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みんなの質問に、大吾が答える。(最終回!)
世界中の戦士たちがEVOワールド・ファイナルに備えて準備している今。去年のチャンピオン、梅原大吾(今年も3年連続の優勝を彼は狙っている!)に対するみんなの質問の最終回をあげるのにはちょうどいいときだ。最終回では、大吾のメンタルの強さ、ニックネーム、プレイで彼がインスパイアされるものは何か、そしてフィジカル・フィットネスについてまで答えてもらった!
前回を読み逃がしている人は、Part 1とPart 2から。
1) トーナメントの試合のとき、冷静さをいつもどうやって保ってるのですか?
大吾:経験によるところが大きいです。要は、日々の練習だとか、トーナメントの雰囲気に対する慣れですね。トーナメントにはもう何年も出てますから。
そういう経験のおかげで、感情的に反応せずに、論理的に考えられるよう訓練されました。状況を分析したり、試合内容とか個々のプレイヤーのスタイルに応じて、どういう行動をとるのがベストなのかもわかるようになりましたし。これはもう(考えなくてもできる)身についた癖みたいなものです。
2) 大吾さん!ずっと知りたかったことがいくつかあります。今、あなたのニックネームはビースト(野獣)ですけど、子供のころニックネームはありましたか?
大吾特になかったです。ウメって呼ばれてました。
3) あなたは、仮に格闘ゲーマーのベストじゃないにしても、少なくともベストの一人ですよね。ゲーム以外で、そんなに得意ではないけど、これは上達したいなってことはありますか?
大吾:そうですね、…僕は自分自身のことをよくわかってます。なにかが楽しいってなると、すぐ自分を見失って入れ込んでしまう。なので、ほかのものに執着しないようにしてます。そうやって、気が散らないように、面倒なことにならないようにしてます。
4) 大吾、僕は、人としても、『ストリートファイター』のプロ・プレイヤーとしても、あなたをものすごく尊敬しています。僕の質問は、たとえば、『ストリートファイター』とかでも、新作に順応するまでどのぐらいの時間がかかるのかってことです。
それから、格闘ゲームのどんなところが好きですか?たとえば、人と競い合うときの気持ちの盛り上がりだとか、コンボを発見することだとか、トリックやセットアップだとか。
大吾:うーん……。答えにくいけど、たぶん3ヶ月ぐらい?格闘ゲームの一番好きなところは、経験レベルは関係なく、誰でも簡単に覚えられて、対戦を楽しめるところ。
5) トーナメントで対戦した相手で、インスパイアされた人は誰ですか?
大吾:誰かプレイヤーの名前をあげられるといいんですけど、トーナメントの対戦相手となると、この人というのは思い浮かびません。ただ、自分の気持ちに確実に影響を与えたプレイヤーはたくさんいます。そういう人が多ければ多いほど、気持ちもあがりますし、そのあたりがEVOの素晴らしさの理由の1つでもありますね。
自分のゲーム・キャリアにインスピレーションを常に与えてくれる存在としては、父親です。僕がやりたいことはなんであっても応援してくれたし、父親のおかげで、全力を尽そう、最高の自分であろうっていう意欲が出ます。両親の寛容さと暖かいサポートにはすごく感謝してます。
6) たぶん、ちょっと場違いな質問だろうとは思うんですが、フィジカル・フィットネスをどう考えてますか?ハイ・レベルなトーナメントの対戦に向けてメンタルやフィジカルを備えるっていう意味で、フィジカル・フィットネスって有効だと感じてますか?
大吾:メンタルの強さは、格闘ゲームで大きな部分を占めます。メンタルが強いっていうのは実際、心が安定してるとか健康だってことでもあるし。ひよったり、がっつくと、ミスにつながりますよね。僕はそういうミスは、メンタルのバランスがとれてる限り、避けられるものだと考えてます。
で、メンタル的にバランスのとれた状態を保つには、健康な体が確かに必要。格闘ゲームをやるのに、ものすごい上腕二頭筋が要るとは思いませんが、メンタルの調和のために相当量のエクササイズをすること、日々ワークアウトを習慣にすることはお薦めします。●
コメントは、この記事についたものと、こちらから。
■毎年、この男が負けてくれないかなあって願ってしまうってのも、妙な話だよな。自分ではこういう感情は普通だと思っていたが、考えてみると変だわ、やっぱ。
■3年連続優勝だろ、おそらく。
■この男は本当に成熟してるよ。……みんないつだって、日本人や大吾をものすっごく尊敬してるとかって言うだろ。でも、こういうインタビューと、西欧のプレイヤーのゴミみたいなインタビューを比べると、品格の差は明らかだし、大吾がこれほどまでの尊敬を受ける理由もよくわかるってもんだ。…これはもう、大吾が格闘ゲームがうまいとかってこと以上の話なんだよ。
■両親が応援してくれてるってのがクールだ。親ってほとんどが、「こんなゲームやったら暴力的になっちゃうから」とか「外に出て、新鮮な空気を吸ってきなさい」だとか言うもんだろ(笑。
ハードコア・ゲーマーだって自活して、みんながやるような普通のことだってやってるんだって理解してほしいよな。
■たった3ヶ月?! そんな見栄張らなくたって!
■↑一日あたりの練習時間を考えろよ。しかも、毎日だぞ。
■↑オレは、1)の質問に対する答えのほうが信じられない。
■↑お前、ビーストを疑うってのか?!
■↑彼はもう長いことトーナメントにも出てるし、格闘ゲームもプレイしてるんだ。そんなに驚くことでもないだろ。3ヶ月ってのは、キャラ対策にしろ、コマンド入力にしろ、覚えるには適正な時間。
一度、格闘ゲームのおおよその戦略を覚えてしまえば、新作が出ても学習するのはそんなにむずかしくないよ。
しかも、ゲームで生計を立ててるんだ。これ以上、最高の環境はないだろうしね。
■サー(Sir)、いつか、……また対戦する日がくる。そのときまで、オレは自分に言い聞かせる。スキルを磨いて、ミスをなくす、なんとかして。……また対戦しましょう、ミスター梅原。
■母親:大人になったら、何になりたい?
息子:ゲームのトーナメントで優勝したい。大吾に勝つ。
母親:ピシャ!(平手打ち)。大吾に勝てるわけないでしょ!彼はビースト(野獣)なのよ。
でも、これは覚えておいてね。大吾には勝てないけど、あなたはあなたがなりたいものになれるのよ。
自分が大好きなことをやって生計を立ててるんだな。大吾はアメリカに来て、アメリカン・ドリームを少しばかり手にいれたように思うよ。
■両親のサポートがあるってのはいいよなあ。普通じゃ考えられん……。
■両親のサポートがあるってのは、確かに普通じゃない。特に、日本のスタンダードを考えたら。
ゲームを覚えるのに3ヶ月ってのは、それほど速いとは思わないけどね。一番大事な基本的なものを覚えるなら、そのぐらいで足りる。
基本を覚えた後に、もっと特別な知識や能力を身につけるんだし。もともと、格闘ゲームの経験が備わってたら、3ヶ月ぐらいのもんでしょ。
■フルタイムの仕事として、ゲームをやるってのはつらいよ。……大吾のためにも、彼が30歳を超えたあたりで、カプコンがテスターかなんかで雇ってくれないかなあ。じゃないと、大吾の若さと未来をゲームのために捨て去ることになるんだよ!!!
■↑オレはそういうふうには思わない。彼は今やってることが本当に好きなんだよ。好きなんだから、時間の無駄なんかじゃない。
なあ、自分の仕事に100%幸せを感じてる人間が世の中にどれぐらいいると思う?彼は明らかに、100%の幸せを感じてる人だ。
未来は誰にもわからない。でも、大吾は格闘ゲームのコミュニティでこれほどのビックネームになったんだ。プロゲーマーとして現役を終えても、なにがしかの仕事にはきっと就けるよ。
思ったよりさくさくと終わったので、小ネタをひとつ。
ビーストの心の内側:梅原大吾
今年のEVO(訳注:7月29〜31日)では、米国カプコンのセス・キリアンが、おそらくこの地球上で最も有名な『ストリートファイター』プレイヤー、梅原大吾にインタビューする。このパネルへの参加は、EVOに参加登録して、バッジをもらった人が優先される。なので、今日すぐ参加登録してくれ!
パネルの概要は以下。開催時間は、7月29日金曜午後2時から。
セス・キリアンが、EVO2009〜2010年の『ストリートファイター』チャンピオン、梅原大吾(Madcatz所属)と膝を交えて、突っ込んだ話し合いと、過去の対戦のハイライトを振り返る。戦略、人読み、そのときそのとき何を考えていたか、勝利への道の途中で犯したミスのことまで、セスと梅原が語り合う。
こればかりでなく、当日のラスベガスの会場では、MeatBunの新しい「ビースト」Tシャツも販売される。
この新しいTシャツのデザインには、伝説の白澤(ビーストだ!)があしらわれ、「98」という数字も入る。98とは、大吾がアレックス・バイエを相手に海外に初めてチャレンジした年のことだ。このときの闘いは最近、プロ・ゲーミングの歴史的瞬間トップ10の1つにも選ばれている。これは究極の限定版Tシャツになるだろう。価格は20ドル。●
■ワオ。ファンタスティックなデザインだ!マジでほしい。
■EVOに行けない場合は、どうやって注文すればいいの?参加者しか買えないの?
■このTシャツ好きだ。でも、これ着てたら、自分が完璧な大吾の追っかけみたいな気分になっちゃうだろうな。「最初っからなにもしないで負けてます!」って叫んでるに等しいというか…。
たぶん、大吾と実際に対戦したら、こんなふうに思わなくなるんだろうけど。
■↑100%同意だ(笑。
■これまでの自分の対戦について大吾がどう話すのか聞きたいよ。……頭の中で何を考えてたか知りたい。大吾のインタビューって、どれもこれも「どうしてあなたはそんなにすごいんですか?」みたいなのばっかりじゃん……。
■Tシャツ、カッコいい。買うつもり。でも、これ、Vネックにすべきだったと思うなあ。
■↑Vネックなんて、にやけたイケメン風味で嫌。
■↑Vネックの男だけは信用するなって父親につねづね言われてる。
■EVOの後に売ってくれるなら、発売日を教えてくれよ。
■ワオ。パネルにTシャツかよ!どんだけへつらう気だよ。こりゃもう「オレたちやられちゃってます」ってことを完璧に表現してるとしか。
■大吾Tシャツを買ったら、……そう、キミはもう立派なファンボーイ。
■オレたちはどうやれば、アメリカのプレイヤーに関係した商品を買おうって決断できるようになるのかって話じゃない?
■↑確かにな。悲しい話だなあ。
■このTシャツ好き。オタクっぽく見えないのに、実はめちゃめちゃオタクっていうあたり。
■(ファンであることを示すには)大吾にフェラチオするよりは、このTシャツを着たほうが手っ取り早いと思う。
■日本の野球のTシャツみたいだけど、……まあ、OK。
■格闘ゲーマー個人のTシャツかよ!(笑
インパクトのあるTシャツですなあ。
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