2011年09月04日

海外記事 - 日本人の萌え:巨大ロボット -

本日はこちらから。


なぜ、デカくてカッコいいロボットやメカが、日本を占拠しているのか?


iron28.jpg


耐えがたい暑さだった。子どもが数人、小走りで日陰を探していたが、向かった先は木陰ではなかった。

全長59フィートのロボットが人々に覆いかぶさるようにそびえたち、街を見下ろしている。鋼鉄製のこのロボットは、今月初めに新宿に現れた鉄人よりもはるかに大きい。
しかも、新宿の鉄人は空気でふくらんでいるのかもしれないが、こちらのほうは鋼鉄製だ。
が、とにかく、どちらもこれで、枚挙にいとまがない「日本にそびえたつ巨大ロボット」の仲間入りを果たしたことになる。

日本はロボットとメカに夢中だ。大きければ大きいほどいい。そしてもう1つ、日本が夢中になるものがあるとすれば、「実際に巨大ロボットを作ること」だろう。つまり、見るだけでなく、実際に動かせる巨大メカだ。

こうした巨大ロボットやメカは、「これが私たちが夢見てきたものなんだ」、「見てくれ、実現したぞ」、「私たちは出来るんだ」、そんなふうに高らかに声を上げるランドマークだ。

日本では、ファンやクリエイターたちにとって、「ロボット」と「メカ」という言葉がほぼ同義であるのは注目すべきことだろう。
英語では、あきらかに違いがある言葉だが。

現在、『Strike Suit Zero』を制作中のdoublesix(訳注:イギリスのゲーム制作会社)のゲーム・デザイナー、Ollie Barderはこう言う。
「西欧の感覚だと、少なくとも「ロボット」というと通常、人工知能をもったマシンです。一方で、「メカ」という用語は、もっと広義で、普通は「人間によって操縦される乗り物」の意味を含んでいます」。

(訳注:『Strike Suit Zero』=宇宙を舞台にしたメカアクション・ゲーム。メカデザインは、出雲重機、こと大久保淳二。)

だが、日本語では、「ロボット」が、「動くマシン」の意味でも「ヒューマノイド」の意味でも使われることがしばしばある。同じ理由で、メカのオモチャを気軽に「ロボット」と呼ぶのも珍しいことではない。

マンガの世界でロボットの人気が上がったのは、1950年代のことだった。これは、1952年の『鉄腕アトム』によるところが大きい。
しかし、『鉄腕アトム』は巨大ロボットではない。巨大ロボットが出現するのは、1956年の『鉄人28号』からだ。

『鉄人28号』のマンガは、その着想に米軍による神戸の爆撃があり、秘密兵器というイメージから生まれている。巨大なロボットのすべての動きを小さな少年が操縦する、フランケンシュタインの現代版だ。ある意味、『ビートル』のファンタジー・バージョンでもあった。


(訳注:『ビートル』=1960年代に米空軍特殊兵器センターのために、ジェレッド・インダストリーズが制作。放射能の中で人間に代わって作業することを目的に作られた、ロボット型の重機↓。)

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『鉄人28号』のデザインは、丸みを帯びている。70年代後半〜80年代にかけて人気が出た、折り紙で折ったようなものとはちがう。
だが、これが今なお、戦後を象徴するロボットでありつづけているのだ。現代の新世代の子どもたちまでもが憧れる。私の息子も、2年前に神戸に等身大の『鉄人28号』が出来たときに見に行ったほどだ。

iron282.jpg

(訳注:画像はRobotWatchさんから。このほか大きな画像がたくさん掲載されています。)

息子は祖父といっしょに、お弁当をもって電車で兵庫まで出かけ、あの150万ドル以上をかけて造られた59フィートの『鉄人28号』を見た。
工費は地元の店主たちが出し合ったが、これは利益のためではなかった。この等身大の『鉄人28号』は、むしろ想像力の記念碑なのだ。
巨大な等身大のこのロボットを見て以来、私の息子はあっさりとファンになってしまった。

お台場に、あの悪名高い等身大ガンダムが作られたのは2009年のことだが、こちらは目的は利益だった。後押ししていたのは、ガンダム関連企業。
ちなみに、これが初の等身大ガンダムというわけではない(これより数年前に、日本のテーマ・パークで仰向けになったガンダムが作られている(訳注:富士急ハイランド))。

お台場の等身大ガンダム↓
lifesizegundum.jpg

富士急ハイランドのガンダム↓。
fujiq.jpg

立像の『ガンダム』は、(訳注:お台場から)静岡にある『ガンダム』のプラモデルやフィギュアを作る工場へ運ばれたが、今月、パーツになって東京へ戻ってきた(おそらく3月11日の地震でダメージを受けたためと思われる)。
見学は500円(6.5USドル)。巨大なガンダムを間近で見たり、モビルスーツの手の中にすわったり、ポーズをとって写真を撮ることもできる。

gundumodaiba.jpg

(訳注:そのほかの画像はこちらから)。


等身大ガンダムは、夢の産物であり、同時に現実の産物だ。
『ガンダム』のフィギュアやプラモデルはそもそも、ファンたちが実際に手にし、自分でモビルスーツを作れるというところに目的がある。
要は、手に入れられるものなのだ。手の中に納まるのだから、本棚にだって収まる。
だが、プラモやフィギュアでは、本物の大きさを具体的に伝えてはくれない。

そこで等身大のメカを造ることで、『ガンダム』をベッドルームから出し、現実世界にもってきたというわけだ。
こうした等身大メカは実のところは「メカ」ではない。歩かないし、武器を振り回しもしないからだ。だが、モビルスーツの法外な大きさを生で表現し、確実に一歩、現実に近づかせてくれたものだ。

日本の巨大ロボット立像は、これが最初ではない。最初の立像はファンが作ったものだった。
なかでも注目すべきなのは、MSZ-006ゼータ・ガンダムから着想を得た、非公式の1/3スケール「巨大モビルスーツ」だろう。
これは、あるガンダム・マニアが1999年に制作した。穏やかな津山の町にあり、地元の観光名物として市のサイトにも載っている。
こうした巨大メカは、(訳注:津山だけでなく)日本中に存在する。(画像はこちらから。


津山の「道の駅久米の里」にある『ガンダム』↓。
巨大Zガンダム! 久米の里@岡山 -REAL Z GUNDAM-



机上論的だし、いささか浅い見方ではあるが、これには、宗教的なつながりもある。
日本には、度を外れて大きな仏像が各地にいくつかある。寺院の巨大な金剛力士像もそうだ。
彫刻や人形造りの芸術的伝統ではあるが、純粋に大きなものへ惹かれる気持ちでもあるだろう。大きな仏像というのは圧倒的だし、現代でもなお驚異だ。

daibutsu.jpg

宗教的な意味はないとはいえ、巨大なロボットやメカの立像も本質的には、その大きさということでは同じだ。巨大仏像と同様に、遠くからも広く信奉者を集める。
ガンダムのプラモで育った私の義理の兄弟もそうだ。彼は東京まで車で半日をかけ、巨大ガンダムを見に行き、すぐに戻ってきた。「見なきゃいけないものだから」と彼は私に言っていた。

これは単に『ガンダム』に敬意を表するということではない。アニメの世界にしか存在しないと思っていたもの、小さなフィギュアだったものがいきなり等身大の現実になったことを理解したせいなのだ。

大きなモンスター、大きなスーパー・ヒーロー、大きなロボット。こうしたものの存在が大きなものになったのは戦後だ。
『ゴジラ』は『キングコング』に影響を受けてはいるが、その大きさが暗に意味するのは核戦争の強大で破壊的なパワーだった。
が、『ゴジラ』が人々の心をとらえたとき、(訳注:その暗喩とは別に)その大きさそのものが大きな魅力になったのだ。

17世紀のからくり人形にはじまり、日本のロボットの歴史は長い。メカの「日本らしさ」はそのデザインにある。
ゲーム・デザイナー、Ollie Barderは「一つには、明治維新で侍が解体されたことがあります。そのときの文化の空白から、メカが生まれたとも言える部分があるんです」と言う。Barderは『MECHA DAMASHII』というブログもやっている。

「僕の考えでは、これは日本のメカがなぜこうなのかという理由でもあります。なぜ、人間がパイロットになるのか、なぜ鎧のようなのかという謎を解く鍵です。日本のメカは、一種の魂の復権を助ける手段なんです」。日本のメカがもつ巨大な剣は言うまでもありません、とBarderは語る。
「少なくとも僕にとって、日本のメカというのは、確実に武士道の強い要素があるんです」。

となれば、等身大立像は、武士道の要素を物理的に具現化したものでもあるということにもなる。同時に、「ここまでできるのだ」という記念碑でもあり、できるかもしれない可能性の記念碑でもある。

だからこそ、実際に動く60フィートのメカを作るとしたらどのぐらいの経費がかかるのか議論したり、計算しようとしたりするマニアがいつもいるのだろう(訳注:現実にガンダムを作った場合、材料費だけで800億円弱。こちらのサイトから)。
沖縄でガンダムにインスパイアされた立像を作った人がいるが、この人もまたいずれは動かしたいと熱望している。

今現在は、等身大の動くメカを造ることは、費用効率が良くない。たぶん、私たちがカッコいい宇宙服を着て、宙に浮かぶようになった未来の話だろう。
それでも、動くメカを作るだけでなく、それを売ろうという日本の企業を止めることはできない。

「ロボットのマンガやアニメを見て育ちました」と榊原機械でランドウォーカー・プロジェクトを率いる38歳の南雲正章は言う。

「どうして動くメカを作るのか、ですか。逆に、なんで作らないんです?」
ランドウォーカーは高さ12フィート、ガソリンで動くメカだ。ペダルで操縦でき、空気砲からはゴムボールを発射することもできる。購入も可能だ。価格3600万円(46万7000ドル)(税抜)。


ランドウォーカー↓
Japan has invented Land Walker


購入する場合、製作には約1年10ヶ月かかるが、すでに榊原機械はランドウォーカーを2台販売済みだ。
とはいいつつも、このゴムボールを発射し、音を立てて歩く本物のメカを買う50万ドルをもってないというあなたのために、榊原機械はレンタルの問い合わせにも応じてくれる。

こういう(ランドウォーカーのような)大きなロボットやメカには何かがある。心の奥深くの琴線に触れ、またたくまに感情を着火させる何かが。普通なら、「すげえ!」なんて声がとっさに上がるところだ。
そしてまた、なにが可能でなにが不可能かを見せてくれるものでもある。

日本はまだ、走って飛んで攻撃できる59フィートの本物のメカを開発するには至っていない。けれど、等身大の立像は、夢以上のものだ。人類の夢に向けて、心を鼓舞してくれるものなのだ。

今年の夏の初め、壬生町の若者たちが、ある決断をした。壬生町は、中国でオモチャ製造が勢いを増したせいで衰退してしまう前までは、日本のオモチャの首都だった場所だ。
壬生の若者たちは、町おこしの1つとして、等身大のガンダム、ザクを製作しようというのだ。
これを悪くなど言えるはずがない。なぜなら、足を地につけ、空に頭を突き上げた等身大のロボットやメカは、夢を見たいという気持ちを超えて、夢を現実にしたいという気持ちの象徴なのだから。●



この記事についたコメントは明日。



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posted by gyanko at 09:00 | Comment(151) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月01日

海外の反応 - TESCO、8年間の苦闘むなしく日本撤退 -

本日はこちらから。


TESCOは、英国を本拠地とする巨大スーパーマーケット・チェーン。収益では英国国内最大(市場シェア約30%)、世界第三位。アジア、欧州、北米の14カ国で店舗を展開。
日本には2003年に参入し、スーパーマーケット『TESCO』のほか、食品店『つるかめランド』を運営。

小売業界の巨人が日本撤退ということで、英国、米国の主だったメディアはほぼすべてこのニュースを伝えておりました。


TESCO、8年の苦闘を終えて日本撤退。

TESCOが数ヶ月内に、首都圏129店舗の小型店の売却作業を開始する。


世界第三位の小売業者、TESCOは、これまで8年間、日本の厳しい小売市場へ割り込もうと努力をしてきたが、これを諦め、採算の取れない日本での事業を売却することになった。TESCOの新リーダーが投資家への利益の還元を誓約しているため、ともTESCO側は強調している。

この英国のスーパーマーケット・グループが敗北を認めるなど、めったにない動きだ。こうなると、日本より格段に大きな損失を生んでいる米国での再生プランが失敗に終われば、米国撤退もありうるという予測も強まる。

「フィル・クラーク最高経営責任者(CEO)が海外展開に対して冷静な対応をとっていることがわかりますね」と資産運用会社、サンフォード・C・バーンスタイン社のクリス・ホグビンは言う。
(訳注:これが功を奏したのか)TESCO株は、前場£21.90で2.1%上がった。

日本は、TESCOの13の海外事業拠点の中でも最小規模だ。首都圏に129店舗、従業員3900人、アナリストの見積もりでは年間売上5億ポンド以下。

アナリストたちの間では、セブン&アイ・ホールディングスやイオンといった総合スーパーに支配された市場に大きな影響力をもって割って入れなかったことから、TESCOの撤退は長らく噂されていたところだった。

日本で苦闘している外国小売企業は多い。障害になっているのは、消費者の好みが変わりやすいこと、あまりに競争が激しすぎる市場、長引くデフレによる利益減少だ。
フランス企業、カルフール(訳注:売上世界2位のスーパーマーケット・チェーン)や英国のドラッグストア・チェーン、ブーツも、この10年で日本から撤退している。

「この流れは、米国での事業も、数年内に黒字にならなかった場合は撤退もありうるという見込みを強めるものです」とシティのアナリストは語る。TESCOのフレッシュ&イージー・チェーン(訳注:TESCOの小型店舗チェーン)は2月までに1億8600ポンドの損失を出している。

フィル・クラーク最高経営責任者は3月に、長く務めた前任のテリー・リーヒーから引き継いだところ。本年度では米国事業の損失を大きく減らし、2012〜2013年度の終わりには黒字に転換させるという計画を立てている。

日本撤退が1つの前例になる可能性はあるのかという質問に対して、クラーク最高経営責任者は「(訳注:米国も日本と同じ)フレッシュ&イージー・チェーンだからといって、引き合いに出すのは妥当ではない」と電話取材に答えている。

日本の店舗の売却先が見つかるかどうかについては、クラーク最高経営責任者は自信をもっている。

とはいえ、複数の日本の小売業者から、「平均的なコンビニエンス・ストアより大きく、かといって普通のスーパーマーケットよりは小さいTESCOの店舗に食指を伸ばすところはそんなに多くはないかもしれない」という声も聞こえる。

ロイヤルバンク・オブ・スコットランドのアナリスト、ジャスティン・スカボロウの予測では、売却価格は5000万〜7500万ポンド。売上670億ポンド以上、2010〜2011年度の営業利益が38億ポンド以上の事業に対する最小価格だ。

TESCOは年間売上では、カルフールや、米国の産業リーダー、ウォルマートに続く企業だが、すでに日本事業での営業権評価損を出し、日本事業への投資を停止している。

クラーク最高経営責任者によると、投資額は1億ポンド以下。今後は、中国や韓国といった、より将来性のある事業へ投資を集中させたいという。

TESCOは全世界に5300店舗を展開しているが、2005年には、カルフールがチェコとスロバキアに展開していた店舗と資産交換することで、台湾からも撤退している。●



コメントはこの記事についたものと、こちらこちらから。


■オレの地元、TESCOはなくなったなあ。デボンなんだけどね。3店舗ぐらいしかない。

 ■↑そりゃラッキーだな。僕のとこロンドンなんて、1ブロックごとに1店舗あるよ。地元の小さい店は閉店してってる。

■たぶんTESCOは、需要のない他の店舗もいくつか閉店しようと考えてるんじゃないの。いや、だって、TESCOってありすぎだろ。村を壊して、周りと合わない建物を建てて、地元に多大な迷惑をかけてるし。

ラドローに引っ越してきたとき、TESCOの店舗があまりに場違いでびっくりしたもんね。買い物しないときでも、目に入ってくるからめちゃめちゃ目障り。昔風な黒と白の伝統的な建物の中に、超モダンなガラス貼りでカーブした屋根の建築物があるんだから。

そのうえさらにひどいのは、ヘルスビーにあるTESCOだよ。ありゃいったい誰が考えたんだ?ヘルスビーにあんなデカいTESCOが本当に必要だったのか?M56M56高速道路の利用者が帰り道に買い物できるように「サービス」で作ったとでもいうのかねえ。


ラドローはこんな街↓。
Ludlow.jpg

ラドローのTESCO↓。
tescludlow.jpg

■僕の考えでは、日本撤退は良かったと思うよ。日本ではまだハイパーマーケットが歓迎されてない。1つの店舗が他のすべての店舗を構造から根こそぎ消してしまうからね。

これって、文化面で見ても、良いことだと思うんだ。どこ行っても同じ小売店ってのにうんざり。ちゃんとした本物の店に戻ってきてほしいよ。本物の地域のコミュニティを返してくれ。
非人間的な大企業の独占状態だとか、世界市場だとか、もう要らないから。

(訳注:ハイパーマーケット=標準的なスーパーマーケットよりはるかに広い店舗面積を持つ店舗形態)

■>ちゃんとした本物の店、本物の地域のコミュニティ
神話時代の黄金期だな、今となっては…。

 ■↑実際問題、日本では、「ちゃんとした本物の店」、「本物の地域コミュニティ」ってのは神話時代の話じゃないんだよ。みんなちゃんと地元で買い物してる。地元の店を応援してるんだ。

TESCOが日本で失敗したのにはいろんな理由がある。でも、一番大きな理由は、日本人の買い物習慣や好みに合わせてローカライズするのを失敗したことじゃないかと僕は疑ってる。

日本人は、車でハイパーマーケットに行って一ヶ月分をドカッと買うってんじゃなくて、毎日ちょっとずつ買い物する傾向があるんだよ。
名高い食文化をもってる国なんだ、少量ずつ買い物するのだって理由はあるんだって…。

 ■↑小さい地元の店は、妥当な価格で品質の良いものを売ってる。イギリスでだって、こういうものは神話時代の黄金期の話じゃないよ。どこに住んでたって、小さい個人店は簡単に見つかるし、TESCOのかわりに個人店を応援するのだって簡単なことだ。サービスもいいし、品物も良い。スーパーマーケットが進出の計画書を出してはいるけど通らないおかげで、繁盛してる地元の目抜き通りだってある。

日本の例は、TESCOを街から追い出すことができるってことを証明してる。イギリスにもそういう例はある。自分たちの財布を使って、意見を言えるってことさ。

僕はこの15年間、スーパーマーケットにも大型チェーン店にも足を踏み入れたことがない。積極的に個人店を探し出せば、すぐに見つかる。楽しい冒険だよ。出かけようよ、みんな。1つの店舗で買い物すべてを済ませて時間を節約した気分になってるなんて、オレたちイギリス人は本当にそこまで忙しいのかい?

TESCOの侵略を防いだことは、日本の人々にとっては良いことだ。日本人が、どうやればTESCOを追い出せるのかも見せてくれた。繁盛してる地元の通りを見たいなら、僕たちも同じことをやろう。TESCOは、倒せない巨大な敵ってわけじゃない。決定権をもつのは買い物をする人々なんだから。

  ■↑地元の目抜き通りってのは、イギリスでも他の多くの国々でも死につつあるよ。経費を削減するために、大家を説得したり、政府に掛け合ったりも含めて、競争力をつけてない限り。

今は、ネット・ショッピングが小売業界の多勢を占めてる。支店として使いもするし、競争相手もネット。
目抜き通りは神話にはなってはいないけど、過ぎ去った黄金期の一部ではあるね。ほとんど完全に死につつある。

TESCOだって、コンビニエンス・ストアのレベルまで価格を下げて、多少がんばっちゃいるけど、いつまでも続かないだろうな。よほど保守的なコミュニティをもつ地域以外は、みんないずれ同じことになる。

そう遠くない将来、地元を活性化させるためにデカいスーパーのチェーンに行こうって話になるさ。で、ネットの脅威について嘆くんだ。買い物の楽しみはどこいったんだってね。

■スーパーマーケットを嫌ってる人たち。離れたところに住んでみろよ。ちゃんとしたものがすぐに手に入ったらいいなあってどんだけ思うか。

オレのとこなんて、一番近くのTESCOが小さいの。もうそれが嫌。必要なものが買えないんだもん。TESCOのExtraショップ(訳注:TESCOのハイパーマーケット)まで行くのに、渋滞の中を長時間ドライブよ(距離はそんなにないけど、とにかく道が混んでるんだ)。

買い物するのに、何箇所も店をめぐる時間がないやつだっているんだよ。働いてる人間なんだから。

 ■↑働いてる人間は、TESCOのExtraショップに行くしかないとでも言うのか?オレは一週間7日働いてる。週の労働時間は45時間超えだ。でも、地元の食料品店、肉屋、パン屋、自然食品の店で買い物してる。一時間で済む。お前、週に1時間も時間ないのかよ?!

TESCOみたいなスーパーマーケットはテレビのCMを通して、「地元の店をめぐって一週間に1時間なんて、そんなに時間を買い物に使えませんよね?」って言いふらしてる。でも、そんなの地元の店や地元の経済を応援しない言い訳にしては、ひどすぎる(TESCOは地元経済から金のほとんどを吸い上げてるんだから)。

村のコミュニティを再生しないとだめだよ。地元の店を中心にしてね。そうすれば、キミもコミュニティの一員だって実感できる。村のコミュニティではいろんな素敵なことが起こってるんだ。そこに希望をもたなきゃ。TESCOのデカい倉庫じゃなくてね。

とにかく、日本人は、よくやった。

■まあ、でも、悲しいかな、TESCOみたいな巨大店舗って肯定するよりないよな。だって、地元の店より安いもの。だから、人が集まる。バーゲンに心を奪われないようにするなんて、どんだけむずかしいことがみんなわかってるでしょ。特に金欠病のときとか。

けどさ、僕たちはみんな実はちゃんとわかってないよね。バーゲンがあるってことは、どっかで誰かがしぼられてるってこと。どっかの卸元にシワ寄せが来て、どっかの子どもが安いTシャツを作るために労働力として使われてる。産業規模の農場が田舎を破壊して、生物を絶滅に追いやってる。

短い目で見れば安いけど、長い目で見れば高くつくんだよな。

 ■↑地元の店よりTESCOのほうが、ほとんどの品物が安いってのは同意できないね。「一つ買ったら一つタダ」ってあるだろ。あれは、実は店の品物のほとんどが地元の店より安くないから出来ること。商品の70%は同じ程度の価格か、高いかのどっちかなんだよ。

■イギリスの小売業者ってのは学ばないねえ。センズベリーズ(訳注:英国のスーパーマーケット・チェーン)はかつて最大手だった。でも、米国展開した後、3番手に落ち込んだ。マークス&スペンサーも、2000年あたりにイギリス以外のすべての国から撤退したしな。

その業種のトップでいたけりゃ、商売する場所は1箇所にしろってことよ。

■そりゃ、TESCOだって、望まれてなきゃ撤退するだろうな。
ただ、TESCOは必要とされてるから、こんだけみんなが通って金を落としてるんだろうとは思ってるけどね。で、地元の小さい店は、価格は高いわ、品揃えは悪いわで、閉店、と。

■普段から思ってたんだけどさ、投資者に利益を還元することに集中するっていう経営陣の発言。お客に気持ちを集中させるべきじゃないの?

たぶん、撤退の理由はそれだろ。
英国とアメリカは、勘違いしてるよ。だから、下り坂になるんだ。

 ■↑そうそう。ブリティッシュ・エアウェイを見ろよ。いっつも株主ばっかり気にしてる。結果、経費削減でサービスは劣悪。……ま、イギリス人の常として、金持ちのことばっかり考えるんだよな(つまり大株主ね)。で、エコノミー・クラスのやつらは地獄へ行け、と。エコノミーの客が大半なのにねえ。

一方、世界の5つ星の航空会社に目を向けてみてくれ。驚くことに、お客さんは5つ星のサービスを受けられる。結果、また、オレたちはその航空会社を使って旅をする。だから、利益を上がって、株主もハッピー。単純な話なのにな。

■私の住んでる地域では、2派に分かれる。地元で買い物する人と、あまりしない人。つまり、車をもってる人ともってない人。老人とお金のない人たちは歩いて地元の店に行く。

でも、車をもってる人たちは、数マイル離れたスーパーまで車で行って、帰ってくるだけだよね。
私は地元で買い物することにしてる。だって、そのほうが楽しいから。価格なんて、ほとんど似たようなもんだよ。負け組かなって思うこともあるけど、スーパーに行って買い物してると心のどっかが死んだような気持ちになるから。

■僕のとこのTESCOも人でいっぱいだなあ。でも、TESCOが実は高いって知ってるの、僕ぐらいかも。地元の店がしょっちゅうTESCOより安い価格で商品を出してるんだよね。できるだけ地元の店で買うようにしてるよ。

■暴動の後、なるほどなあっていう嘆きをたくさん聞いたよ。子どもたちが地元の店を破壊したろ。あの子らは地元の店に入ったことがない連中なんだよ。で、毎週TESCOに買い物に行きつづける。

僕たちのコミュニティは、TESCOの競争力のある値下げ、事業拡大、ブランド商売、宣伝によって静かに壊れていってる。地元が合法的にどんどん破壊されていってるんだよ。

■この地球上にやつらが征服できない場所があるなんて、うれしいことじゃないか。

■TESCOが去って、これで日本人のところにユニクロが戻ってくるな。

■TESCOの日本撤退が地元の小さな店舗の勝利を象徴してるだなんて、どんだけ目がくもってるの?日本で買い物したことある?北海道の食料品店と九州の食料品店に行ってみて。レイアウトも品揃えも同じだよ。

日本は、いくつかの大企業が中心になって経営してる小さなコンビニエンス・ストアの国。TESCOと変わりないよ。

■たぶん、日本人は、オレたちほど怠けもんじゃないし、クソみたいな品質の商品に我慢なんてしないってことなんだろ。

オレはTESCOで買い物するのは拒否している。けど、奥さんと義理の両親がTESCOからしょっちゅう品物を買ってくるんだよ。

TESCOの商品で、地元の店よりモノが良いと思ったものに出会ったためしがない。フルーツや野菜は味がしなくて、すぐにダメになる。パンは風味がなくて、新鮮な味がぜんぜんしない。肉は水っぽくて、料理しても味わいがない。魚はまったく新鮮じゃない。

売ってるものは全部、利潤を上げるためだけの貧しいものばかり。客に品質の良いものを提供しようっていう気持ちがない。

■TESCOでは買い物しないようにしてる。理由は主に、

1) 口に入れるものには気を配りたい。
2) 味も気にする。
3) 製造者も気にする。
4) 安さばかりのTESCOとウォルマートが作っているものを信用してない。環境的にも製造にも経費をかけてないだろうから。

おー、そうだ、日本、よくやった。ものすっごくはげまされたよ。

■カルフールが去り、今度はTESCOか。関東圏だけだったからなあ、関西に住んでる僕には行く機会がなかったよ。

カルフールはワインの品揃えが良かった。でも、そんだけ。日本の製造業者とは取引しようと絶対しなかったし、地元のスーパーと同じ商品を似たような価格で売ってた。郊外の店舗は遠すぎて、そこまでして行く価値もない。

一方でコストコ。ますます力をつけてきてるよ。みんなコストコまで小旅行して、一度の買い物で200〜300ポンド使ってるね。誰でもメンバーになれるし、日本の店よりはるかに安く、大きなサイズの商品を売ってるんだ。

■129店舗?関東圏に?TESCOの日本のホームページをチェックしてみたけど、たった31しかなかったけどなあ。残りの98店舗はもう閉鎖してるのかな…。

日本に20年住んでるベテランとして、TESCOが日本で成功しなかったことにはまったく驚かない。TESCOの店舗のほとんどは目につきにくい場所にある。見慣れた日本型のスーパーマーケットとは様相がちがったし、日本人の買い物客にとっては珍しいってだけのものだった。

日本のアプローチをコピーするんじゃなくて、コストコみたいにユニークな特徴をもたせるべきだったね。安いとか大量とか。日本型って意味じゃ、日本にはセブンイレブンがあるからね!市場調査が足りなかったな。

■イギリスからも出てってほしいわ。オレの街の目抜き通りがつぶれちゃったよ、やつらのせいで。

■日本……食べ物を本当に愛する国。食べ物を敬い、食べ物の出所にこだわる。
TESCO……日本で失敗し、クソみたいな商品をデブに叩き売れるイギリスに出戻る。

■私も日本人になりたいよ、まったく……。

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■なんだって、はるかかなたの極東の市場にまでTESCOはこだわるんだ?理解できないわ。自分たちが思ってるほどTESCOが良い企業だってんなら、とっくに欧州でもっとデカい商売をやってるだろ。

スペイン経済は今最悪だし、TESCOがエロスキ(訳注:スペインのスーパーマーケット・チェーン)あたりを買うには良い時期かもな。

でも、TESCOなんて、自分たちが思ってるほど良くはないんだって。低価格ってことなら、アルディ(訳注:低所得者向けのドイツの食料品店チェーン)やリドル(訳注:アルディと同様のドイツの激安スーパーマーケット・チェーン)に食われつつあるし、高級品じゃ品質店に食われるからね。

■次は、米国も撤退だろ、こりゃ…。

■よかったな!日本の人たち!
それにしても、失敗の理由の詳しいところが知りたかったなあ。

 ■↑オレもそう思って記事を読んだんだが、誰か知ってるやついるか?

  ■↑(訳注:日本のかたから)早い話、日本じゃ誰も、朝食にシリアルとかミューズリーなんて食べないんだよ。日本の小売業界って世界一競争が激しいんだ。消費者を喜ばせるのが、すごく難しい。

   ■↑どっか独占的なチェーンとかグループってないの?

■TESCOが海外展開するのに一番ふさわしい場所ってわけにはいかなかったみたいだね、日本は。
少なくとも、日本では決着がついた。

まあ、TESCOにすれば、新規の市場を開拓しつづけている必要はあるわけで。英国内にもまだ可能性は多少はあるけど(特に品質の面では)、比較的可能性は限られてるからね。

TESCOはブリティッシュ・ペトロリアムの失敗から学ばないとダメだ。経営をちゃんと立て直すことに集中しろ。海外で投資ばっかしてないで、品質と顧客を満足させることに集中するんだ。

店のマネージャーたちに、実際に客と話をさせてみたらどうだ?一週間に何時間か。

■よくやったよなあ、日本は。イギリスはいつになったらまともになるんだ?……って、なるわけないな。バカなことを聞いてしまった。

■明らかに日本人は、「TESCOは暴利をむさぼる企業ではありません。みなさんの友達です」なんて宣伝でだまされて、低品質のものを高価格で買うようなアホではないということだ。

■日本で失敗したなんてびっくりしたよ。デンマークじゃかなり成功したからさ…。

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■賢いねえ。

■金をかせぐのがむずかしいことで有名な国、日本か(訳注:『THE INDEPENDENT』の記事中で引用されているアナリストの言葉)。コストコ、スターバックス、マクドナルド、他にもいろんな小売業者が利益を上げてるのになあ。

TESCO(あと、カルフールとウォルマート)は、日本には合わないビジネス・モデルなんだろうね。そのうえ、日本国内の競争相手が、あきらかに強すぎて相手にならない、と。
市場分析も十分じゃなかったし、展開方法も店舗の場所選びも弱いんじゃ、どうしようもないわな。

■今年の4月にブリストルのTESCOで暴動があったでしょ。その後、8月になって英国中に暴動が広がったのを見て、あ、TESCOはヤバいって日本人は学習したんじゃないの?…なんてね。



どうして日本で成功しなかったのかという理由を論じるコメントより、「よくやった、日本」調のコメントが多かったのが印象的でございました。



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タグ:TESCO
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