
学生時代、うっかり1巻だけ買ってしまい、次巻を求めて近所の本屋に駆け込んだのは、この本と司馬遼太郎の『竜馬がゆく

米国アマゾンでは、この本にいくつかのプレス・レビューを付記しています。
「日本で120万部のベストセラー。読めばそれがなぜかわかる」-- Publishers Weekly
「魅惑的な作品」-- Atlanta Journal / Constitution
「感動的な英雄小説」-- Washington Post書評
「ドラマティックかつエキサイティング」 -- Philadelphia Bulletin
うんうん、そうでしょう、そうでしょう。
呼応するように、カスタマー・レビューも126件。評価も、88%が5つ星という高評価です。
5つ星:112件
4つ星:8件
3つ星:3件
2つ星:2件
1つ星:1件
こういう評価を見ていると、司馬遼太郎
では、米国アマゾンから、62人中60人が評価したレビュー。
評価:★★★★ 日本の最も有名な剣豪を描いた素晴らしい冒険小説。
20世紀初期に書かれた、この日本の小説は、昔の日本の偉大な剣豪、宮本武蔵の人生と時代を詳述している。宮本武蔵は、やる気に満ちてはいるが、かなり野卑な若者として人生をスタートさせ、剣の道の鍛錬を通して、彼が選んだ武器の達人となる。だが、この物語は、人生を鍛錬で過ごし、鋭い鋼の刀による殺人術を完成させた男の話というだけではない。古く神々しい日本の伝統の中で、自身に打ち勝ち、よりよい人間となるための道を探した男の物語でもあるのだ。
日本の武士階級の中で培養された仏教では、闘いや殺人といった、西欧の目から見れば、おびただしい血で染められた活動も、ある精神的な次元では許されている。それは、武蔵自身が自らを消耗させて打ち込む鍛錬という次元である。彼が出会い、かつ彼につきまとう人々が不利益を被ることにはなるのは、その結果なのだ。
武蔵は中世日本の封建社会の中で、平凡な道には落ち着くことができず、単純にいずれかの君主の藩に士官することもなく、浪人(君主に仕えない侍)として人生に乗り出し、そして、完全を求めて、終わりのないように見える旅路を進んでいく。
旅の途中、武蔵は、彼を愛する若い女と出会い、また、冒険の中で相手に損傷を与えた代償として、彼を破滅に追い込もうとする多くの敵と出会う。彼は、数多の日本の武術の達人と剣を交えるが、1人の僧侶との決定的な出会いによって、正しい道へと導かれていく。そして、最後には、ツバメ返しで名を馳せた、偉大なる敵との死闘の中についに聖杯を見いだす。ツバメ返しとは、そのあまりの素早さと痛烈さのために、急降下して宙返りする鳥を飛行中に空で斬ってのけるという剣術である。
この闘いは、それだけでも、武蔵が達人となるだけの理由をもった闘いではあったが、彼自身は受けるつもりがなかったかもしれない闘いであった。というのは、この敵は、日本で最も武術に長けた男だったのだ。
だが、武蔵が知っていたように、技術的手腕というより、侍としての技量が勝敗を分けた。単なる技術上の熟練度より、自らの人生を真に生きることが勝ったのだ。
武蔵は、彼の頂点とも言える、この闘いにおいて、事前に一種の心の平静を獲得していた。彼は、ツバメ返しの達人に勝利するためなら、危険を顧みず、死を恐れなかった。そうして一方で、敵対する相手を動揺させるため、彼の荒々しい人生を通じて学んだすべての戦略を応用したのである。
武蔵は最後に、かなり高齢になるまで生き、同時代の大多数の人々とは違って、彼自身の戦術を語った高名な『五輪書
19人中18人が評価したレビュー。
評価:★★★★★ 時代を超えた古典。
私が最初にこの本を読んだのは、1982年、日本の東京でアメリカン・スクールに通っていた学生の頃だった。数千頁に及ぶ、この本を一目見たときはかなりおじけづいたが、最初の数頁を読み始めるともう本を置くことはできなかった。
この本は、私の中にある日本の伝統をより素晴らしく理解させてくれただけでなく(私は半分日本人である)、私たちが追求していること、つまり、自身の理解、私たちの周囲の見えるもの、見えざるものへのアプローチ方法、人生に対する静かな覚醒といったものへの基礎的で、より素晴らしい洞察を与えてくれた。
読後、私は世界中で働き、暮らすことになったが(ラテン・アメリカ、西欧、東欧、ロシア、米国)、土地の文化と一体になることができる自分に気づいたし、この物語から得た「人生訓」が、各地の文化の考え方と織り合わされることにも気づいた。
「道」という言葉が現在、主要なビジネス書で引用されているのは興味深いことだと思う(トム・ピーターズ(訳注:米国の経営コンサルタント)の最近の素晴らしい著作
一乗寺下がり松の下での闘いは、困難な状況の中で完全に自己を抑制した状態で働く人間を描いていると言ってもいい。私は自分が困難な状況にいるときいつも、時間をとって、この章を読む。そして、その後、武蔵自身の著作「五輪書」を読むのだ。
最低限でも、日本文化をより深く理解したい人はこの本を読むべきだろう。

13人中13人が評価したレビュー。
評価:★★★★★ ただの本ではない、人生訓である!
本屋の棚にこの本を初めて見つけたとき、僕はこう思った。「こんな分厚い本を読むやつなんて頭おかしいよ」。そう、全2巻、1080頁(ポルトガル語訳本)、週末に気楽に読む本ではないよね。
自分でもどうして買ったのかわからないけど、最初の100頁を読んだら、もう本を手放せなくなってた。トイレに行くのにも腕に挟んでもっていく本なんだ。強迫神経症的読書というのは、こういうことを言うんだろうね。
最初の巻を読み終わった後、次の巻を買うのをもう1日も我慢できなかった。そして、全巻を読み終わると、僕は、宮本武蔵の情報を探してネットを何時間もさまよったんだ。
この本はただの武術の本なんかじゃないよ。平凡な物語でもない。東洋の価値観、美徳、禅、仏教への偉大なる入り口だ。『宮本武蔵』とは、人生、そして人生の意味を追い求める本なんだ。すべての頁、すべての行、すべての武蔵の言葉が勉強であり、ゴール、完全、精神的充足を探して人生を過ごした1人の男からの真の人生訓なんだ。
僕は日々、この本を推薦して回ってるけど、まだ十分じゃない。だから、今すぐこの本を買ってくれ!!
最後のかたのレビューが一番、私の気持ちに近いものでした。『竜馬がゆく』を読んだ後もそうでしたが、ああ、もっと読みたいと思いましたもんね。興奮気味の気持ちを持て余しているのに、もう読む頁がないというのが寂しすぎました。
時代小説というのは敬遠される人も多いかもしれませんが、私にとっては当たり外れが最も少ないジャンルで、旅行に行くときなどに、かなり適当に本屋で選んでもあまり間違いません。
ちょうど梅雨どき、外に出る機会も減る季節ですし、まずは『宮本武蔵』からいかがでしょうか。
明日は、『バガボンド
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