前回書いた『侍成分』のことを少し補足しておこうと思います。
真剣、一閃で巨大ロボットをズバーーーっとまっ二つという、見るも爽快な『SAMURAI 7』の対ロボット戦闘シーンのことはすでに書きましたが、もう1つ『SAMURAI 7』で見応えのあるのが対人戦闘シーンです。
要はチャンバラですね。『侍成分』といえば、やはりチャンバラは外せません。『SAMURAI 7』は序盤から、このチャンバラをかなり派手に見せてくれます。前回同様に、海外のファンのかたが作ったAMVがあったので、ご覧ください↓。
人間離れした剣技を印象的に、かつ流麗につなげて展開してくださる。しかも、「見得を切る」のが大変上手いです。この派手さ、ケレン味、力学を無視したリアリティのなさ。本当に、これでこそアニメという気がします。
元々、私はチャンバラが好きで、黒澤明の『用心棒
相手をバサバサっと斬り飛ばした後に、刀を収めながらフイっと踵を返して立ち去る。−−−−もう、三船敏郎の「侍、かくあらん」という身のこなしに感動すらいたします。『SAMURAI 7』とは真逆に、大見得はないのですが、むしろそこに痺れます。
上の2つ、比べるにはあまりに土俵がちがいすぎますが、私にはどちらも『侍成分』の醍醐味、チャンバラの面白さを伝えてくれるものです。
おそらく、重なりはしないでしょうが、海外の黒澤明ファンも、そうして『SAMURAI 7』のファンも、演出方法は違えど、こういう剣劇の中に最も『侍成分』の魅力を感じて、楽しんでいるのではないかなと思うわけです。
↓『用心棒』 三船敏郎、カッコよすぎますなー!
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そんなわけで、やっと『SAMURAI 7』海外レビューです。
全話を通しての感想が読みたかったので、今回の海外レビューは、日本では未発売、2008年にリリースされたボックス・セット『Samurai 7 Viridian Collection』。
米国アマゾンのカスタマー・レビュー全21件中、
5つ星:15件
4つ星:4件
3つ星:2件
紹介するレビューは、5人中5人が役立つと評価したレビューです。
評価:★★★★★
このチャンスを逃したくないはずだ!
Samurai 7 Viridian Collectionは、アニメの26話すべてを収録してる。ワイドスクリーン対応で、クリアな音声、素晴らしい映像。戦闘シーンは大変きめ細かく、しかも、非常に速い。細部まできちんと見ようとしたらスローモーションで見なければならないだろう。ストーリーも良い。(見れば)あなたは登場人物全員を大好きになってしまうだろう。
物語は、大戦の傷が残る未来世界で始まる。村々はどれも、野伏せり(野武士)たちによる管理を受けるか、あるいは彼らによる恐怖政治の中にある。野伏せりとは、かつては侍だったが、更なる力を求めて機械となることを選んだものたちだ。この野伏せりによって、村人たちは、育てたすべての米を略奪され、飢餓に苦しんでいる。この不正に反旗を翻そうとする村人もいたが、彼はあまりにも無力で、逆に大きな被害を受けてしまう。
しかし、もはや野伏せりたち反撃するよりない村があった。そうしなければ、彼らは息絶えてしまうのだ。村の長老は、村を守るには7人の強い侍を雇うよりないと決断する。そこで、水分りの巫女、キララが送り出され、侍を探し出し、村へ連れ帰ることとなる。
盛り沢山の冒険と、都の御蔵番吟味方による山盛りの悪巧み。このアニメを最初から最後まで通して見れば、この7人の侍たちがなぜ、どうやって村を守ったのかがわかる。
私は、このアニメを、刀による戦闘、冒険、そして良質で健全な娯楽を愛する人たちに勧める。多少暴力的な映像があるので、13歳以上であれば、誰にとっても良い作品だ。$28.00なんて価格だ、これを買わないなんて損だ。
次は、2007年発売のボックス・セット『Samurai 7 - The Complete Series』のカスタマー・レビューから。
全18件中、
5つ星:11件
4つ星:4件
3つ星:2件
2つ星:1件
レビューは、21人中19人が役立つと評価したレビューの感想部分を抜粋して紹介します。
評価:★★★★
「かつて戦場には侍が、大地に農民がいた」
オリジナル、リメイクともに見ている人ならすぐにその関連性が理解できるだろうが、『SAMURAI 7』を楽しむために1954年に制作された映画を見ている必要はない。このアニメの制作者は、オリジナルの『七人の侍』の魂と意図を実にうまく彼らの作品に注入させている。これは、A点からB点へ(移し替えただけの)の無意味なアクション映画ではないのだ。大戦で仕官先を失い、目的もなく生きる、みすぼらしい侍から、視野の狭い、戦嫌いの、野武士とほぼ同様に侍をも恐れる身分の低い農民まで、アニメの中の登場人物を知るにつれて、キャラクターとストーリー展開が徹底して強調されていく。
アニメ中で明らかになるのだが、侍たちがカンナ村に滞在することで、武士道の行動規範と村人の「賎しい」が、比較にならないほど現実的な原理が衝突し、2つの社会階級の差が浮き彫りになっていく。2つのカーストを繋ぐ橋は、農民出身であり、ガサツだが、にぎやかなキクチヨである。これは、(オリジナルで)あの偉大なる三船敏郎が演った役だ。誤解しないでほしい。このアニメ化されたキクチヨは、三船がやった役を参考にはしていない。アニメで強調されているのは、キクチヨがいかにデカいかということと、この生まれ変わりが未完成の機械の殻に閉じこもらねばならなかったことだ。正直に言うと、ここでのキクチヨはなかなかだが、ときとしてイライラすることもある。
物語が進み、キャラクターが展開しだして、深刻な局面へと移るときがきても、侍は騒ぎ立てたりはしない。アクション・シーンは驚異的だ!普通サイズの人間がデカいロボットをやっつけることが可能だとほとんど信じそうになってしまう。アニメーションは、ときおりCGがまったく2Dのアニメーションと調和していないことがあるにしろ、それでもやはり、見ていて、とてもとてもいい。
SFに衣替えをするのと同時に、黒澤のオリジナルの映画を元に作った、いくつかの大きな変更点がある。ヒロインを、より印象的な水分りの巫女、キララという役割にしたこと、キクチヨとともにコメディ・リリーフとなる、キララの妹コマチを追加したことだ。(キララもコマチも日本米のブランド名だ)。もう1つの変更点は、侍が、野武士よりさらに先へと闘いをもっていくこと。でも、聞いてほしい。SF要素、クールなアニメーション、そして、もの凄い戦闘シーンがあってさえ、僕は『SAMURAI 7』の最も良いところは、ともかくも、オリジナルの映画の人間性を保っているということだと思ってる。これは本当に大人のためのアニメだ。最終的には村人たちが勝つとはいえ、結末はほろ苦い。農民たちには収穫と収穫の歌が続くだろうが、侍は、ただ流れ去っていくだけ。そして、侍のリーダー、カンベエは言うのだ。これまでずっと負け戦だったが、今度もまた負け戦だったと。
ちなみに、このボックスセットを買った人が、合わせて買っているのは、『AFRO SAMURAI
次回は、単発で音楽の話を書こうかと思っています。
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