2011年05月16日

海外の反応 - これが日本の未来の列車!エアロトレイン -

本日の記事はこちらから。


エアロトレイン

エアロトレインは、翼によって浮上走行する鉄道車両。

地面から浮上して走行することで摩擦を大きく減らし、高速化を実現したものとしては、リニアモーターカーがあげられるが、リニアモーターカーは浮上・推進に大電力を消費するため、環境に対する負荷が大きい。
そこで、高効率で浮力を起こせる翼を使った浮上走行の実現を目指したのが、エアロトレイン(Wikipedia)。


…物凄く未来を感じさせるデザインです。最初、飛行機かと思いました…。


Robot Vehicle Levitates On Air Cushion




地面効果ロボットが、未来の高速列車の鍵になるかもしれない。

(訳注:地面効果についてはこちらから。)

aerotrain2.jpeg

高速列車はアジアでは、とても影響力が大きいものだ。だが、大事故で脱線でもしない限り、おおかたは地面から離れず、きちんとレールの上を走るように設計されている。

しかし、レールの上を走らないで済むとなると、その利点は多い。1つには、まったく摩擦がないので、格段にスピードが上がること。これは、リニアモーターカーを支えている原理でもある。

ただ、リニアモーターカー場合、それでもなお、車両底部とガイドウェイの間に空気抵抗が残り、効率が低下してしまっている(これを含めて、他の問題もあり、リニアモーターカーは非常に経費がかかる)。

ところが、地面効果翼機の場合、高速で移動する空気をたくみに利用し、太くて短い翼を使って地上すれすれを飛ぶ。磁力のないリニアモーターカーのようなものなのだ。

これは、実現には巧妙な技術がいる。というのは、列車というより飛行機のように操縦しなければならないからだ。つまり、スロットルだけでなく、ピッチ(上昇・下降)、ロール(傾き)、進路変更といった操作が必要になる。

東北大学の菅原雄介が率いる日本の研究グループが、自由飛行する地面効果翼機のロボット原型を作り上げた。下の写真は、彼らがこの原型を使って、自律した3軸安定化システムのテストを行っているところだ。

aerotrain.jpeg

この研究者たちは、このロボットから、地面効果翼機がどう動くのかという動的なモデルがわかるだろうと期待している。人間が乗り込める列車のプロトタイプ(記事の最初の写真)に、その動的モデルを適用しようというのだ。
この人間が乗り込めるプロトタイプは、時速200キロで走行することができる。暴走を避けるためのU字型のコンクリートのコース内で記録だ。

これと同じテクノロジーを使って、将来、エアロトレイン(下がコンセプト図)という通勤用の大量輸送鉄道システムにしていこうという計画がある。これが未来の通勤列車なら、いずれ私たちは文字通り、飛ぶように仕事に出かけるということになるわけだ。

aerotrain3.jpeg

菅原と同僚研究者たちは、上海で開催されているICRA(訳注:米国電気電子学会(IEEE)が主催するロボット分野の国際会議)に出席しており、今日、「Levitation Control of Experimental Wing-in-Ground Effect Vehicle along Z Axis and about Roll and Pitch Axes」と題する論文発表を行っている。●



コメントはこの記事についたものとYOUTUBE、そしてこちらからお送りいたします。


■いいプロジェクトだ。このアイディアは好きだわ……。

■こんな小さな乗り物で超高速で走るってのが、かなり不安なんだが。

■列車の利点の1つに(ここ200年ぐらいの話ね)、線路が安くて、比較的、敷設が簡単ってのがあるんだよ。駆動システムが複雑になればなるほど、列車も線路システムも経費がガンガン高くなってくもんだからね。

フランスの鉄道がもう、「昔ながら」の列車だけど、時速500キロで走れる列車をテスト走行したよね。これ以上、速い列車なんてどうして必要なの?まあ、長距離を行くならそのほうがいいかもしれないけど、その場合もっといいのがあるでしょ。飛行機。

■↑GEV(地面効果翼機)は、飛行機のスピードで旅ができる。しかも、もっと大量に運べるんだ。摩擦が少なく、燃費も良い。
実際、地面すれすれで走るから、(飛行機とちがって)電力供給ができるしね。地中に埋めた誘導ループから再充電なんてことも可能。

■これ、絶対にチューブの中を走らせるべきだよ。ゴミやガレキをよけて走るにはそれしかない。

■↑FODは確実に問題になるよね(訳注:FOD=航空用語。エンジンが石や金属片などを吸い込んでダメージを受けること)。列車の前方で起きる乱気流で、太い木の枝だって簡単に折れる可能性がある。列車後方となると、……神のみぞ知る、だ。

事故は、さほど問題にならないと思う。コンクリートのトラックに沿って滑ってくだけなんだから。

サポート用の車輪を付けない方向で必死にがんばったんだろうけどさ。万が一、尖ったものと接触したときに、大災害になる前に列車をとめるには、小さい車輪だってあれば止められるんだよ?
忘れちゃいけないのは、列車ってのは嵐の中でだって走るんだってこと。

■パッと見た印象で、致命的な事故になりそうって思った。コンクリート、高速、飛ぶ物体。悪夢って感じがしたんだ。

でも、そういう感情的なバカな考えが吹き飛んだら、これはかなり理にかなったアイディアだって思った。
確かに、まだ解決しなきゃいけない安全面の問題は残ってるし、この奇妙な乗り物の最初の乗客になりたいとは、僕は思わないけどさ。

■リニアモーターカーが、今度は飛ぶのか。

■飛行機より燃費いいんだろ?…まあ、天候に左右されないほどの上空は飛べないにしろ。

■↑飛行機より速度は遅いだろうけど、上昇するのに使う燃料はいらないからねえ。

■どうしてこのアイディアを自動車に使わないんだよ!

■自動運転も日に日に改良されてきてるし、個人が移動するってときには、こういうテクノロジーのほうがふさわしい時代になってくのかもね。

それぞれこういう乗り物に乗って、普通の道を特別にガイドもなく走れる時代。調整はコンピューターにお任せ。…いや、もう道路なんて要らないんだろう。ガレキや石だらけの道でも大丈夫。

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評価の高いコメント

■スカイネット(訳注:『ターミネーター』に登場する人工知能。人間の完全滅殺を目的とする)が、ついに空中浮遊までできるようになったか。グレート。……ただもうグレート。(+87)

■こりゃ、タトゥイーンでめっちゃめちゃ売れるって!(訳注:『スターウォーズ』に登場する惑星。ルークやアナキンの故郷。ほぼ全域が砂漠。)(+85)


■↑うん、もうタトゥイーンじゃ、ホットケーキ並みに売れとるよ!

■↑あとは、砂漠を横断するときとか交易するときタスケン・レイダーから身を守るために、シールドを装備しないとな。(訳注:タスケン・レイダーは、『スターウォーズ』に登場するタトゥイーンの盗賊)。

■これって、エクラノプランじゃなくて?
(訳注:冷戦時代、ソ連が開発した地面効果翼機。カスピ海沿岸に配備され、発見した米国諜報機関によって「カスピ海の怪物」と呼ばれた↓)。

Caspian Sea Monster Ekranoplan Flight Video


■うん。エクラノプランの地上版に見えるな。

■↑オレには、(ソ連じゃなくて)日本製に見えるがね(笑。

■↑ノー。これは、飛ぶ「列車」なんだよ。

■ねえ、これで国中を繋いだら、どれだけ安上がりで速いと思う?金のかかるレールを敷く必要はないんだ。コンクリートの囲いを作くって、前に進むことだけ気にかければいい。メンテも、言うに及ばず!

地面効果ってのは、すげえもんだな。

■これが実現されんのか!マジか。

■どこの車輪が安い?……なんて話じゃないな。オーイェー、車輪がねえ(笑。

■この技術の応用は限りないよ。人類はこのテクノロジーをよりよく使わないとだめだ。これはとてもとても効率的な移動手段だ。

■人類にとっては小さなステップだが、スカイネットにとっては偉大なる跳躍。

■いつか自動車もこんなふうになるのかな?

■200人以上の人間を運べるとは思えない。なんとか浮かんでるって感じ。

■↑史上初の飛行機だって、地面からかろうじて浮かんでるって程度だった。キミはその当時でも、きっと同じことを言ってた人なんだろうね。「200人の人を運べるとは思えない。なんとか飛んでるって感じ」って。

■高く飛べない飛行機って感じ?(+9)

■水上を走らないホバークラフトだね。

■この新しいテクノロジーがそんなに時間がかからずに世界中に広がって、普通のことになればいいなあ。

■このテクノロジーは70年代から、人を運べるものとしてあることはある。エクラノプランっていう。
元となってる原理は、地面効果。まだ完全には理解されてない原理だけど、基本的には、「飛び立ってはいないけれど、地上に接触してない状態」のほうが物体は早く動くってことね。

欠点は、これを走らせるには、長い平坦な面、たとえば氷上とか塩田みたいな場所が要るってこと。
どっちにしろ、「浮遊」してるわけじゃないよ。(+7)

■ロシアが昔、地面効果を使ったすげえのを作ったことあるからな。日本人には、モダンなやつを期待したいところ。

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■オレたちは高速列車もまだなのに、アジアじゃ、飛ぶ列車になっちまうぞ。がんばれ!U-S-A! U-S-A!

■新型浮上列車に乗り込む。ふと、通路を横切っていくデブの一家を見かける。ソッコーで背中を向け、列車を降りるオレ。

■こりゃすげえ。オレたち(アメリカ人ね)は、鉄道システムではかなり遅れをとってる。たぶん、米国のガソリンの値段が日本やヨーロッパ並みの6〜ドルだったら、もっと公共輸送手段を使うやつも多いんだろうけどなあ。

■↑人が船で旅をしていた時代は、人口は港を中心に増えた。汽車が出てきて、街は線路沿いに広がっていった。フォードが自動車を大衆化して、人口は道路沿いに広がりだした。

今、ほとんどの人々は車で仕事に出かける。安いガソリンと郊外の安い不動産が、現在僕たちが住んでるアメリカを作った。1ガロン(訳注:約4リットル)10ドルっていうガソリンの値段はそうそう変わりそうにもない。底辺所得者層にとったら、この値段が上がったら大打撃だからね。

それに、僕が住んでるところもそうだけど、米国のほとんどの地域が公共輸送システムが通ってない。
公共輸送手段への潮流ってのは理解できる。でも、あと数世代はかかるよ。たとえ、ガソリンが急騰しなくたってね。

■これね、乗ったことある。一度大急ぎでアメリカを横断しなきゃならない用があってさ。乗ったよ。飛行機って呼んでたな、みんな。とっても安全なんだ。理不尽なほど料金が高いってこともないしね。

もうちゃんと確立された輸送手段があるってのに、なんだってそれと、何年にも渡って財政難のアレ(訳注:米国の鉄道会社、アムトラックのこと)をくっつけなきゃならんのよ?

■↑あのね、まず最初に。今、上海の会議に出席してる研究者ってのは日本人なのね。日本は40年以上、弾丸列車を利用してきてる国。中国も、次の10年で今の鉄道システムを2倍にしようとしてる。
この研究は、たとえ今の計画通りに発展しないとしても、効率の改善をリードしてくかもしれないものなんだよ。

次に。米国ですら、飛行機は、9.11の余波がいまだに残っていて財政的に問題を抱えてるの。燃料費も上がってるしね。それから、通信技術が上がって、飛行機を利用しなくて済むようになったってこともある。

そのうえ、僕が住んでるカリフォルニアでさえ、道路は崩れ落ちてるし、交通は日に日に悪くなる一方。こないだサンフランシスコからサンディエゴまで車で行ったときなんか、11時間もかかった。

まあ、鉄道が米国にとって絶対の答えだとまでは言わない。でも、将来、僕たちにはもっと大きな駅やもっと広い高速道路が必要になるとは言っておくよ。

■写真見てると、『サンダーバード』かなんかみたいだわ。火星ロケットとかファイヤーフラッシュ号って感じ。

■クールなアイディアだけど、ありえそうにない。だって、今の列車より、もっともっと幅の広い線路が必要だろうから。

■大量輸送の世界最高のクールな方法を作り出すことにかけては、日本人に任せておけ。

■未来の大量輸送ってのは、オレたちが考えてるよりぜんぜんクールだよな。

■オレは日本からつまらんものが出てくるとは思ってない!

■飛行機であり、列車であり、そして浮上するもの。大量輸送の未来が突然、えっらいカッコいいもんに見えてきたわ。

■カッコいいよな。あとはロスのどこに場所を作って、これを置くかだけだ。



列車に翼が生えてるというイメージがもう、未来的かつロマンティックですなあ…。



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2011年05月09日

海外ゲーマーの反応 - 日本の震災チャリティ・格闘ゲームイベント、TOPANGA CUP -

本日はこちらから。

TOPANGA CUP
日本の格闘ゲーマーのかたがたが中心となって静岡で開催された『スーパー・ストリートファイターIV AE』の対戦チャリティ・イベント(集まった収益は全額、日本赤十字に寄付)。

対戦形式は、チーム戦(5人1組)。国内の有名格闘ゲーマーをはじめとして、24チーム120人が参加。

決勝は、

主催者チームのTOPANGA vs. 地獄のミサワJAPANチーム

というカードとなりましたが、地獄のミサワJAPANチームの3人目の時点ですでに、TOPANGAチームがラストの5人目を迎えてしまうという波乱の展開となったようです。

TOPANGAチーム:ときど、マゴ、ニャン師、ボンちゃん、ウメハラ
地獄のミサワJAPANチーム:ヨシヲ、怒り親父、志郎、はなまるき、瞬獄ノイローゼ

(敬称略。エントリー名は公式サイトから。)


TOPANGAチャリティ・カップ決勝:大吾のユンだ。

Ov3rheadGregが、昨夜(訳注:4月23日)のTOPANGAチャリティ・カップの決勝戦の映像を何本か動画に撮った。この記事で紹介する動画では、梅原大吾のユンが、志郎のまこと、はなまるきのサガット、瞬獄ノイローゼのベガ(欧米では、M.バイソン)を迎え撃っている。

Ov3rheadGregで、TOPANGAチャリティ・カップのその他の動画も見ることができる。●

Daigo Umehara (Yun) at TOPANGA Cup (Tournament finals)



コメントはこの記事についたものとYOUTUBE、そしてこちらから。

技術論やキャラクターの強さランキングに関わる議論はおおよそ割愛させていただきました。


■オレがこの試合をまとめよう。

大吾、ノックダウンをとる。ベガ、リバーサル。大吾、ノックダウンをとる。ベガ、リバーサル。ベガ、前にダッシュしてちょこちょこっとダブルニープレス、何度もキック。大吾、ノックダウンをとる。ベガ、リバーサル、ノックダウンをとる。大吾、ブロック、またノックダウンをとる。ベガ、今度はリバーサルしないで、土壇場でガードの仕方がわからないことを思い出す。そして、ピヨピヨ星が出る。終了。

■↑オレが見たベガのリバーサルは1回だったけどなあ。1ラウンド目の最後のほう。残ったちょっとの体力を削ろうとしたとき。……ダブルニープレスはベガ最高の動きだよな。ダメージって意味でも、プレッシャーをかけるって意味でも。

とにかく、ものすごい接戦だったな。

■↑同意。彼のコメントを読んで、相当、しょっぱいベガなのかなって思ったけど、めっちゃいいプレイヤーじゃん。足技で試合を運んでた。(慌ててミスさせようと)ラッシュで攻勢をかけられても引っかからなかったし。マジで熱かったわ。

■決勝戦はかなりの綱渡りだったなあ。誰って言われたら、一番感動したプレイヤーは志郎。めちゃめちゃカッコいいまことだったわ。

大吾は絶好調だな。全体的にグレートな試合。それにしても、ユンとヤンは面倒なキャラクターだねえ。ざんぎたん(訳注:千葉神奈川連合軍チーム)と板橋ザンギエフ(訳注:高モチベチーム)には拍手を送る。相手を何人か徹頭徹尾、ぶちのめしたもん。

■EX必殺技の突進するパンチって、アーマーブレイク属性なんだな。ガードしても、ダメージはあるんだ。こりゃ、オンラインでEX必殺技パンチを使って狩るやつがいっぱい出るぞ。予言しとく。

■EX必殺技パンチ、大吾ですら乱用するんだなあ。

■大吾は、マジで冷静で忍耐強い。

■大吾って、心ってやつをもってるのか?

■すげえ対戦が何本かあったなあ!特に好きだったのは、ベガの7:05のテレポート。

■↑わかる!その後でもう1回テレポートしようとしたときは、大吾にやられちゃったけどね。最初のテレポートのときは、大吾が空振るってわかってたのかも。じゃなかったら、2度目のテレポートのときはもう、大吾のほうがタイミングを調整できてたか。

■やっぱり大吾って怖いやつだよ。こりゃ大吾が負けるって思ったけど、結局、ちがった。

■↑最近、大吾は米国に来てないからな。みんな大吾がもう頂点にはいないって思っちゃってるのが笑える。

やつは日本のアーケード・ランキングのNo.1だ。これ以上にガチなことがあるか?…

■↑大吾はおそらく、世界で唯一の「アルティメット・マスター」だぞ。
(訳注:筐体に差し込むプレイヤーのカードを介して、対戦の結果(バトルポイント)を集計し、40000 以上かつ上位100位までに入るとグランドマスター、BP 45000以上かつ上位1位をアルティメット・マスターとするクラス分け)

■正直言って、大吾がうまいこと勝てるのか疑問に思ってた。だって、マジでなんのウォーミングアップもしてなかったでしょ。決勝戦まで、全然出番がなかったんだから(対戦順が5番目。決勝戦までは、順番が巡ってくる前に片が付いていた)。でも、勝ったね。最後のほうはもうハラハラだったけど。

■土壇場の勝利だったな……。

■ヤンにますます惹かれてきた!(訳注:ユンとヤンは双子で、動きも似ているようです)でも、チキショー……大吾はユンじゃ、めっちゃ強え。今年のEVO(訳注:米国で開催される大規模格闘ゲームイベント)は、大吾が暴れそうだな、これは。

■大吾のチーム、結局、大吾に一度もプレイさせないで決勝戦を迎えたか。

最後に残った4チーム、キャラクターのバラエティが豊かだった。ベガのプレイヤーは大吾に勝つチャンスはあったのになあ。他のユンやヤンには難なく勝ってるしさ。

■そして、今年も大吾がEVOにやってくるわけだ。……すげえトーナメントになるだろうな。間違いない。

■実況が、すげえ。

■心から本当に、日本語がわかるようになりたい。実況の人がなにを言ってるのかひとっつもわからないのに、それでも聞いてて楽しかったぐらいだもの。

■あぁ……。オレが行くアーケードにユンが少なすぎる。この動画を見たら、絶対にユンかヤンを選ぶやつが大勢出てくる。
なのに、これまでのところ、オレが出会った、まあまあのユンは一人だけ。でも、こっちにミスさせようと攻勢をかけたはいいけど、過信してて、簡単にオレのカウンターを食らった。大吾が使ってるユンぐらい忍耐があれば、ハイレベルなプレイヤーと対戦しても、もっと怖いプレイヤーになれるのにな。

うまいユンともっと経験を積んで、このくすぶってるユンに対する小さな恐怖を振るい落としたい。EVOの前に。

■ねえ、大吾が『MARVEL VS. CAPCOM 3』やってる動画はまだ出てきてないの?このゲームって、3人キャラクターを選ばないとだめだから、大吾がどういうキャラクターでチームを組んでるのかマジで知りたいんだ。

■なあ、これだと、大吾はEVOじゃ厄介な存在になりそうだよなあ。基本的に、彼は一撃で日本のベスト・プレイヤーたちの何人かに圧勝だった。はっきり言って、米国に大吾を止められるやつがいるのかよ?………たぶん、リッキー?(訳注:去年のEVOの準優勝)

■↑お前はMago(訳注:日本人プレイヤー)を忘れてるよ。今年は、彼が出る。大吾がどれほど高みにいようと問題ない。Magoが勝ちに行く。

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■ハイタニに負けはしたけど、Sako、Kindevu、MRDを倒した、ランキングに入ってないザンギエフのプレイヤーがいたよね。これって、めちゃめちゃすごい話じゃない?

■おーまいがー。プレイのレベルが、死ぬほど高すぎ!!

■ジーザス。ベガのプレイヤーがあまりにもカッケー。誰か対戦を全部録画してる人いない?

■しっかし、決勝戦。ずいぶいんと早い段階でラスボスを登場させることになったもんだ。驚いたよ。

■ハイレベルで面白いプレイが何戦か見れたわ。もう次元がちがう。ハハハハ……。

■盾になって、大吾を最後まで登場させないなんて、なんちゅうか、一筋縄でいかんチームだねえ……。

■志郎のまこと、素晴らしい。

■ビースト(訳注:梅原大吾の海外でのニックネーム)が帰ってきた!!まことのプレイヤー、ナイス!

■ユンが強すぎるって、泣き言ばっかり言ってた人たちいたよな。あいつらが言うほど、ユンは凄くないってことがこのイベントでわかったんじゃない?大吾が、勝つためにあれだけ必死でプレイしなきゃならなかったぐらいなんだから。

■大吾が誰を使おうとたいした意味はない。彼はピンチに強いってこと!

■またもやビースト、大暴れか。

■残念だ。志郎、僅差だった。

■オレ的には、しろいたちとハイタニが、世界最高のまことプレイヤー。今夜の対戦だけで判断してるわけじゃない。Youtubeでチェックしてみろ。もう、まことが、これ壊れてんじゃないの?って思っちゃうぐらいにすげえ。

■↑あれ、しろいたちじゃないよ。志郎。『ストリートファイターIV』ではアベルのプレイヤーだった。

■最後まで、チームの力もボスも温存しちゃったな。相手チームは、その前の対戦からもうある程度、勢いがついてきてたのに。ときどとMagoが負けたのは、そのせいだろう。まだ本調子じゃなかったんだ。

他のチームが良くなかったってことじゃないよ。逆。むしろ、相手チームには、最強のベガ、それから、たった一人でマゴ、ボンちゃん、ニャン師を倒した大暴れのまことがいた。大吾相手にもあと2ヒットってとこだったし。相手チームはよくやったよ。
でも、大吾ね。アルティメット・マスター……。最後は、野獣(ビースト)が解き放たれて終わりって話だ。

(訳注:野獣が解き放たれる=The Beast is unleashed.これは海外では梅原さんのキャッチコピーと言ってもいいほどの有名な言葉のようで、この動画で使われたのが最初のようです。
こちらのカナダの格闘ゲームイベントのトレイラーでも、「2010年11月13日。カナダの歴史で初めて、…野獣が解き放たれる」という梅原さんの登場を宣伝するキャッチが冒頭からいきなり入っておりました。)

■↑なんでそう、Magoとときどが負けたことを言い訳したがるんだよ?ファンボーイってのは、やれやれだわ……。彼らは日本でプレイしてるってことを忘れてないか?日本じゃ、彼らと同等にプレイできる人たちがいるんだよ。

■アルティメット・マスター、大吾がおいしいところを全部もってったな。おめでとう。志郎のまことは、世界最高だろうとオレは思うよ。

■ありえねえだろうが!
大吾、Mago、それにときど?こんなチームに誰が勝てんだ!ふざけんな!

■『スーパー・ストリートファイターIV AE』。好き。だって、有名プレイヤーがほとんどメインを変えるでしょ。でも、もう志郎は、まことをすっごいスキルでプレイしてる。

アメリカは日本のことを「ずっと同じキャラクター使う」って言うけど、そういうわけじゃないと思うよ。日本人は、キャラクターを選んだら、それをマスターする。別のキャラクターに変えたら、それもマスターするんだ。

アメリカを煽ってるわけじゃない。アメリカのプレイヤーだって、良いんだよ。でも、一つ確実なのは、アメリカは、もともとのキャラクターの強さで誰が上なのかしか考えてないってこと。

■おいおい。大吾のチーム、スーパー・チームじゃねえか。

■信じられん。ほぼほとんどのトップ・プレイヤーたちがメインを変えてるんだな。志郎がまこと。ふ〜どがフェイロン。ニャン師がサガット。

■このトーナメント、出てるプレイヤーが凄すぎる。異常だろ。よかったよ、この人たちみんながEVOに来るわけじゃないってのが。

■Mago、ときど、Sakoは確実に今年、EVOにくるよ。

■まあ、ユンを使ったことで、大吾が強いキャラクターしか使わないプレイヤーだって文句を言うこともできる。
けど、大吾がどんな状況でも一番ダメージが高いコンボを出せるっていう事実は変わらん。(大吾がリュウを使ってたときの)相手からの攻撃を避けたついでに、起き上がりに昇龍拳なんて攻撃、お前らブロッキングできんの?

相手チームのまことのプレイヤーは凄かった。ベガのプレイヤーも。僅差だよ。ただ、大吾のユンのEXパンチのラッシュが良すぎたんだ。

■オレ、ストリームで見てたけど、ユンのプレイヤーはたくさんいたと思うよ。みんな負けちゃったけど。

■トップの3チームにユンが、大吾一人だけか。いい感じだ。

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■決勝の志郎はすごかったわ。誰を応援していいかわかんなくなったぐらい。でも、最後に大吾のプレイを見れてよかった。

■早くキミの対戦が見たいんだよ!大吾!

■ああ、もう大吾の(リュウを使っていたときの)FADCからウルトラっていう技がトーナメントで見れないんだなあ(涙。

■大吾、もう『ストリートファイター』をプレイするのはやめてくれ。他の人にも勝つチャンスをあげようや。

■実況がめちゃくちゃ大好き。すっごく試合を盛り上げてるよね。EVOの実況も、これを参考にしないと。それと、まことの試合、カッコよかったよ。一つ良い試合を挙げるとしたらこれだね。

■大吾………すげえ。この男のユンを尊敬する。オレが言いたいのはそれだけだ。

■イエス!やっと大吾の動画がきたよ。アップしてくれてありがとう。

■ユンはそれでなくても強いキャラなのに、………そのうえ、大吾が使うとか…。

■トーナメント自体も、試合もグレート。ストリームも一流。オレのiPhoneでさえ、信じられんクオリティだった。

■志郎。オレの大好きなアベルのプレイヤーが、オレの大好きなキャラクター、まことにキャラ変えだなんて。これは、オレ、恋に落ちたと思う。

■大吾、すげえ度胸。(+56)

■ウメ昇龍はもう見れない。今は、ウメ掌底か。

■日本でチャリティのためのこういうイベントがなかったら、大吾はプレイしてなかったかもしれない。こもってた彼を引きずり出してくれたってことでも、価値あるイベント。

■↑「こもってた」って。この男はアルティメット・マスターだぞ?!(訳注:=アルティメット・マスターになれるほどプレイしている)。

■大吾vs.マーン(訳注:米国の格闘ゲームプレイヤー)=ユンvs.ユン=ビーストvs.バカ。この対戦は、EVO2011に必要なものだよな。

■大吾、どうしてそうハンサムなんだよ。アイラビュー!キミはオレのアイドル!

■弱体化が必要なのは、リュウでもユンでもない。大吾だ!バカどもが!(+72)

■周りは大興奮なのに、大吾は冷静(笑。

■大吾はもう怪物じみてる。どうやってかわからんけど、最初のラウンドを負けた後はもうベガのゾーニング・テクニックを読んでたよな。明らかに人間じゃない。

■ユンが掌底でゲージを伸ばすところ(2:38)。ゲージの伸びがめちゃめちゃ速えええ。かといって、攻勢をしかけることもできないっていう。やったら、掌底がこっちに当たっちゃうからな(2:22)。

■5:15のところ。大吾、まっすぐ相手に向かって歩いてってる。なんていう怖いもの知らずだ。



どこのサイトでも、実況のかたが非常に褒められていました。「言葉はわからないけど、気持ちがあがる」という理由のようです。


毎度のことながら、格闘ゲーム独特の用語、略語、技名、試合運びの言い回し等は、適切な日本語の表現があるのだろうとは思うのですが、わたくしの知識と能力が足りておりません…。適宜、脳内で補完していただけますと幸いです。



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2011年05月08日

海外記事 - 日本人と鉄道 -

本日はこちらから。


今週の日本のフェティッシュはなんだ?鉄道だ。

「違いなんて、わかる人いるの?」
カーキ色のパンツに緑のウィンドブレーカーを着込んだその客は、当惑した様子でそう言った。
僕が彼に聞いたのは、日本と西欧の鉄道ファンの違いは何かということだった。
その男はミニチュアの駅と線路を何本か小脇に抱えると、それ以上はもう話に興味を見せず、店のレジへと進んでいった。

日本と西欧で鉄道の見方に違いはあるのかなんて、誰かわかっている人がいるんだろうか?
こんな話をしよう。

鉄道ファンとは、電車愛好者のことだ。日本では、『鉄道ファン』(英名:Japan Railfan Magazine)という月刊誌が出ている。創刊1961年だ。

鉄道愛好者たちは「鉄道ファン」もしくはシンプルに「てっちゃん」と呼ばれる。「鉄道」とは文字通り「railroad」のことだ。男女別でニックネームもちがう。男性が「てっちゃん」なら、女性は「てつこ」。

最初の日本の鉄道ファンたちは、別に本物の機関車に夢中だった人たちではない。模型電車のファンたちだった。が、数十年後、この国全体が電車に熱狂することとなる。

日本では1846年という早い時期に、すでに鉄道についての記録がある。オランダ人貿易商が日本の幕府将軍に、パナマに鉄道を横断させるという自分たちの計画について話をしている。
また、難破した日本人船員が、米国で鉄道で旅をした体験を話した記録も残っている。Samurai, Shoguns & the Age of Steam(サムライ、将軍、そして蒸気機関車の時代)によれば、「家の形をした物体の中から外を見れば、まるで空を飛んでいる鳥のような気分だ。景色をよく見ようと思っても、瞬く間に過ぎ去ってしまう」(訳注:ジョン万次郎)。

1853年8月には、ロシア人外交官、エフィム・プチャーチンが、ペリー提督とアメリカ艦隊より一ヶ月遅れて長崎に到着し、船上で小さな玩具の蒸気エンジン機関を使って実例説明を行った(これには線路もついていた!)。


(訳注:エフィム・プチャーチン:日露和親条約を締結した人物。幕府の全権としてプチャーチンと交渉に当たった外国奉行・川路聖謨は、アメリカ使節ペリーなどが武力を背景に恫喝的な態度を取っていたのとは対照的に、紳士的に日本の国情を尊重して交渉を進めようというプチャーチンの姿勢に大変好感を持った。)

その後、日本のエジソン、田中久重(のちの東芝の創業者)によって、日本初の蒸気機関が開発された。

↓田中久重が作った模型機関車。

704px-JapanSteamEngine1853.jpg

1868年になると、スコットランド人商人が英国のグレートウエスタン鉄道から「Iron Duke(鉄の公爵)」を輸入し、この機関車と8マイルの線路を使って日本向けに実演宣伝を行った。

鉄の公爵:グレートウエスタン鉄道が製作した有名な蒸気機関車、GWR 3031級の1つ。)

↓鉄の公爵。

800px-Iron_Duke_Modell_db.jpg

そして、1871年までには、日本は最初の鉄道を開通させている。これは、東京の新橋から横浜を繋ぐものだった。
が、当時、弱体だった日本政府にはこの鉄道を国有化する余裕はなく、やっと国有化されたのは日本が戦争に突入したあたりである。

日本の産業化が進むにつれ、いくつかの私鉄会社も登場し、1893年には日本はもはや汽車の輸入はしなくなっていた。この国は自身で汽車を作れるようになっていたのである。

歴史的に見て、日本にとって汽車が意味するものは、西欧とは異なる。西欧人にとって、汽車、つまり蒸気機関車とはエンジニアリングの功績だ。蒸気機関は、未知の領域だった。
当たり前の話だが、馬なしで走る乗り物などと言うアイディアは当時、ほとんど妄想でしかなかったのである。

開発された汽車は、自由を象徴するものになった。米国では、大陸横断鉄道は広漠とした国土が繋がり始めたことを意味していた。

だが、日本は、鎖国政策のために近代化に遅れをとっていた。鎖国のせいで、外側の世界から大きく隔てられていたのだ。
日本にとって、汽車は近代世界だった。近代化は、(鎖国によって)何世紀にもわたって日本が拒み続けていたすべてだったはずなのだが、今度はそれに追いつこうと切望した。
汽車とは、日本にとって西欧だったのだ。

汽車の魅力を理解するのはたやすい。大きくて力強い機械、素晴らしい速度で距離を縮め、大量の乗客を運ぶことができる。エンジニアリングの美しい模範例でもある。

戦前、日本は、英国と米国の汽車をリバース・エンジニアリングして、国に線路を敷設していた。
(訳注:リバース・エンジニアリング:機械を分解したり、製品の動作を観察したりすることで、製品の構造を分析し、そこから製造方法や動作原理、設計図、ソースコードなどを調査すること。)

20世紀の自動車の登場によって、ヨーロッパでは鉄道の旅が損害を受け、米国となるとさらに酷いものだったが、日本はそうした衝撃を受けることはなかった。

というのは、まず、戦前、日本に輸入されていた自動車はごく少数でしかなかったことがある。
それから、フォードやクライスラーといった米国の自動車会社は横浜や大阪といった場所に自動車工場を置いていたし、トヨタのような日本の自動車会社も1930年代に出現はしていたとはいえ、戦後になってですら、自家用車をもつなど標準的なことではなかったからだ。
こんにちですら、大都市に住む多くの人々は自家用車をもたない。

日本の自動車産業の開花が遅れたことで、国の鉄道ネットワークが大きな障害もなく、本領を発揮できたのだ。

阪急のような鉄道会社は、沿線の中心ターミナル駅にデパートを建て、高級デパートと鉄道を関連づけた。これは今もなお存在している。

戦後になると、日本は、空襲で破壊された鉄道ネットワークを再建するだけでなく、新幹線、つまり「弾丸列車」と作るという目的まで達成してしまった。最初の弾丸列車が通じたのは、今も走っている大阪‐東京間だ。1964年、東京オリンピックの年のことで、この弾丸列車の開業運転は国家イベントであった。

この汽車、すなわち弾丸列車は、もはやただ西欧を意味するだけのものではなかった。日本が第二次世界大戦から国を再建したことを意味していた。
ここにおいて、汽車は、日本人の創意工夫と国民性を明示する一つのマニフェストになったのである。

こんにちでも、新しい列車のお目見え(あるいは古い列車の引退)は夕方のニュースになる。
鉄道ファンが大挙してプラットホームに集まり、写真やビデオを撮る。こうした特別な乗車用の切符がものの数分で完売になり、オンラインにプレミア価格で売り出されることなどしょっちゅうだ。

お気に入りの列車を撮りたいとなれば、ことさら特別なイベントではなくとも、鉄道ファンがプラットフォームに写真を撮りに行くこともよくある。
少数ではあるが、熱心なファンには、車掌の声を録音して練習したうえで、列車のアナウンスに合わせていっしょに口を動かしたり、はっきりと声に出してやる人もいる。

中古の鉄道制服は、高価格の半合法マーケットですらある。鉄道各社は、制服を売ることも買うことも許可はしていない。

ヨーロッパ、そして米国ですらそうだが、日本の鉄道ファンの世界は、子供の頃から存在する。日本では、小さな子供の要求を満足させるなら、玩具の列車という固定観念が全体としてある。

トミーの『プラレール』は1959年に発売されてい以来、小さな子供たちを喜ばせ続けている。
もっとリアルなトミー製の列車は、トミーテックの『トミックス』のブランド名で製造されている。これは大人向けだ。


↓トミックスのティーゼル機関車。
TOMIX Nゲージ 2222 国鉄 DE10-1000形ディーゼル機関車

ヨーロッパも、つまりドイツのことだが、玩具の列車というアートでは達人の域ではあるのだが、この場合、トミーの列車のほうが出来が良いということではなく、やはり子供だって日本人だ。子供たちにとっては、日本の鉄道路線の膨大なバラエティが揃う中から『プラレール』を買うことができるほうがいい。それはもう、JR山手線だろうと京阪線だろうと買えるのだから。

↓ドイツの老舗メーカー、メルクリンの鉄道模型。
marklin(メルクリン) Zゲージ 【88181】 鉄道模型

本物の何かの小さなバージョンで遊びたいという欲求は、世界共通だ。テキサスの子供でさえ、そう僕だってライオネル(訳注:米国の鉄道模型メーカー)とLGB(訳注:ドイツの鉄道模型メーカー)をもっていた。テキサスは自動車王国なのだが、だからこそ現実以上にエキゾチックに思えたものだった。
ここがおそらく鉄道模型の魅力だろう。西欧の列車モデルが日本でも人気があるのは不思議ではない。

そして、玩具が片付けられると、それに取って代わるのは大量のアーケードや家庭用ゲーム機だ。

電車のシュミレーション・ゲームで完璧な車掌の職業訓練ができそうに思えるが、日本では車掌になるのは簡単なことではない。
鉄道各社は、単なる鉄道マニアと、時間に厳格でしっかりとした人材を選り分けるために試験を実施している。この場合、「時間に遅れる」というのは、秒単位のことを言う。

ライターの三戸祐子によると、平均的な新幹線の遅れは20秒、その他のJRの列車だと55秒だという。「この一見すると執着しているかのような時間に対する厳格さを笑う国もあるかもしれません。こういう潔癖さは、日本人乗客の資質のせいだろうと」と水戸は書いている。
「でも、列車が時間通りに走る本当の理由は、乗客の要求に応えるためではなく、鉄道会社の適応戦略にそのほうが合っているからなのです」。水戸はそう続ける。

つまり、あらゆるものが時間通りに機能していたほうが、大量の列車や大量の乗客を扱いやすいのだ。

とはいえ、そのプレッシャーは計り知れないほどのものがある。
90秒でもスケジュールに遅れが出れば、破滅的な事故を引き起こしたり、致命的な決断に繋がってしまうかもしれない。
このことは、2005年に大阪近くで起こった事故(訳注:JR福知山線脱線事故)ではっきりした。日本では鉄道事故はめったになく、世界一安全だと考えられてきたはずだったのだが。

列車の遅れはあることはあるが、通常は自然災害や自殺が原因だ。列車に飛び込むというのは、地上で最も経費が高くつく自殺にちがいない。鉄道会社は遺族に対して損害賠償を請求することになるからだ。
事故の場所や時間次第で変わるとはいえ、莫大な請求書は、こうした自殺を防ぐことを目的としている。

西欧では、列車というと痴漢やり放題のイメージがある。
だが、それも、大勢の見も知らぬ人々が混んだ電車にスシ詰めになっていた過去の話かもしれない。
事件というのは残念ながらどうしても起こってしまう運命にあるが、近年、「女性専用車両」が登場し、最初は大阪、それから各地に広がっていった。
大阪の電車内での痴漢行為の発生率はおそらく、きわめて高いのだ。痴漢が犯罪だということを乗客に想起させるためのアナウンスやポスターまである。

女性専用車両に関しては当初、これに怒った男性たちもいた。彼らの言い分は、男性すべてを痴漢の予備軍だと決め付けているというものだった。
だが、そこに、とある有名な事件が起こった。ある男性が、身に覚えもないのに痴漢行為で罪に問われたのだ(刑務所にまで送られた)(訳注:『それでもボクはやってない』のモデルになった事件)。
この事件で多くが言い分を考え直し、不当に告発されないために、電車では女性の隣に立たないという行動を取ることになった。

一方で、産業全体が電車の痴漢行為をファンタジーとして支持することで成立している分野もある。
1960年代の鉄道ブームが去った後、1980年代中頃までには、痴漢をテーマとする映画が劇場やホームビデオにどんどん進出していった。

映画監督の滝田洋二郎は夥しい量の痴漢電車映画を撮っているし、その弟子、片岡修二も『地下鉄連続レイプ』シリーズを大量生産している。
西欧の観客にとって、滝田はアカデミー賞受賞作『おくりびと』で最も知られているだろう。

1990年代初頭までには、日本のピンク映画界に、電車レイプ映画が氾濫することとなったが、それはオリジナルである滝田の作品よりはるかに暗く、暴力的なものだった。ここへきて、(かつて隆盛を極めた)痴漢電車映画は、ポルノ映画の下位ジャンルに姿を変えてしまっていた。

「イメージヘルス」クラブ(舞台設定があるフェラチオ・パーラーだと思ってくれ)もまた、客が実際に乗れる電車車両を模したものを用意している。そこで働く人たちは、何も知らない通勤客を演じることで料金を支払ってもらうわけだ。

こうした性的なフェティシズムは、電車そのものに直接向けられたものでない。ここで提供されているものは、むしろチャンスだ。公共の場所で、そこにはチャンスがあり、そして身も知らぬ人との出会いがある。
ここでは電車は、そのチャンスを実現させてくれるものであり、それ自体はフェティッシュの対象でもないし、たとえばエレベーターガール(デパートでエレベーターを操作する従業員)に焦点を合わせた日本のニッチなポルノとなんら変わりはない。

本、そしてそれに続いて映画化、テレビシリーズ化された『電車男』は、この電車が提供してくれるチャンスをはるかに純粋に提示する例だ。
ひとりの自信のないオタクが、電車内で美女に嫌がらせをしていた酔っ払いに立ち向い、最終的に彼女がオタクと恋に落ちるという話だ。

単なる列車の画像を次から次へという、実際の「列車ポルノ」というものも確かに存在する。
国中を走るさまざまな電車をカタログ化した写真集やビデオもある。子供向けの列車の写真集も人気だ。こうしたものはどんな意味でも性的なものはなく、単に日本の素晴らしい列車の写真が終わりなく続くだけだ。

日本の鉄道は素晴らしい。外国から首脳陣が来日すると、日本が彼らに見せるのが鉄道。
結局のところ、列車は、日本と言えば思い出すものの一つだ。列車とは、日本が熟達できるもの。そして、歴史上最も暗かった時代の一つの中で、日本の魂を高揚させたものだ。

先月、3月11日に東日本大震災が日本を揺らした少し前、西日本の九州が、博多と鹿児島を結ぶ九州新幹線の開通を祝っていた。
だが、地震が起こり、開通の祝賀イベントは中止されてしまった。その開通運転を祝ってテレビCMが制作されていたが、これも放映はされなかった。
人々が、列車に向かって幸せな顔で手を振るCMより、公共広告機構のアナウンスを見たいだろうと思い込んでのことだ。

祝!九州 九州新幹線全線開CM180秒


だが、この思い込みは間違っていた。人々は見たかったのだ。3分間のCMは今、テレビに戻ってきている。Youtubeに投稿されたCMは口コミで広がり、現在、再生回数は150万を越えた。

このCM撮影には、1万人の人々が出ている。3時間に及ぶ映像を3分にまとめたものだ。
CMの最後に、アナウンスが流れる。「あの日、手を振ってくれてありがとう。笑ってくれてありがとう。一つになってくれてありがとう」。アナウンスはこうも続ける。「一つになった九州。新しい力が生まれています。一つになった九州から日本は楽しくなるはずです」。

このCMは、人々が一つになったのを見せた。日本は今だって成し遂げられることがあるのだと示した。それが、日本の人々の心の琴線に触れたのだ。

この国が、鉄道に恋をするのも不思議ではない話じゃないか。●



記事についたコメントです。
さほど数がないので、話が逸れすぎているもの以外は一通り。


■日本人は本当に列車が好きだよね。日本でしか出ない電車シミュレーターが安定した売れ筋なのはそれが理由。
↓これは最新のやつ。日本製新幹線ゲーム。……でも、ゲームの舞台は台湾。

Railfan Taiwan PS3 Game Trailer


■列車ってカッコいいじゃん!子供の頃から列車、大好き。

この記事に関連して、……この動画を↓。

Ginga Ensen - School Rumble Ending (English) with Lyrics


■↑あぅ…。この動画見ると、ちょっとうるっときちゃうんだ。オレの人生そのもののだぁって思っちゃってさ…(涙。

■↑これはまた、最高のチョイスだ。いろいろ思って、言いたくなる気持ちはとにかくとしてさ…。

■どうして、オレが『仮面ライダー電王』が好きかって理由。文字通り、セクシーなすげえ列車だから(車掌もいる)。

■オレというか、外国人の目から見て、日本の弾丸列車って確かに、日本の輸送エンジニアリングの一番象徴的なものの1つだよな。かたや、オレの古き良きイギリス。…過去から動けてない(笑。

■日本の列車の中では、いろんなことが起こるのさ。こんなふうな↓。

twointhetrain.jpg

■↑ガラガラの電車が、まるで瞑想するかのように走ってる。静かで一定したモノトーンの列車の声が、線路と車輪から響く。電車はリズムを刻んで揺れてる…。

■こっちはどう?↓宇宙の空虚さっていったら、瞑想するには十分だろ。

999.jpg

■↑本当にホットで品のあるレディだ。長い銀河鉄道の旅の間、彼女以外にともに旅する人がいなくたって全然OKだよ…。

■こないだ、東京の乗り換えシステムのことを思い出してたんだ。あれはマジで偉業と言っていいものだし、歓迎されてしかるべきものだよ。

毎日、同じ時間に同じ電車で同じ人たちと乗ってた。で、乗り継ぎ駅にくると、もうそこにオレが次に乗る電車が来てる。そりゃもう確実にだよ。しかも、その電車が発車しないうちに乗り込む時間も十分にある。

そのうえ、うまいこと運行しなかった場合。通勤客が仕事や学校に遅れてしまったときのために、遅刻の理由を説明する証明書まで出してくれるとくる。

なんちゅう完璧さだよ。

■↑同意だ。どっかで読んだんだけど、電車の発車や到着が予定より7秒遅れると、それはもう遅延扱いだって。日本の新幹線の統計だと思うけど、99%以上の確率で時間通りだと。すげえわ。

まさに偉業。

■『それでもボクはやってない』を先週見たばっかり。痴漢は深刻な問題だよ。

■↑グレートな映画だよな。ものすごく腹立たしい映画でもあった。慣例的な手続きと物の見方の違いのせいで、どんなふうに自分の両手に手錠が回って、事態がどんどん悪い方向へ行くのかってことがなんとなくわかったよ。

良い日本映画ってだけじゃなくて、犯罪の司法手続きに関するエクセレントな映画だった。『The Next Three Days』(訳注:『ラスト3デイズ~すべて彼女のために~』のハリウッド版リメイク。日本未公開)でも似たようなやるせなさを覚えたなあ。もっとも、こっちは格段に嘘っぽい映画的な作りなんだけどね。

■今週の日本の本当のフェティッシュは、『エルシャダイ』だったけどね↓(ただし、女子限定)。

elshaddaigirls.jpg

■ムッソリーニが生きてたら、今の日本を大好きだったろうなあ。時間通りに列車が走るなんてさ。

■↑イタリアの列車が時間通りなんてめーーーったにないけどな(笑。

■日本は、列車が大好きなんだなあ。新しい(九州)の新幹線のCM、すっごく心が温かくなったよ。

■僕も列車、大好きだ。新幹線が一番好き。ただ、飛行機はもっと好きかな。米国にも、大陸横断のリニアモーターカーがあればいんだけどなあ。

■列車って、素晴らしいから!TGV(訳注:フランス国鉄の超高速列車)大好きだし、ユーロスター(訳注:イギリスと大陸ヨーロッパとを結ぶ国際列車)で英仏海峡トンネルを抜けるのは、いつだってうっとり=3

■マジで列車に夢中な4歳の日本の男の子に会ったことあるよ。バイリンガルの子なんだ。子供扱いして、なだめるみたいな普通に大人な感じで話してたんだよ。そう、列車が好きなんだ?そりゃいいねえ。うんうん。みたいに。

そしたら、その子が僕に向かって、列車の知識を話しだしたんだ。サヴァン症候群の子の才気っていうんじゃないの。ちゃんと勉強してて、事実ありのまま。

もうこの話題を何百回もしてて、明らかに生半可な興味しかもってない人相手に技術用語を使うのにうんざりって感じだった。次の学期にはいないってわかってる生徒相手に、超簡単な芸術論を語ることに疲れ果てた教授みたいだったね。

自分がアホに思えたわ。

■ファンタスティックな記事だった。僕の街にどうしてもっと鉄道ファンがいないんだろう。ほとんどの人が電車で行き来してるってのに。

■ああ、マジで日本に引っ越したい。一度だけ行ったことがあるんだ。あのままあそこに住むべきだったよ。

■ああああ、日本。いつもキミのすべてを見たって思うのに、次にキミがくると、キミはキミ自身すら超えてくるって思うんだ↓。

■日本に行ったことはないんだ。でも、日本の、山手線はなにからなにまで愛してる↓。

yamanote.jpg

この電車、……とにかく凄いの。路線が円を描いてるんだよ!駅が円状に連なってて、各駅で乗客が待ってる。

もう『電車でGO!』で何回この山手線をプレイしたか数え切れない。時間厳守、停車位置厳守だからね、これが楽しい。良い点数をとれるまで、永遠にプレイできるっていうゲームなんだよね。



記事中に出てきたドイツ製鉄道模型ですが。
検索していたら、483,000円というお値段の模型もございました。凄い値段だなあと思いましたが、公式サイトのトップ画像を見て、ちょっと納得いたしました。



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タグ:鉄道
posted by gyanko at 23:21 | Comment(72) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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