DaigoがJustin Wongをなんとか凌ぎ、Evo2009のストリート・ファイターIVで優勝!
決勝戦は、Evoの歴史において、おそらく最も接戦の試合となった。Daigo Umeharaはリュウを使い、Justin Wongのバイソンを2-3、3-2でくだして、Evo 2009のストリート・ファイターIV部門のタイトルを勝ち取った。闘いの早い段階で、Justinはキャラクターをバイソンに切り替え、観衆を驚かせた。この決断は期待通りの成果を上げ、Justinは、決勝戦の最初のセットを勝ち、トーナメントの予選でのDaigoに対する敗北のリベンジを果たした。試合は最終セットまでもつれこんだが、Daigoは最後に優勢な位置をとり、接戦を切り抜けてタイトルを手にした。
LAのトッププレイヤー、Ed Ma(さきごろ米国で行われた闘劇(訳注:日本の大規模な格闘ゲーム大会)予選で2位)は3位となり、まだ彼に力があることを証明した。
Evoのトーナメントすべての試合結果を楽しみにしてくれ。●
この記事は、主催に関わっているらしいSRKというサイトにそのまま転載されていて、これにコメントがついていました。
■観ててスゴい試合だった。Justinが、ラウンドの間に椅子から立たなかったら、どうなっていたか観たかったなあ。(訳注:昨夜の動画でも見れますが、試合中に1セットを取り、興奮して立ち上がって仲間と抱き合ったことを言っているようです。↓そのシーンのみの動画。こちらでどうぞ。)
■Go DAIGO!! そうだな、Justinがあんなに威張り散らしてなかったら、試合はもっと違ったものになってたろうと思うよ。僕は試合をオンラインで観てたんだけど、観衆が行儀悪いねえ。……うるさすぎだし、くだらないことを試合の間中、叫んでるんだから。
■Justinがいかに自信過剰か証明してるよな。Justinに見るべきものはないね。でも、Daigoを見れば、プロフェッショナルなプレイヤーっていうのは、トーナメントのチャンピオンであっても謙虚なんだってことが語り継がれることになる。
■THE BEAST対Justinの驚くべき試合だった。決勝戦はまた同じメンツだったけど、大会の白眉だったと思う。Sanford kelly、Ed ma、John Choi、Alex Valle。EVO2009の今年のトッププレイヤーたちに尊意を表したい。どれも素晴らしい試合だったよ。
■Justinが目立ちたがりだったとしてもだ。立ち上がって、飛び上がりまくってたとしてもだ。彼にはそれが必要だったんだ。彼は、Daigoと闘ってたんだ。どれほど勝ちたかったか。観衆が叫んでJustinを励ましたとき、どんなにJustinが興奮したのか見てわからなかったのか? もし興奮してアホみたいな行動をとってなくても、Justinは勝てなかったろう。Justinは、Daigoよりもっと叫んで、もっと怒鳴らなきゃいけなかったんだよ。Justinは自分自身のゲームに入り込んでたんだ。
■同意するよ。Justinは興奮をかきたてられただけだ。だからそうした。Daigoはすでに人気も名声もある。オレには、彼の態度から見ても、彼が自尊心を傷つけられたとは思えない。
■自信過剰と、興奮して大勝利に大げさに騒ぐことは完全に別物。
■興奮と自信過剰の差ぐらい覚えろよ。マジで。
■スゴイ試合だった。……今年はEVO観戦に行けなかったんだけど、ライブのストリーム動画がスゴかった。スーパーボウル見てるみたいだったよ。EVOとSRKは凄い仕事をしたね(ありがとう)。DAIGOはストリートファイターだな!!!
■偉大なプレイヤーとは何かっていうと、一つには、自分の対戦相手のゲームだけじゃなくて、現実にいる相手の肉体的存在感や自分自身の環境に順応できるってことなんだよ。プレッシャーで崩れるようじゃ、Daigoみたいなチャンピオンになれっこない。プレッシャーに耐えられないなら、火には近寄らないで、ずっとオンライン・ゲームをやってりゃいいってこと。
■こういうことだろ。Justinは椅子から離れて、次のラウンドに時間ぎりぎりで戻った。彼は、このせいで、最初の動きを1つも入力できなかった。これは不注意だったな。Daigoが盛り返したのは、そのあたりからだ。だから、Justinは自信過剰だって思われるんだよ。
この点までちゃんと見ると、本当に楽しめたね。もしJustinが時間通りに戻れたとしても、良くはならなかったろうけど、あんなヘマをやらかしたら、悪く見えるさ。これもEvoの見せ場ではあるけどね。
■心理戦だよ。心理戦。……最後には、二人とも握手して、お互いを褒め讃えてたな。
■「なんとか凌ぎ』?????なんだ、それ。Daigoは最初の1分でタイトルは手にしてた。Justinはあまりにも過大評価され過ぎだね。それに、ブサイクだ、……あまりにも。
■みんなJustinが嫌いか? 自信はもたなきゃいけない。Daigoは謙虚だよ、その通り。でも、彼はすでに頂点にいるんだ。目立ちたがる必要も自信をもつ必要もない。JustinはDaigoを追いかけてるんだよ。だから、どんな恐怖も見せられない。オレは本当にJustinのファンだし、Evoで彼が勝つのが見たかったんだ。次回はもっと運が巡ってくるさ。
Justinを嫌いなやつはカニエ(訳注:ウエスト。自意識過剰と言われたりしている米国のアーティスト)も嫌いだよな? そうじゃないなら、お前は偽善者だ。●
このコメントがついているSRKというサイトは格闘ゲームに特化したかなり大きなサイトのようです。フォーラムを覗いてみたら、J. Wong vs Daigoというスレッドがありました。
最初はちらっと流し読むつもりだったのですが、そうは問屋がなんとか。面白くてびっくりしました。自分が格闘ゲームに無知なせいが大きいでしょうが、格闘ゲームは、ちょっと他のゲームとは様相が違いますね。自分が楽しむだけというのではなく、競争相手がある娯楽というのは、こうも現実的なものか。
格闘ゲームのプレイヤーのメンタリティというのは、娯楽というよりプロスポーツに近い気がしました。
■間違いなく、EVO2009で最も緊張感があって、正気の沙汰じゃない、興奮する試合だった。みんなはどう思った? キャラクターの選択は? テクニックは? 心理戦は? 僕が1つ言わなきゃならないのは、EVOのおかげで、足技が本当に大事なんだってことを改めて強く思ったってこと。
この試合に関していろいろ言いたい人がたくさんいるだろうから、このスレッドが良案だって思ってくれることを願うよ。
■これまでEVOで観てきた中で最高だったかもしれない。
■キャラクターをバイソンに換えられて、Daigoが慌てたように見えたけど、いつも通り、最後は調整して、勝っちゃったね。米国に比べたらバイソンが日本で人気がないんだなあって面白かった。最終ゲームの前のラウンドをDaigoが捨てたって思った人誰かいる? あまりにも次々にセービング・アタックを打ち過ぎじゃない? 最終ゲームにさっさと行きたくてあんなことしたのかなって思ったよ。
■……EVOには興奮した。2日半、彼女をほっておいちゃったよ。けど、驚いたのは、彼女が僕といっしょにすわって観戦してくれて、JustinとDaigoの決勝戦の質問なんかしてくれたことだな。オレとしては、Justinが何ラウンドかDaigoに勝ったってのが、もう自分の目を疑ったよ。
■Daigoはいつも、10秒に数回ってぐらいセービング・アタックをやってるけどね。5秒に20回出すぐらいなら、もっと早いラウンドでもう少し打ってればよかったのに。たぶん、Justinも最初からバイソンでやるべきだったろうね。イイ線いったかもしれない。ま、オレはDaigoを応援してたけど。
■観戦できなかったからストリームで観ただけだけど、スゴかったね。Daigoは終始、本当に落ち着いて見えた。けど、なんで観衆はあんなにJustinを応援してたんだ? Justinを嫌いなやつが多いって思ってたのに(少なくともこのサイトでは)。
■足技には賛同しなきゃな。足技を重要じゃないって信じてる人とか、絶対使わないとか、そんなもんないって言う人すらいるけどさ、防御モードでは一種の保険になりえるって思う。
Daigoには勝ってほしいって思ってた。彼には、生きてる伝説、ストリート・ファイターの神としてのステータスを保っててほしいから。でも、同時にJustinにも勝ってほしかった。彼が、米国のNo.1チャンプとして今後どうなっていくのか見たい。……ちょっと目立ちたがりなとこはイラっとくるけど。
■ちょっと演出を感じたな。DaigoはJustinに多少、骨をあげて、手加減したんじゃないか。
■はっきり言って、JustinがDaigoの鼻をへし折っちゃうんじゃないかと思った。最終的にDaigoが勝ったのは事実だけど、あれほど上手くやってるJustinを見たことがないよ。2004年のフル・バリィ(訳注:この動画のことのようです)よりずっと緊張感があったね。最終的には、JustinがDaigoを負かすかもしれないとも思った。次回、二人がやりあったときは、今までとは違う成り行きになるかも。今回はJustinを応援しただけだけど、次は彼に賭けるよ。
■どれだけの人々が心をぶっ飛ばされたか。オレには関係ないけどね、だって、トーナメント全部、Daigoにたくさん金を賭けてたから。
■信じられない試合だったよ。誰が、Justinがバイソンをポケットに隠してたなんてわかる? スゴかった……。
■Justinは闘劇ではバイソンを使わないとだめだ。じゃなきゃ、闘劇で彼にチャンスはない。
■Daigoがラウンドを捨てた? 証拠は? Justinは本当にゲームに入れ込んでた。トレーニングのために日本にまで行ったんだ。彼はすごくレベルアップしたし、Daigo相手によくやったよ。彼の必死さを見くびらないでくれ。言われてる通り、試合は異常なぐらいの緊張感だった。EVOを締めくくるにふさわしい偉大な試合。来年が待ちきれないね。
■同意だ。お前ら、自分に聞いてみろ。7000ドルがかかった試合を捨てるか? 決まってる。Daigoにとっては、海を越えた金のかかった旅のうえに、家族をそれで養ってたら? 彼があえて少ない賞金を家に持ち帰るなんて冒険するとマジで思うか?
■はっきり言うけど、Daigoとは誰もJustinみたいにはやれなかったと思うよ。間違ってるかもしれないけど。Daigoと賭け試合をして勝ったやついたの?
■実は、DaigoがストリートファイターIVでどういう位置づけの人なのか知らなかったんだ。みんながアホみたいに興奮するのは、Daigoのせいだろうって思ってた。そしたら、彼はずっと静かなんだよな、本当、信じられなかった。Justinの驚きべきキャラ換え、そうして反撃が成功したとき、Justinが椅子から立ち上がる、観衆がUSA! USA!ってコール。でも、Daigoはやっぱり感情を抑制することができてた。驚くべきことではないのかもしれない。でも、生で観て、Daigoがどれだけ精神的にタフかって感銘を受けたね。本当にさすがだと思ったよ。
■Daigoがまたトップだ!!!!!すごくハッピーだったから、昨日、Daigoに話しかけたんだ!!
■とても実のある闘いだったな。これまで観た中のベスト。でも、客の行儀の悪さは好きになれない。叫んだり、バカなことしゃべったり。Daigoはああいう絶叫でメンタル的に傷ついたろう。最終ラウンドは明らかに、ただ終わらせたがってた。そんな顔つきだった。
次回は、プレイヤーがプレイに集中できるような部屋でやれ。
Justinのバイソンは素晴らしかったね、よくやった。
■JustinはDaigo以外だったらすべてを支配したよ。決勝戦はぎりぎりの接戦だった。あと、Daigoは賭け試合で多少、負けたとは聞いたけど、観てないからなあ。
■誰かが、Daigoが金をちょっとすったって言ってたの覚えてる。疲れてたらしい。
■タイトだったね。エキサイティングで緊張感あふれてた。Daigoは本当に、緊張した状況でも冷静なんだな。Justinがバイソンを選んだときの表情がよかった。笑ってたみたいに見えたし、同時に驚いてもいるみたいだった。
■がんばったな、Justin。けど、Daigoが負けるわけがない。
■締めとしては、Daigo "The Beast" Umeharaはアメリカに数百ドルのために飛んできて、7000ドル以上をポケットからはみだたせて、日本に帰るんだなあ。ひでえ!
■賭け試合で彼が、sabin以外から強奪したおまけの札もだよ。
■オレも同じように感じたなあ。Daigoはとにかく最後のセットを終わらせようとしてるように見えた。
もうこのへんでと思いつつ、結局ほぼ2時間近く読んでしまいました。ちょっと予想外だったのは、Daigo "The Beast" Umeharaを罵るようなコメントが極少だったこと。日本対米国の決勝戦ですし、ありそうなものだと想像したのですが、本当に神様みたいに世界中の格闘ゲームファンから尊敬されてるかたのようです。
この後、フォーラムは、Justinが無礼だ、無礼じゃないという議論や、日本と米国のアーケードの違い、格闘ゲームのレベルの差、決勝前の賭け試合の話などなど……。格闘ゲームというジャンルは、今回のようにニュースにでもならない限りは、私が扱える類いのものではないですし、良い機会なのでもう少しだけ、このフォーラムの様子をお伝えしたいと思います。
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とても面白く読ませて頂きました。
またこの手の記事をよろしくお願いします。
いつも楽しく読ませて頂いてます。
どうもありがとう!
ここで分かったのでありがたいです。
ウメハラは格ゲーの分野では突出した存在ですね
実力、知名度、劇的な逆転が多いのも魅力です
ありがとうございました
ありがとうございます
翻訳ありがとうございます
個人的に、格ゲー界の攻略の俎上に精神論が加わったのは、ウメハラがいたからだと思ってます。
攻略の高さやテクニックは時間をかければ、見につくものだと思いますが、彼の場合なにより器用さよりもヨミが鋭すぎた。
決して短期ではなく、長期で試合の流れを把握して――というより前半から伏線をまいて、それを試合終了までに回収するような対戦の流れを操作するプレイヤーの嚆矢なんだと思います。
うまいというより強いプレイヤー、ってイメージです。
圧倒的不利に持ち込まれても、全くヒヨらないメンタル面の高さがさらに彼の強さを裏打ちしているんだなぁと何度も対戦を見て感じたことがあります。
格ゲーは社会的にはあまり認められてはいませんが、羽生さんやイチローのように個人的にはウメハラも尊敬する人物のひとりです。
日本人が海外で活躍し、評価される事は素晴らしい事です。
海外のurlを拝読させて頂きましたが、本当に彼を馬鹿にした
書き込みが少ないのに驚きました。
そして、彼に対し馬鹿にした書き込みがあればすぐに反論の書き込みがつく。
その書き込む人は外人な訳です。
これは本当にamaizingなことです
解説もありがとうございます。試合終了までに回収するような対戦の流れ、ですか。本当に将棋や碁のようです。凄い人なんですねえー…。
アメリカ人の熱心さが良く分かって参考になりました。
更新頑張ってください。
次回更新も楽しみにしています。
プロスポーツのメンタリティに近いという感想は、自分もウメハラさんを知ってから強く持つようになり今では一人のアスリートとして尊敬しています。
数々の名言や印象に残るインタビューの中でお気に入りを一つ紹介させていただきます。
大舞台でも最後の一発にありえない昇竜とか打ってカッコヨく勝つ梅原の姿に疑問を抱いた俺はこんな質問を投げかけた。
※昇竜(必殺技の名前。大・中・小とあり大は派手がだ外れると隙が大きくリスクの高い技。)
アール「なんであの状況で大の昇竜なんだよ? 当たってるからいいけどさ、ミスったら死亡確定じゃん。てか普通打てなくないか?あそこで昇竜はw」
ウメ 「うーん、まあ当たると思ったからね。別に対戦で負けて命まで取られるってわけじゃないんだから、自信があるときは【大】で打つよ、どんな場面でも」
アール「読みに忠実ってだけなのか……?」
ウメ 「まあそんなとこだね、そこで迷うくらいなら俺は間違いなく大昇竜を打つよ。だって負けるときは負けるじゃん、それはしょうがない。だからって負けたくない一心で昇竜を打たないってのはヒヨりだと思うんだ。そーいう奴って恐さがないし、なにより崩れやすいからね」
アール「思い当たる節がいくつかありますな」
ウメ 「死にゃーしない。って思えばなんでも割とどっしり構えて割りきれるでしょ、俺は日常でもけっこうそうだからね」
ttp://beastdaigo.jp/
上記のウメハラまとめサイトに数々の伝説が記されております。
海外にもファンサイトがあるくらいで、ウメハラと同じ世代に格ゲやれてて良かったなぁとしみじみ思います。
思います。読みや流れ、相手の裏をかく…等々。
ウメハラの存在は、麻雀で言うアカギみたいなものだと考えて頂ければ、
ご理解しやすいかと思います。
伝説的な実績+独自の対戦観があるため、
カリスマ的な存在になっています。
更新をゆっくりまってます。