今週の日本の萌え ― メガネ

ゲームというゲーム、マンガというマンガに、彼らはいる。そう、メガネをかけたキャラクターだ。日本は完全なメガネ狂である。
もちろん、メガネ萌えは日本に限った話ではない。西欧でも広く蔓延している。世界的に、メガネとは権威と知性を表現するものであり、頭の良いオタクだとか学校の先生といったお決まりのキャラクターとなって人々の前に現れる。
サラ・ペイリン(訳注:米国の保守派の政治家。キリスト教エヴァンジェリカル派の熱心な信者。2008年の副大統領候補)を例にとろう。彼女は大統領選挙の頃、レポーターたちが彼女にどんなタイプのメガネをかけているのか尋ねてしまうぐらいには、人々にメガネ萌えを感じさせる人物になりえていた。
サラ・ペイリン↓

サラ・ペイリンのメガネにまつわるニュース
とはいえ、日本はメガネとは強固な関係にある。事実、ペイリンがかけていたメガネは日本製で、日本人インダストリアル・デザイナー、川崎和男がデザインしたものだった。そして、ジョン・レノン。彼のメガネも日本の白山眼鏡の製品で、日本人がデザインしている。
メガネの発明は日本人によるものではない(これに関しては西欧人のおかげ)。日本の最初のメガネは、16世紀にフランシスコ・ザビエルがスペインから持ち込んだものだった。だが、この国は瞬く間に学習し、以来、この職人芸をマスターしてしまった。
メガネは日本人の潜在意識に埋め込まれ、言葉のあやなどではなく、まさにメガネ自体が欲望の対象である。
日本には、『メガネっこ』という言葉がある。メガネをかけた少女という意味だ。メガネっこは、日本のアニメやゲームでは定番のキャラクターだ。
東京大学で博士課程にいるパトリック・W・ガルブレイスによれば、最初に日本のポップ・カルチャーの時代精神に「メガネをかけた少女」が登場したのはいつなのかはわかっていないという。
「メガネは、いつでも身近にあるものです。たとえば、手塚治虫のマンガに出てくる動物耳もそうですが、ゆっくりと特殊な意味を帯びるようになっていったのです」とガルブレイスは語る。
日本では、男性と女性ではメガネがもつ意味が異なる。
「男性キャラクターがメガネをかけている場合は」とガルブレイス。「支配的なキャラクターです。主導権を持つ側ですね」。
一方、女性の場合は、シャイだったり、壁の花だったりといった意味をもつことがある。「女性がメガネをはずすと、びっくりするほどきれいだったなんてこともありますね」とガルブレイスは付け加える。
「これは少女マンガが発祥です。少女マンガは、現代のオタク萌えキャラクターの原型をたくさん産み出しているんです」。
こうした構図は西欧にもある。が、日本は頻度が高い。理由は簡単だ。メガネは略号なのだ。言うなれば、虎の巻。
ゲーマーやアニメ・ファンたちはメガネっこを見ると、即座にキャラクターを理解する。そこにはすでに含意が埋め込まれていて、どんなキャラクターなのかが理解しやすいようになっている。
ガルブレイスによると、「これは登場キャラクターの多さに関係しているかもしれませんね。基本的な道具で簡単にキャラクターを見分ける必要があるということ。どちらかと言えば、静止画が多いですし、ビジュアル的に気を惹くものにしなきゃなりませんから」。
もちろん、日本でも、西欧と同様の、メガネ=「セクシーな教師」という含意はある。『ベヨネッタ

ベヨネッタのメガネは、プラチナ・ゲームズがベヨネッタのパーソナリティを決めるにあたって、ゲーム制作の一番初期の段階から存在していたものだった。『ベヨネッタ』のゲーム・デザイナー、神谷英樹は「知性的で、気品があり、成熟した大人の女性という魅力を際立たせる必要があると感じた」とKotakuに語っている。
ベヨネッタのメガネは、彼女の魅力の重要な部分を作り上げているものだと神谷は言う。「たとえば、あなたが高校生で、そこへ新任の教師がきたとします。やっぱり、すっごくきれいで、セクシーなメガネの女教師を期待する気持ちは誰だって理解できますよね。ベヨネッタのメガネも同じことです」。
キャラクター・デザインは世界共通のものであり、それがこのゲームが日本や海外で成功をおさめている理由かもしれない。
メガネがどんなふうに萌え化しているかということでは、いかにも日本的なことがある。メガネをかけたモデルがグラビアに登場するのがしょっちゅうだということ。ときには水着でメガネなんてこともある。
「論理的に言って、ビキニを着るときにメガネは外すだろ?」などという考えはここにはいらない。なぜなら、人々の関心は、モデルの体だけではなく顔にも向けられているからだ。つまり、目だ。メガネをかけたモデルたちは、フェミニンな4つの目をもつメガネっこなのだ。
日本には、メガネ・アイドルさえ存在する。23歳の時東ぁみだ。とはいえ、レトロ・ゲーム・アイドルだとか、コンピュータ・アイドル、納豆アイドルすらいることを考えれば、メガネ・アイドルがいるというのはさほど珍しいことでもない。

ファンから「メガドル」と呼ばれる時東は日本ではかなりの成功をおさめていて、ポップ・ソングも歌えば、グラビアにも登場、コスプレもする。『リズム天国
彼女がビキニを着ていようが初音ミクのような格好をしていようが、いつも変わらないもの。それがメガネだ。小道具とはいえ、メガネが彼女を有名にした。
時東は、彼女のメガネが伊達メガネであることを認めている。撮影の際、カメラのフラッシュから目を守るためにつけはじめたというが、競争の激しい日本のグラビア界で、メガネが彼女のセールス・ポイントになったのだ。
時東が実際にはメガネは必要ないという事実は、問題にはならない。彼女は、メガネをかけたきれいなセレブの一人なのだ。
メガネはアクセサリーであり、日本にはレンズをUVコーティングした伊達メガネだけを扱う専門店も数え切れないほどある。
メガネは今、萌え王国の手中にある。そう言うのは、『ファイナルファイト
萌えはもちろん、オタクがキャラクターや状況、コスチュームなどから受ける、人の心を暖かくするフィーリングを表現するのに使われているスラングだ。イラストレーターの「いとうのいぢ」が私に言ったことだが、萌えをきちんと定義することはできない。人によってちがうからだ。
だが、多くの日本のオタクにとって、メガネ(メガネをつけた少女たち)は確実に「萌え」だ。真希波・マリ・イラストリアスのようなメガネをかけたキャラクターは、メガネっこの魅力をフルに活用したオタク向けのフランチャイズだ。

日本では、メガネをかけることになった原因を本を読みすぎたり、ゲームをやりすぎたり、テレビをみすぎたせいだと考えられている。あきまんはこう指摘している。「人がメガネをかけた瞬間から、それがスーパーマンであっても、自分のような内向的な人に見えてくるんですよね。内気な男性にとっては、そういうふうに連想しやすいんでしょう」。
あきまんが言うように、メガネをかけた女の子は「自分たちの仲間」になる。だからこそ、メガネ自体がフェティッシュの対象になる。「日本人って基本的に内向的なんですよ」とあきまん。「こういう萌えが育つのは、だからだと思います」。●
この記事についたコメントです↓。
■メガネってのはホントに人をセクシーに見せることがある。例として、…オレを見てくれ!
■↑見えねえよ……。
■この人の記事、いつも読んでるわけじゃないけど、のいじと話したことあるんだ。なのに、教えてくれるのは、たった一言のつまんない引用だけなのね。
■いとう……のいじ……って。彼女と知り合いなの?……び、びっくり。
■メガネが今週の萌え?今世紀の萌えだろ。
■↑あるいは、「史上ずっと萌え」だよな。
■オレの2大萌え。日本の女性とメガネ。
■↑オレもーーーーーーー!!
■↑日本女性はオレのフェティッシュじゃないけど、メガネ萌えはオレもだ。残念ながら、オレの彼女はメガネをこわして、今、コンタクトなんだよなあ。
■↑新しいメガネを買ってやれ。で、コンタクトは全部隠せ。ついでに、二人の貯金は贅沢品を買うとか、旅行にでも行って、全部使い切るんだ。レーシック手術を受けるお金を残しちゃだめだぞ。
■な?コンタクトが最良の選択じゃないってことよ。どうして女の子はコンタクトにしたがるのかね、わからん。メガネのほうがセクシーだって。
日本の「八重歯」のトレンドよりはいいよな。流行だからって、歯並びをめちゃめちゃにしかねないだろ。日本にはまだ、八重歯をトレンディーだと思ってる人がいそうだもの。
■メガネの女の子ってすっごく可愛いってことを発見した。でも、視力が良いのにメガネをかけるってのは馬鹿げてると思うけどなあ。わざとらしすぎる。
■↑同意だ。なんかちょっといらっとする。
■一ヶ月前にレーシック手術を受けた人間として、この展開はちょっと許せん。
■そうか、そろそろオレの時代が来たか。オレのメガネがセクシーになるときがきたってことだ。
……メガネって、歩いてて木にぶつからないためにかけてたはずなんだけどな。
■おいおい。オレたちみんな、秘書とか教師には弱いだろ。誰だって、メガネをかけた年上の女性に誘惑されたいって、絶対。
あと、メガネの女学生とかもいい。……オレ、寂しすぎて、こんなこと考えちゃうのかな……。
■↑いや、お前はおかしくない。
■↑図書館司書と精神科医も忘れるな。メガネなしじゃ考えられない。
■↑全員まとめてきてくれ!
■これでしょ、やっぱり↓。

■↑読子だ!
■オレが『ペルソナ4

■↑同意だ。シンプルに、凄いゲームだよなあ、これ。
■↑これ、……マジで?みんなメガネ、かけてるの?すげえわ。
■↑うん、敵と戦うのにメガネが要るんだよ。
■僕が『キャサリン

■同意だと言える喜び↓。

■(メガネを指であげながら)どうやら日本に引っ越す頃合のようだな。
■↑(メガネフレームの調節をしながら)そのようだな。
■↑ホットな女の子じゃないと、さして意味ねえだろ(笑。
■↑アレンジは可能だ。ヒゲをそれば、オレもそれなりにイケる。
■↑さ、引っ越そうぜ。オレが輝く時代がきた。
■↑チキショー……。ホットな男の子ですらない、オレって…(涙。
■はっきり言って、メガネ好きってそんなに変わったことだとは思わない。メガネって一般的に見栄えが良いもんだと思う。コンタクトも可能だし、レーシックを受けることもできるけど、オレはメガネ派。でもって、メガネの女の子は一般的に可愛くてセクシーでクール。
ジュエリーとかサングラスと似たようなもの。サングラスは目が隠れちゃうけどさ。耳たぶにメタルの棒を突き刺して、そこからメタルの飾りをぶらさげてるより、普通に思えるよ。
まあ、メガネかければ誰でもよくなるとまでは言わんけど。
■自分がメガネ萌えかどうかはわかんないけど、女の子がメガネをかけると、とたんにセクシーさが2倍!(不恰好なメガネじゃだめだよ)。こう思う人、他にもいる?
■ねえ、まさに今週、………オレたち全員、メガネがなぜ萌えなのかを心から理解したはずだと思う↓。

■いつもメガネの女の子には惹かれてきたなあ。
■僕も素直になるよ。メガネの女性には魅力を感じます…。
■メガネっこブームは全力で支持したい。
■カッコいい侍もメガネ。うん、その通り、……ジンが立証してくれてる↓。

■↑『サムライチャンプルー
■>「人がメガネをかけた瞬間から、それがスーパーマンであっても、自分のような内向的な人に見えてくるんですよね。内気な男性にとっては、そういうふうに連想しやすいんでしょう」。
ワオ。これは実際、すっごいうなづけるわ。いっつも思ってたんだ。メガネの女の子ってどっか魅力的だなあって。
■一番最初の画像見て。これ、メガネを2つ重ねてかけてるんじゃないんだよ。1つのメガネに、上からカチって留めるタイプのアタッチメントを重ねてる。オシャレだわ。マジ、天才。
■オレ、女の子って好きですらないのに、メガネっこには理不尽な愛を感じるんだよなあ。
■レイもメガネっこ入り!↓。

■↑え、ちょ、待って。…これレイ?
(じっと見る)。
うん、目が赤い。レイだ。
■↑あまりにも可愛すぎる。
■↑可愛すぎ。……これは、…抵抗できないわ。
でも、正直、ワンピースってのが大きい、たぶん。ワンピースってツボなんだよ、オレの。
■曲線美、ブロンド、メガネ。私、これで日本で生き抜くことにするわ。
■なにがとんでもないって、実際、オレたちのフォーラムに「今週の日本のフェティッシュはなに?」っていうスレッドがあることよ。
■↑「今週のドイツのフェティッシュはなに?」よりいいじゃん。気楽にいこうぜ。
■しっかし、今更、メガネっこって。記事が遅い!
で、来週はなんだ?今度は「今週の日本の萌えは、ニーハイ・ソックスです」だの言い出すの?(笑
あ、教えちゃった。
■日本は、常にオレに引っ越す理由を与えつづけてくれる。……日本よ、メガネ萌えって言ったよな?
任せろ!オレ、3つも持ってる!
■僕の三大萌え。メガネ、三つ編み、そばかす!生徒会長だったら、なお良し!
■やっぱエルトン・ジョンだよな↓。

全体的に、一体感のあるコメント欄でございました。
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