがエンジンルームとブリッジの間で交互に切り替わる。(絵に描いたような)エキサイティングな場面!(笑

米国公開されるといいよね。

■吹き飛ばされた人が、穴から宇宙に吸いだされていくところ、最高だった。しかも、3Dじゃないってあたり。

■↑米国版だったら、絶対3Dで作っちゃってたよな…。

■この映画が、ものすごく見たい。心が痛いぐらいに。



知り合いが見ているのですが、「ヤマトの発進シーン、波動砲発射シーンだけでも見ましょう!」とのことで、来週、友達と見に行こうかなあと思っております。



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posted by gyanko at 21:49 | Comment(126) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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