2009年07月07日

海外サイトが選ぶ日本のマンガ・トップ20 -その2-

引き続き、15位からです。

第15位 『歩くひと
著者:谷口ジロー



歩くひと (小学館文庫) 孤独のグルメ 【新装版】 神々の山嶺(いただき) (1) (集英社文庫―コミック版 (た66-1)) 遥かな町へ (ビッグコミックススペシャル)


時速70マイルのラッシュアワー、交通渋滞、街の通り、wi-fi、マルチタスキングな世界。そんな現代の中で、ときおり立ち止まり、バラの花の香りを嗅ぐと気持ちが生き返りませんか。同じように、谷口ジローの『歩くひと』では、犬を散歩に連れて出かけるのです。

美しく作画された、静かな瞑想のようなこの作品は、多くの青年マンガにありがちな血と汗にまみれた熱狂的なアクションから離れて、喜びに溢れた回り道をさせてくれます。



谷口ジローも海外での評価が非常に高い作家です。受賞歴も華やかで、主立ったものだけでも、

2002年 - アングレーム国際漫画祭 最優秀脚本賞/フランス(『遥かな町へ』)
2002年 - アングレーム国際漫画祭 優秀書店賞/フランス(『遥かな町へ』)
2004年 - 第22回バルセロナ国際コミック展 最優秀外国作品賞/スペイン(『遥かな町へ』)
2005年 - アングレーム国際漫画祭 最優秀美術賞/フランス(『神々の山嶺』)
2008年 - マックス・アンド・モーリッツ賞/ドイツ(『遥かな町へ』)


このかたは、いっしょに組む原作者も、私にとっては魅力的な作家が多く、買って間違いのないマンガ家の1人です。昨今ではやはり『孤独のグルメ』で組んだ久住昌之。『孤独のグルメ』とはだいぶイメージが違いますが、このかたの『ダンドリくん』や『感情的』には、さんっざん笑わせていただきました。絶版のようですが、古本屋で見かけたら迷わずお買い求めください。買って損なし、です。


第14位 『SWAN
著者:有吉京子



SWAN(白鳥) 1 愛蔵版 SWAN(白鳥) 2 愛蔵版 SWAN(白鳥) 3 愛蔵版 まいあ Maia SWAN act II 1


英訳が現在、CMXから発売中の、有吉京子の少女マンガの古典です。このマンガは、才能に恵まれているのに、臆病なバレエの生徒、真澄が、世界レベルのダンサーたちと競い、プリマになるまでを描いています。感情を揺り動かされる筋書き、ドラマティックなアートワークは、少女マンガの基準とも言えます。



週刊マーガレットに1976年から長期連載された作品。現在は、2005年から、『SWAN』の真澄の娘を主人公とした『<Maia まいあ SWAN act II』を連載中。
子供の頃から知ってるマンガであり、マンガ家です。英訳される時代になったかと思うと、思えば少女マンガも遠くへ来たものです。


第13位 『ああっ女神さまっ
著者:藤島康介



ああっ女神さまっ 小っちゃいって事は便利だねっ DVD-BOX ああっ女神さまっ 38 (アフタヌーンKC) ああっ女神さまっ 37 (アフタヌーンKC) ああっ女神さまっ 36 (アフタヌーンKC)


森里螢一は機械には素晴らしく長けているのですが、ロマンスには疎いオタクな工業大学生。お助け女神事務所に間違い電話をかけてしまったことから、魔法を使える本物の生きた女神といっしょに暮らすことになります。本作は、いわゆる『オタクが魔法少女と出会う』物語としてスタートしましたが、人間の心の動きと機械工学の原理を混ぜ合わせたような、美しい描画のシリーズに発展していきました。



連載開始から20年だそうです。アニメ化もされたため、海外のサイトでもしょっちゅう目にするので、英題を覚えてしまいました。私は読んだことがないのですが、なぜかベルダンディの名前を知っているのは、やはり話題になることが多いからでしょう。


第13位 『うずまき
著者:伊藤潤二



うずまき (1) (スピリッツ怪奇コミックス) うずまき (2) (スピリッツ怪奇コミックス) うずまき [DVD]


奇妙で恐ろしい、伊藤潤二のホラー・マンガの傑作『うずまき』の世界に入る勇気があるのでしたら、思い切ってどうぞ。物語は、呪われた海辺の町を中心に展開し、あなたを総毛立たせ、電灯を点けずには眠ることもできないような、ぞっとする狂気へとなだれこんでいきます。



だいぶ前に読みました。恐怖というより、薄気味悪いのです。画面からいやぁぁな雰囲気が立ちのぼってます。才能のあるかただなあと思いますが、私的にはそっと頁を閉じて忘れたい一作です…。ホラー・マンガが好きなかたには、全力でお薦めします。


第11位 『バガボンド
著者:井上雄彦



バガボンド 30 (モーニングKC) バガボンド 29 (モーニングKC) バガボンド 28 (モーニングKC) バガボンド 27 (モーニングKC)


力強く、目を見張るほどに見事な作画の『バガボンド』は伝説的剣豪、宮本武蔵を現代的に解釈した作品です。『バガボンド』の武蔵は獰猛な野生児であり、人生の目的を探す若者でもあります。たとえ、その目的が殺すか殺されるかを意味するとしても。

井上雄彦は、アドレナリンが溢れ返るような闘いの場面を描くコツを心得ていて、読者をその闘いのただ中に引きずり込んでしまいます。そのうえ、複雑な不完全さをもった、信じられない登場人物を創ることにも長けているときます。『バガボンド』はサムライ・ジャンルの枠を超えた、生々しく、現実的で、忘れがたい物語を見せてくれます。



前々回のエントリで取り上げた『バガボンド』です。
選者のかたは、『バガボンド』好きなんでしょうね。他の作品とは熱が少しちがうし、語る視点がぐっと近い感じがします。


第10位 『エマ
著者:森薫



エマ (1) (Beam comix) エマ 10巻 (BEAM COMIX) Fellows! 総集編 乙嫁語り&乱と灰色の世界 (BEAM COMIX) シャーリー (Beam comix)


『エマ』は、ビクトリア朝イギリスが舞台の歴史マンガであり、メイドと裕福な貴族のつながりを描いています。当時のイギリス社会の厳格な階級制度では、この二人の関係は許されないものでしたが、誰も、この星回りの悪いカップルが恋に落ちるのを止めることはできません。

綿密に歴史考証がされているため、作品のムードは美しく、味わい深いものとなっています。ここには、無言の愛らしい瞬間があり、盗み合う視線があり、繊細な微笑みがあります。そうして、それらが、解説や台詞よりよほど雄弁にエマの人格や内面を表現しているのです。



ビクトリア朝イギリス。メイド。貴族。階級差恋愛。本来、こういう設定は少女マンガの王道だと思うのですが、昨今はすっかり萌えに浸食された感がありますなあ。このマンガは、王政復古の大号令かもわかりません。買うと思います。かなり読みたいです。


第9位 『鉄コン筋クリート
著者:松本大洋



鉄コン筋クリート (1) (Big spirits comics special) 鉄コン筋クリート (2) (Big spirits comics special) 鉄コン筋クリート (3) (Big spirits comics special) 鉄コン筋クリート (通常版) [DVD]


大胆でシュール。『鉄コン筋クリート』(別名『Black & White』)は予想を裏切る作品です。主に描かれているのは、腐敗した街を生き抜く、知恵のある2人の孤児なのですが、この、機知に富む、芯の通った、重層構造の物語には、読者に何度も再読させてしまうような、もっともっと多くのものがあるのです。

これは典型的なマンガのストーリーとは言えません。ですが、心をつかみ、目眩を起こさせる、真に独創的な作品なのです。



これはいずれ、やりたいと思っています。劇場版も、映画館で見ましたが、まさに「めくるめく」とは、あの絵のことでしょう。あまり映画館は好きではないのですが、これに限ってはスクリーンで観て本当に良かったと思いました。


第8位 『NARUTO
著者:岸本斉史



NARUTO 巻ノ46 (46) (ジャンプコミックス) NARUTO 巻ノ45 (ジャンプコミックス) NARUTO 巻ノ44 (ジャンプコミックス) NARUTO-ナルト- 疾風伝 三尾出現の章3 [DVD]


『NARUTO』は、世界で最も人気のある少年マンガシリーズの1つであり、きわめて中毒性の高いマンガです。主人公は、強力な秘密をもつ、はみだし者の少年忍者であり、九尾という破壊的な尾獣を閉じ込める生きた檻でもあります。

山ほどのアクション、印象的なキャラクターたち。『NARUTO』は武術のマンガというだけにとどまらず、その中には感情の深さやユーモアが詰め込まれています。12歳以上であれば、誰にでも、一読の価値ありです。



ここ数年、海外で最も元気が良いマンガではないでしょうか。累計発行部数、9200万部。天文学的数字ではあるのですが、このランキングでジャンプ系統の鬼数字を何度も目にしたので、驚かなくなってきました。いや、驚いてはいますが。いや、どっちだよ。

私は、去年の年末あたりに、カカシが死にそうになっているあたりから読んでいません。……まあ、早い話、読み慣れたキャラクターが死ぬのを見るのは嫌なので、無事生き返って、コミックスが追いついたら読もうと、そういう情けない魂胆です。



明日は、7位から1位までをお送りいたします。



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posted by gyanko at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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